五人の野武士(1) | 懐古趣味親爺のブログ

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『五人の野武士』は、日本テレビ系列で1968年10月8日~69年4月1日に放送された三船敏郎がテレビ初出演した三船プロ制作による戦国時代劇。リアルタイムでは観ておらず、後年再放送された時代劇専門チャンネルでも数回観た程度。三船が出演したエピソードは観ておらず、岡本喜八が書いた脚本もあると知って全話観たくなり、DVDボックス(全26話)をゲット。

でもって、題名の五人の野武士ですが、誰を指しているのかわかりません。登場回数からいうと、最終回の三船を除く5人ということになるのでしょうか。利南八郎太(宝田明)・伴右近(中山仁)・伊賀良五平衛(人見明)・忍びの三太夫(高橋俊之)・甘楽主水介(松山省二)ね。だけど、この5人が揃って登場するのは11話と最終回だけです。

三船は剣豪・船山次郎で、彼らが一目おいているまとめ役的存在。ちなみに三船が登場するのは、第1話・2話・14話・15話・17話・26話。

第1話「帰って来た剣豪」は、一族を騙し討ちにされた剣豪・船山次郎が親兄弟の仇を討つ物語。次郎に助けられる野武士の主水介と四方弁之進(堺佐千夫)、船山次郎が狙う仇側に雇われていた三太夫と五平衛も、次郎の気風に惚れて味方となって手助けします。仇の家来で一度は次郎と対決しますが、仇のやり方の愛想をつかして次郎に味方する剣客役で高橋幸治、父の家来だった老僕に佐野周二、老僕の娘役で佐々木愛がゲスト出演。ちなみに、仇役は清水元です。八郎太と右近は登場せず。

第2話「剣豪暁の対決」は、領民を苦しめる悪領主(加藤武)を船山次郎が農民に代わって成敗する物語。腕自慢を集めるために領主が開いた武芸大会に、三太夫・五平衛・弁之進が参加し、領主に雇われますが、その悪どさに愛想をつかしていたところへ次郎が現れ、農民を助ける次郎に味方します。次郎を父の仇として追っていた右近が次郎と対決。次郎から剣の奥義を学ぼうとしていた八郎太に、右近は次郎との技量の違いを諭され、次郎は右近が剣技を磨いたのちに剣士としての立ち合いを約束して別れます。主水介の出番なし。領主に雇われた鎖鎌の達人(露口茂)と三船との決闘は見応えがありました。

第14話「血闘虎谷の関」は、宿場町を支配する凄腕の郡代との戦い。郡代・郡一角は(内田良平)は、関所を通る商人から不当な通行料をとっていますが、関所奉行(明智十三郎)は見て見ぬふり。馬宿の主(加茂さくら)が三太夫と五平衛を雇って郡代と対決しようとしますが、彼らの手におえません。そこへ船山次郎と次郎を追って主水介がやってきます。次郎の腕をみた郡代は、新見新八郎(田村正和)を雇いますが……

ムチの名人・内田良平と三船の対決が見どころになっています。三船は三度目、田村正和は二度目の登場。この二人は野武士ではないのですが、二人を入れないと五人の野武士になりませんな。

第15話「剣豪故郷へ行く」は、偽の船山次郎(南廣)を本物が退治する物語。右近・三太夫・五平衛は、船山次郎が領主をしているという土地にやって来ますが、悪辣非道な領主という評判。そこに本物の船山次郎が現れて……

大原麗子が三船に助けられる村娘役で顔みせ程度に少しだけ出演。主水介はラストの斬りこみに出てくるだけ。三船を入れると、五人の野武士。

第17話「群狼」は、右近と五平衛は船山次郎に頼まれて和睦の使者をのせた駕篭を護衛することになります。途中で主水介と三太夫が加わりますが、次から次へと暗殺部隊が襲撃してきます。岡本喜八の脚本でスリルにとんだ展開。駕篭につき従う重要な小者役で歌舞伎役者・4代目中村米吉が出演。

最終回「天下を蹴る」は、落城した城主の息子(中村まなぶ=中村梅雀)を味方の武田領まで八郎太・五平衛・三太夫・主水介が送り届ける物語。船山次郎と伴右近が武田屋敷に逗留しており、武田信玄(東千代之介)から仕官を求められますが、自由な野武士がいいと言って全員仕官を断ります。右近は数合わせのためにラストに登場するだけ。最終回とあって三船は顔を見せるだけ。子役時代の中村梅雀を初めて見ましたよ。

とにかく、苦虫を嚙みつぶしたような顔で斬りまくる三船さんの強いこと、強いこと。味方は不要、独りで充分で~す。