12月30日
酉年の2017年、平成29年も残すところ1日。
今年最後の比嘉ブログ。
今年も読者の皆さまの声援に励まされ、個人的にも様々な事があったが無事休む事なく書き続ける事ができた。
感謝・・・。
クリスマスの月曜日、新宿駅の向こうにドコモタワービルがクリスマスツリー風。
あわただしく過ぎたこの1週間だが28日の大掃除から納会、昨日のラッパ仲間、そして本日は東京在ファミリーの3連続忘年会でおしまい。
先月の札幌、福岡のセミナー、連日の講座と飲み会のハードスケジュールに風邪をひくこともなくよく耐えたと我事ながら感心。これもお湯割り作戦のおかげ・・・おっとこれは秘密の作戦だ。
さて今週も講座があった。まずは、クリスマスの月曜日には都市開発系の会社から好青年がやってきた。マンツーマンでの講座。
残り2回は年明けだ頑張ろう。比嘉手書きの日本地図では真太陽時を解説。
水曜日は、不動産鑑定講座の補講特訓。
久々の講座ではあったが師走の慌ただしい最中、コンパクトに確認していただき終了後は、走って社に戻られた。来月は、他のメンバーも合わせて皆で頑張れ!
さてブログ講座の時間だが前回、TP-PLANNERで作成したモデルからARCHICADのアドイン連動を解説すると予告したがなんと12月9日の回で解説ずみでした。
今回は、今週寄せられた質問を題材に解説したい。
今年最後のお題はこれ
南側に屈曲6m道路が接しておりしかも円弧部で隣地の前面すきまが空いた状態の行き止まり道路。
この場合の適合建築物および算定位置はどのように設定したらよいのだろうかとの相談。
TP-PLANNER操作とともに理論の根拠を解説したい。
まずは斜線断面図をチェックすると
どうやらNGのようだ。最近すべて天空率で対処の意識が強くなり斜線断面のチェックをしないで高さ制限内の建物まで天空率計算を行う設計者もときおりみられるのでまずは「図法」「断面図」
高さ制限をチェックしていただきたい。高度斜線のチェックなども有効だ。
道路高さ制限NGが確認されたので天空率チェックの入力を確認するとこの場合。敷地境界点NOの始点側がNG(敷地形状は左回りでナンバリングされる)が行き止まる。
この指定は「敷地」入力で
境界点間6~7間をクリックし選択(→が始点終点を意図)が表示される。この場合NO6始点側が行き止まりゆえ「始点側行止り」をチェックする。道路幅は6m値を入力する。
今回行き止り道路はこの部分より「敷地」での入力はここまで。
用途値域の設定等を終えたら
「新天空率算定領域」に移動し
算定領域の項で「道路・一の隣地」を選択する。(道路天空率はいずれを選択でも同様。隣地の方式が異なるのみ)
「発生」ボタンをクリックすると入力情報から発生する道路状況が発生する。
行き止まる道路の場合、通達で下図のように高さ制限が適用される取り扱いが図解されている。
この図が意図する事は
1)道路が敷地側の行き止まった位置AZから、面する部分ZEまでの間AE間の高さ制限に関して。
行き止まった境界点Zを中心に道路側に円弧状にみなしの道路の反対側があるとし高さ制限が適用される。
2)EF間には、行き止まった境界線ZYに対して垂直な方向にみなしの道路幅員aを高さ制限の起点とする。
つまり行き止まった道路の端部からは円弧状に高さ制限の範囲が設定される事を意味する。
この事をふまえて新天空率の区域自動発生で入力データから自動作成された道路状況に通達の意図を加味する必要がある。
既存の行き止まり部分の形状はCADデータあるいは補助線で作図しておく必要がある。
その結果
自動発生した行き止まりの位置を本来の行き止まり位置に修正する。
自動発生した道路反対側の位置は既存の位置と異なるが高さ制限の起点と必要な為、そのままで修正しない。
その事により境界点NO6から行きどまった左側には円弧状に適合建築物が設定され右側には既存の道路の反対側を起点とした高さ制限が適用される。
NO6から下側に配置された上記行き止まり線から左側は隣地超えの道路高さ制限が適用される。その間後退距離は最短幅が適用される。
操作はこれだけ「高さ制限種類」で「道路」を選択後「発生」ボタンで下図のように適合建築物が発生する。
通達とあわせて確認していただきたい。
「表示」「3Dビュワーで表記」で
このように設定される。一気に解析してみよう。
ホームに戻り「出力」で算定基準線が発生する。
発生した基準線(算定位置が発生する線分)に関して考察してみたい。
円弧で記した①と②の部分だ。
①側
本来の行き止まの位置に面して発生するとこのような屈曲道路では敷地内に入りこむ。この場合審査サイドとの協議が必要だが敷地内は不要な為道路境界まで縮める事とする。
*ただしこの場、現況の反対側が存在する為、①側の算定位置は不要とも考えられる。設置した場合でも適合建築物に接近する為、既存の反対側の位置より厳しくなる事はない。その意味でも不要と考えるが今回はその事を実証する為にあえて設置したい。
②側この部分は本来の道路反対側の位置をこえた敷地側の道路境界線に面した位置まで延長されている。これは2方向道路の交差側の算定位置同様に延長してもよし法文どおおりに現況
(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置
「当該道路の反対側の境界線上の位置」とある事より行き止まりの端部までに縮める解釈も問題ない。今回は面する端部まで延長し数値の増減を確認したい。これらの結果をもとに審査サイドと協議し算定位置を確定する事が望ましい。
以上の内容で解析すると
この中で差分が最大の算定位置は、みなしの道路の敷地側の端部で6.234%。その事から既存道路の反対側がある場合は、みなしの算定位置は不要の場合が多い。
行き止まり部の端部から面する端部まで延長したP1も差分は大きく設定されている。安全側で考えるなら算定位置が多くなる今回の設定法で行えばよいと考える。
今年最後の講座はこんなところでおしまいにしますか。
来年も困難な事例の解決法をできるだけわかりやすく解説したく思ってます。来年もおつきあいのほどよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。 hi