宇宙快速船とガンマー第3号宇宙大作戦 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

特撮映画といえば東宝の独壇場でしたが、60年代になると東映も挑戦してきます。そんな作品に、『宇宙快速船』と『ガンマー第3号宇宙大作戦』があります。

『宇宙快速船』(1961年・ニュー東映/監督:太田浩児)は、地球侵略にきた宇宙人とスーパーヒーローの戦いを描いたSFアクション。

飛来した宇宙船の着陸場所で宇宙人に襲われた少年宇宙研究会の少年たちを謎の英雄アイアンシャープが救います。その頃、世界では異常現象が起こり、少年たちは山形記者(亀石征一郎)たちに宇宙船を見たことを話しますが誰も信用しません。しかし、谷川博士(松本克平)の宇宙科学研究所で青年科学者・立花(千葉真一)が、少年たちが現場から持ち帰った物質を分析し、地球上にない海王星の物体であることが判明。宇宙船が宇宙科学研究所を襲いますが、柳田理学士(江原真二郎)と斎藤理学士(小宮光江)がエレキバリヤで撃退。しかし、警備員に変身した宇宙人によってエレキバリヤの発電所が爆破され、再び宇宙船が襲来。宇宙船破壊のためのアルファ電子ロケットが準備されますが、宇宙船から次々に小型円盤が発射されます。小型円盤とアイアンシャープの戦いが始まり……

ラスト20分の都市破壊(実写のビルと逃げまどう群衆に、爆破瞬間のミニチュアが合成)と空中戦(スクリーンプロセスで流れる地上を背景にミニチュアのアイアンシャープの快速船と小型円盤の戦いが見事に融合)は特撮ファン必見ですな。B級作品ですが製作費をかけた東宝の特撮技術と遜色ないです。内容的には、何じゃコリャね。アイアンシャープの正体(演じているのは千葉真一)や科学力が何に由来するのか一切不明なのはテレビ映画『ナショナルキッド』と同じで〜す。

ちなみに『ナショナルキッド』についてはココヘ⇒ナショナルキッド(1) | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)

 

『ガンマー第3号宇宙大作戦』(1968年・東映/監督:深作欣二)は、東映が『海底大戦争』に続いて海外向けに米映画会社ラム・フィルムと組んだSF特撮映画。

2等遊星フローラが地球への衝突コースを進んでいることが確認され、ジャック中佐(ロバート・ホートン)は国連宇宙センターの依頼を受けて、宇宙ステーション・ガンマー第3号を本部にしてフローラ爆破作戦を敢行。300メガトン爆弾3発で、フローラは粉々になります。しかし、爆破作業時に隊員の宇宙服にグリーン・スライムが付着。それは電気エネルギーを食料にしており、殺菌消毒用ライトを浴びて2.7メートルの怪物に成長します。ステーションの司令官エリオット中佐(リチャード・ジャッケル)が捕獲を試みますが失敗。ルイズ女医(ルチアナ・パルッツィ)が怪物に襲われ、ジャックがレーザーガンで撃退。しかし、怪物は流した血から次々と増殖していきます。残された道はただひとつ。ガンマー3号を地球の大気圏に突入させ、摩擦熱で怪物ごと爆破、焼却する以外に方法はなく……

日本人俳優の出演はなく、全て外国人俳優。とは言っても、ロバート・ホートン、リチャード・ジャッケル、ルチアナ・パルッツィ以外は日本在住外人俳優なんですけどね。その他大勢は素人さん。特撮が売りなので、深作欣二としては細かいところはどうでもよかった感じですな。クエンティン・タランティーノはこの作品のファンで、来日した時に所持してきたレーザーディスクに深作欣二のサインをもらったとのこと。特撮は、合成を使わず、宇宙空間のセットに吊るされたミニチュアが火薬によって空を飛びます。怪物の声は、特撮ドラマ『キャプテンウルトラ』に出てきたメタリノームと同じ効果音素材。東映の特撮技術が上手く活かされていま~す。

ちなみに、『キャプテンウルトラ』についてはココヘ⇒キャプテンウルトラ | 懐古趣味親爺のブログ (ameblo.jp)