妖術武芸帳 | 懐古趣味親爺のブログ

懐古趣味親爺のブログ

幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

『妖術武芸帳』は、TBS系列で『怪奇大作戦』の後番組として、1969年3月16日~6月8日に放送された特撮時代劇です。『怪奇大作戦』が子供には難しすぎる内容だったために、かつて大人気だった『隠密剣士』のような時代劇ということで制作されました。忍者はすでに飽きられており、怪奇性をうたった妖術という新分野に挑戦。

第10代将軍・家治(1760年~86年)治世下の江戸時代、清国から毘沙道人(原健策)率いる妖術師の集団・四賢八僧が日本侵略のためにやって来ます。幕府の隠密を束ねる香柱(こうたき)老人(月形龍之介)が最も信頼をおく鬼堂誠之介(佐々木功)が彼らを迎撃。誠之介と四賢八僧との戦いに、隠し目付の少林寺拳法の使い手・覚禅(藤岡重慶)が絡んできて、三者三様の思惑の中、妖術と武術の熾烈な戦いが展開します。第2話から、覚禅の妹で誠之介を慕う女忍者・楓役で楓ミツヨが登場。月形龍之介が出演するのは、最初の3話までと最終話の4回だけですが、圧倒的存在感があります。

第1話「怪異妖法師」は、身体を斬っても斬っても元に戻るという妖術“不死菩薩”を使う千里ノ眼道士(今井健二)との戦い。

第2話「怪異みず地獄」は、水差しから大量の水が噴き出し水攻めにする妖術“水地獄”を使う洪乱道士(成瀬昌彦)との戦い。

第3話「怪異おぼろ雪崩」は、一輪の花を相手にむけるとたちまち大きくなり花の中に吸いとらせる妖術“夢幻奈落”を使う夢幻道士(不破潤)との戦い。

第4話「怪異まわし笛」は、尺八の音によって妖術をかける“まわし笛”を使う八双道士(牧冬吉)との戦い。

第5話「怪異昇天仙女」は、種をまいたらたちまち芽が出て夕顔の花が咲き、蔓が身体を巻きつけ、花粉が眠りを誘うという妖術“羽花登仙の術”を使う羽花仙女(三島ゆり子)との戦い。

第6話「怪異人枯し」は、喉に渇きを与え、水を滴らせる竹筒に吸い込ませる妖術“仙薬渇水”を使う水旱道士(江見俊太郎)との戦い。

第7話「怪異風摩屋敷」は、幻覚剤を使う玄鬼道士(尾上鯉之助)との戦い。弟を婆羅門衆から抜けさすために裏切った羽花仙女を殺した毘沙道人と誠之介の初対決もあります。

第8話「怪異鬼火鞭」は、炎の鞭で身体を紅蓮の炎で包み込む妖術“鬼火鞭”を使う鬼火道士(早川研吉)との戦い。

第9話「怪異幽幻鏡」は、鏡を見た相手を催眠状態する妖術“幽幻鏡”を使う幽界道士(五味龍太郎)との戦い。

第10話「怪異魔神呪」は、自分の姿をいくつもあるように見せかける“分形の法”や、襖絵の中に誘いこむ妖術を使う白面道士(丹羽又三郎)との戦い。

第11話「怪異かずみ駕篭」は、口から冷気を吐いて凍死させる妖術を使う霞道士(安藤三男)との戦い。

第12話「怪異冥界夢」は、冥界に誘い込んで催眠術をかける妖術“冥界夢”を使う冥界道士(中村竜三郎)との戦い。

第13話「怪異人影殺」は、毘沙道人と誠之介の最後の戦い。相手の腕を操って自分の剣で自分を斬る毘沙道人の妖術“人影殺”を誠之介は池に跳びこんで破ります。

妖術とは目くらまし、催眠術にかけて相手を操るわけですな。敵がどうやって催眠術をかけるか、かかった主人公がどうやって催眠術から抜け出すかが見せ場なんですが、子供たちにはピンとこず、視聴率が低迷。ワンクールで打切りになりましたが、ストーリー展開や特撮技術など内容的には悪くない作品で~す。