紳士は金髪がお好きと恋をしましょう | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

マリリン・モンローは歌える女優だったことから、音楽喜劇にも魅力を発揮しています。そんな作品が、『紳士は金髪がお好き』と『恋をしましょう』です。

『紳士は金髪がお好き』(1953年/監督:ハワード・ホークス)は、ジェーン・ラッセルとマリリン・モンローが共演したミュージカル。当時の女優ランクからみるとラッセルの方が上なのですが、モンローのための作品といっていいでしょう。この作品はモンローの人気を決定づけ、モンローのキャラ(ちょっとオツムの弱いセクシーな女)を決定づけました。

ナイトクラブの踊子ローレライ(マリリン・モンロー)とドロシー(ジェーン・ラッセル)は仲良しで、チャッカリ娘。ローレライは大金持ちの息子ガス(トミー・ヌーナン)とパリで結婚式をあげるつもりでしたが、ガスの父親が結婚に猛反対で病気と偽って出発寸前に中止。ローレライは汽船の切符をもらい、ドロシーとパリへ出発。ローレライを調査するためにガスの父親が雇った私立探偵(エリオット・リード)とドロシーは仲良くなりますが、船内でローレライが鉱山王(チャールズ・コバーン)にモーションをかけたことから、とんだ騒ぎがもちあがります。鉱山王が持っていたティアラを盗んだと訴えられるんですな。裁判にまでなりますが、ローレライはガスと、ドロシーは私立探偵と結ばれて、めでたくエンド。

骨太のラッセルと並ぶと、モンローは華奢で、まさに“女”です。ラッセルも美人でスタイルも良いのですが、女を感じません。モンローの身代わりとなって裁判を受けるシーンのラッセルのゴツイこと。男が女装しているのかと思ったくらいです。ラッセルがモンローウォークを見せるのはお笑いですよ。モンローはパリの町でラッセルと粋な踊りを見せ、キャバレーではセクシーな歌声で「ダイヤモンドは女の最上の友」を聴かせてくれます。

 

『恋をしましょう』(1960年/監督:ジョージ・キューカー)は、億万長者が女優に恋する物語。

億万長者のクレマン(イヴ・モンタン)は自分を皮肉っている芝居が上演されると広報担当のコフマン(トニー・ランドール)から知らされ、一緒にリハーサルを見に行きます。舞台で歌って踊っているアマンダ(マリリン・モンロー)に一目惚れ。プロデューサーがクレマンに似ている役者を捜しており、クレマンは彼女に近づくために偽名を使って役者に採用されます。クレマンはアマンダと親しくなりますが、彼女が金持ちを軽蔑していることを知り、ありのままの自分を知ってもらうために役者として認めさせようと決意。若いハンサムな歌手トニー(フランキー・ボー)に代わって主役になろうとしますが……

モンローとモンタンの共演で話題になった作品。モンタンは無理に笑わそうとしているのか、全体のテンポとあっていない感じ。主役となるために、喜劇、歌、踊りの一流の先生のレッスンを受けるのですが、ミルトン・バール、ビング・クロスビー、ジーン・ケリーが本人役で出演。モンタンの下手ぶり演技より、彼らのウンザリした表情が可笑しかったです。セクシーな歌声でコール・ポーターの「私の心はパパのもの」を歌いながら鉄棒をおりて脚のほうから現れるモンローのキュートなお色気ぶりは魅力的でモンタンじゃないですがムラーっときますね。このほか、「恋をしましょう」など5曲が劇中で歌われま~す。