地球防衛軍と宇宙大戦争 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

『地球防衛軍』(1957年・東宝/監督:本多猪四郎)は、宇宙からの侵略者と戦う地球防衛軍の物語。東宝初の本格的な(怪獣映画ではない)SF映画です。

富士山麓一帯で謎の怪事件が発生。火星と木星の間にあったという第5惑星ミステロイドの研究をしていた天体物理学者の白石(平田昭彦)が行方不明になります。白石の妹・江津子(白川由美)と恋人同士の渥美(佐原健二)が調査開始すると、渥美の前にロボット怪獣モゲラが出現。モゲラは麓の町を襲いますが、自衛隊の必死の防戦で峡谷に落ちて破壊されます。モゲラが白石の残していた論文にある異星文明の仕業と安達博士(志村喬)は推測。富士山麓に派遣された調査団の前に巨大ドームが出現し、調査団の代表5名をドーム内に招きいれます。

ドームの主は核戦争で破壊したミステロイドの生き残りのミステリアンで、火星からの移住を計画。富士山麓の土地と地球の女性を要求します。政府はこれを拒否し、戦闘が開始。圧倒的な科学力の違いで、自衛隊は敗退。人類の危機に科学兵器を動員した全地球規模の地球防衛軍が結成されます。女性たちが次々とミステリアンに拉致され、その中に江津子や白石の恋人だった広子(河内桃子)がいたことから渥美は秘密の地下道から救出に向かいますが……

人間ドラマなど如何でもよく、小松崎茂のデザインによる科学兵器が素晴らしく、円谷英二の特撮技術と相俟って快感を呼びます。伊福部昭の音楽が気分を高揚させ、ミステリアンと防衛軍の大攻防戦を楽しくさせるので~す。

 

『宇宙大戦争』(1959年・東宝/監督:本多猪四郎)は、宇宙からの侵略者と戦う科学者たちの物語。

宇宙ステーションが謎の円盤部隊に破壊され、続いて地球上では鉄橋や汽船が空中に舞い上がるという怪現象が発生。国際宇宙科学センターでは、この異変が討議され、宇宙からの侵略に備えます。敵は地球を植民地にしようとするナタール人で、円盤の冷却線に対して、勝宮(池辺良)たち科学者は熱線砲を開発。月の裏側にナタールの基地があることがわかり、安達博士(千田是也)が率いる調査隊が月に出発。基地は完成間近でしたが、勝宮たちの活躍で破壊に成功。地球に帰った安達博士はナタールとの全面戦争に備えて兵器の開発を急ぎます。やがて、巨大な指令円盤に率いられたナタール円盤部隊が大気圏に迫り……

『地球防衛軍』に続く空想科学戦争映画。兵器デザインはもちろん小松崎茂。池辺良と安西郷子の恋模様や、ナタールに洗脳装置を埋め込まれた土屋嘉男などのドラマ部分は平凡で密度はありません。伊福部昭の音楽が気分を高揚させ、ナタールと防衛軍の大攻防戦を観ているだけで楽しくなるので~す。