日影規制補足解説 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

 4月22日土曜日 東京は、昨日までの快晴から一転曇り空

 今週気温25度の夏日が続いたが本日は19度と来週にかけて寒の戻りがあるようだ。

これは昨日金曜日公園。若葉が噴出中、いい季節だ。

 

 比嘉は、4月から本格的にTP-PLANNER講座の季節に突入した。もっとも忙しい季節だ。

 新人研修から部署移動に伴う研修など目的は様々だが

TP-PLANNERの操作を通じて建築基準法56条(高さ制限から天空率)法大56条の2(日影規制)を徹底学習していただく。

 

 今週の講座から始めたい。

今週月曜日始業開始9時から組織設計事務所の新人研修が始まった。20年ほど続き恒例となっているこの講習は夕方5時半まで木曜日の2日行った。

初日は日影規制:基準法56条の2を法文の読み解きから始まり日影規制を徹底学習。逆日影計算から申請図作成まで実践解説。

お疲れ様でした。

 

 火曜日は日影規制基礎編定期講座から。

デベ設計担当1名と設計事務所から2名いずれもTP-PLANNERユーザーの皆さん参加の日影規制基礎講座を開催した。

 JR遅延の為、開始時間が午後1時半予定から10分ほど遅れたが効率的に消化していただきほぼ予定の5時半に終了。

 実物件を各人で操作を担当していただき、わいわいがやがやノリノリの講座となった。

 来週は日影実践編でNG日影図を3D日影チャート図で効率的にクリアする方法:傾斜地の日影図処理:平均GLの算定法などB:設計GL:平均GLから申請図の作成までの盛沢山の内容だ。

 

 木曜日には新人研修組の2回目最終日。

 

高さ制限の起源から天空率への変遷していく法大56条の徹底学習。傾斜地の天空率解析手順(平均地盤計算)から申請図。

BIM等他の3次元ソフトからIFC:3DDWG(DXF)読み込み解析法など実践必須のすべてを学習した。

最後に記念撮影

おやスマホが傾いている・・・いかんな~撮り直すか!

ついでに小道具でポーズをひらめいた。

 各人それぞれのポーズでパチリ。お疲れ様でした~。

実践で頑張れ~。

 

その日影規制講座において時刻日影から等時間日影を目視し日影規制クリアの可否を判断する講座がある。

 例えば5/3時間に規制において3時間の等時間日影線を

8時側では8時と10時、11時の重なり部がそれぞれ2時間3時間で、16時側では16時と13時の重なりが3時間となる。

事を解説した。

 これが日影規制時間をカウントする基本の考え方だが

北側に面する部分が階段室が突起状になる部分では時刻日影の上記重なりと等時間日影線が一致しない部分が生ずる。

今回はこの事を解説したい。

 

の回を補足を交えて解説したい。タイトルからもわかるように審査期間でも時折間違えた指摘をされる場合があるので確認していただきたい。

 

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事例は下図で示すように北側に外部階段が存在するケース。

計画地は東京北緯36度で日影規制時間が5/3で受影面は4mの事例。

 

 この事例で日影規制資料を作成した。

等時間日影図は

赤枠で囲われた3時間と5時間の規制に対してぎりぎりクリアしている。

ところが時刻日影図を確認した審査サイドがおや?

時刻日影図で確認するとNGと思われるが・・?

*申請図時刻日影図は30分間隔で提出が原則。今回は検証を容易にする為60分間隔で提示している。

・・と赤枠で囲われた箇所がNGではないか?との指摘。

時刻日影図と等時間日影図を重ねて作図すると

 「時刻日影の時間の重なりと等時間線が一致してないではないか?」とのご指摘。

 時刻日影図を拡大し日影時間をカウントしてみたい

 時刻日影から日影時間をカウントする方法としてアナログ的に

8時と16時の枠内で影の重なりをカウントする。

本例は8時枠を検証。

 8時枠内で日影の重なりが1の場合は1時間とカウントする。

したがって8時枠内では9時が1時間10時が2時間、11が3時間、13時が5時間となる。

 

 そのカウント法によると規制時間の重なりが規制ラインを超えている場合その部分をNGとする。

 この事例では西側の階段室の部分が規制ラインを超えている為NGではないか?

 同様に5時間も入隅部で5mラインを超えているではないか?との指摘で等時間線と一致しないのはなぜでしょうか? ・・とTP-PLANNERユーザーからサポートセンターへの相談。

 

 結論から・・・

この結果で問題有りません。北側に面した建築物の部分が凸凹状に段差がある場合、時刻日影図の重なりでは等時間線を判断できない箇所が発生します。

今回はこの様な事例の検証法を解説したい。

 

1)北側凸凹部を階段室の前面まで拡幅し凸凹部をなくした場合の時刻日影と等時間日影 

①時刻日影図でNGを確認

時刻日影図で重なりを確認すると3時間、5時間いずれもNGだ。

等時間線で確認すると

②等時間日影図で確認

 この場合時刻日影の重なり同様に3時間、5時間さらに10mライン入隅部の3時間もNGになることがわかる。

 

③時刻日影図と等時間日影図を重ねて確認

 

 10mライン入隅部のNGは9時の枠内にある3時間⇒12時と9時の交点が規制ラインを超えている事がわかる。

 時刻日影図の時間線の重なりが等時間線と一致するケースはこのように北側に面する建築部の日影が凸凹でない場合。

 

2)時刻日影図と等時間日影図が一致しない場合の検証法

 

①指定点日影で疑わしき規制ラインを微小な範囲で日影時間をカウントする。事例は当初の北側に面する時刻日影図が凸凹になる事例

拡大し確認すると

 NGでは?と指摘されたエリアを50cm間隔で日影時間を確認すると

北西が最も厳しくP6において2時間59分でクリアとなった。

 これが1分間隔での解析。誤差が2時間58分30秒から2時間59分30秒の誤差範囲で算出される。

 さらに1秒間隔で解析すると

 2時間58分58秒が算出された。誤差範囲が2時間58分57.5秒から

2時間58分58.5秒の間の精度で解析される。1分強のクリアランスがある事が確認された。

 

 ではなぜ時刻日影図の合わさりと等時間線が一致しなかったのだろうか?

この事は、半天空図で確認する事で明確になる。

 

②「図法」「天空図」から「半天空図」で確認する。

もっとも厳しいP6の位置から建物越しに太陽を眺めると

半天空図と共に日影時間のグラフが表示される。

 

 トータルの日影時間2時間58分58秒の内訳は8時から10時37分2秒まで太陽と建物が重なる為、2時間37分2秒日影時間となりその後日向の時間が10時39分28秒までの2分1秒続く。

 さらにその後11時0分59秒まで建物と太陽の軌跡が重なり21分31秒影になる。

 8時から11時0分59秒までの影の時間は3時間59秒日向分2分1秒差し引くと2時間58分58秒が影の時間。

 時刻の合わさりでは日向の分2分1秒が確認できない事がその原因である事がわかる。申請時に時刻日影図に加えて等時間日影図を添付する事の理由の一つ。

 このようにクリアランスが微小な場合、指定点日影に加えて半天空図を提示する事を推奨したい。

 現況の日影規制時間の内訳を確認する際にも有効だ。

 

 5時間規制の入隅部は、等時間線が規制ラインに近接しているにもかかわらず日影時間が4時間47分14秒と12分以上余裕がある。

半天空図で確認してみたい。

 

 やはり階段室の脇で日向になる時間帯が12時25分46秒から12時41分36秒の15分50秒となる。この日向の時間が時刻日影と等時間日影が一致しない時間となる。

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大谷が本日のロイヤルズ戦、2回までパーフェクト。

応援に専念したい。

来週も講座は火曜日から連休直前まで連日続く頑張ろう!

 

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