文系サラリーマン独学勉強部屋 -4ページ目

文系サラリーマン独学勉強部屋

予備試験経由で司法試験合格、TOEIC930点、証券アナリスト合格、ITストラテジスト合格
趣味=資格の会社員が文系社会人の独学勉強について書いていきます

こんにちは、ぎんざけです。

 

勉強は量です。どんな優れた教材を使っても、例えば宅建に3時間で受かるのは無理です。

一方、どれだけ勉強しても試験に受からない人がいるのも事実で、こういった人は勉強の順番を間違えている可能性が高いです。

 

なので、勉強をするにあたって重要なのは、ほどほど正しい順番で必要な量の勉強をするということになります。

(ほどほどの意味は後述します)

 

ここで問題になるのは「正しい順番」とは何かという点です。これは2つの側面があり、重要度基礎度の両面を考える必要があります。

 

1.重要度

重要度は試験においては出題頻度と置き換えることができます。当たり前ですが、出題頻度が高いところを勉強した方が試験に受かる可能性は高まります

また、試験出題者がバカでなければ、その学問の本質的な内容の出題頻度を高くするはずなので、後々の人生でも役に立つことが多いと思います。

 

2.基礎度

重要度が高い問題ができるようになるのが目標ですが、重要度の順番で勉強すると難しい問題につまずいて詰んでしまう可能性が高いです。なぜ、こういったことが起きるかと言うと、重要な問題がより簡単(基礎的)な問題の組み合わせである場合、簡単な問題を解けるレベルでないと手も足も出ないからです(時間をかけても意味が分かりませんし何も残りません。時間→知識の変換効率が悪い状態です)。

何が基礎的(=簡単)かは別で投稿する予定です。

 

普通に考えれば、①重要で基礎的→②重要でないが基礎的→③重要だが基礎的でない→④重要でも基礎的でもない、という順番が効率的だということになります。また、④は時間が足りなければ切り捨ててもいい分野になります。

こういった順番に並び替えたものがカリキュラムであり、ちゃんとしたカリキュラムがあればあとは時間と労力で試験に合格できます

 

にもかかわらず、世の中にはまともなカリキュラムが多くはありません

本当に頭が悪い人は④から教科書を作ったりします(世界史の教科書はアウストラロピテクスからスタートします。法律の教科書で冒頭に中世以来の来歴を長々と書いているものもちょいちょいあります)。

頭が良い人も教育に興味がないと③から教科書を作ったりします(商法の教科書で会社の設立が最初の方に出てきます。重要な「設立後の会社の運営」を学ぶにあたって設立の知識は不要です)。

 

なので、思うように結果が出ていない人は、自分が従っているカリキュラムを一度点検することをお勧めします。

 

なお、カリキュラムはほどほど正しければそれでよいです。カリキュラムが良ければ良いほど勉強の効率は高まりますが、ある程度以上のカリキュラムではそんなに劇的には変わりません

合格に必要な時間のイメージ的に書くと、ダメなカリキュラム3000時間、常識的なカリキュラム1000時間、めちゃくちゃ良いカリキュラム950時間みたいなイメージです。究極のカリキュラムを探すより、おとなしく1000時間勉強した方が楽だと思います

こんにちは、ぎんざけです。

 

法律用語と聞くと、「善意(ぜんい、ある事実を知っていること)」、「悪意(あくい、ある事実を知らなこと)」、「欠缺(けんけつ、欠けていること)」、「瑕疵(かし、問題があること)」といった難しい言葉を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は分かりそうで分からない法律用語を解説しようと思います。

なお、どこにも定義されている訳ではないので、私の独断と偏見である点はご了承ください。

 

・社会通念上

法律の勉強で科目を問わずに出てくる言葉として「社会通念上」という用語があります。社会通念という漢字は読めるので、何となく分かる気もしますが、よく考えてみるとよく分かりません。

この言葉は「法律の明文規定はないけれども常識的に考えて」という意味になります。なので、この言葉自体に意味はなく、規範(ルール)が出てくるときの枕詞として捉えればよいです。

 

・相当性

相当性という言葉は2つの意味があるので注意が必要です。

1つ目の意味は絶対水準として妥当な金額・数量を示す場合で、「相当な金額」みたいな使われ方をされます。この場合、基本的には裁判所がいい感じの水準を認定するということになります。

2つ目の意味は複数の対立する利益を比較する場合で、「相当と認められる」みたいな使われ方をされます。具体的には、刑事訴訟法で任意捜査が相当と認められるのは「捜査の必要性と被疑者の利益」を比較し、労働法で解雇が相当と認められるのは「使用者の解雇の必要性と労働者の不利益」を比較します。

 

・合理的

合理的というのは基本的には手段に対して使う言葉で、「目的が正当」で「手段が目的達成に結びつく」ことを指します。

ここで憲法を勉強した人の中には、合理的という言葉は緩やかな審査基準にだけ使われると誤解している人がいると思いますが、憲法判例は厳格審査基準のケースでも「必要かつ合理的な制限」が認められるとしているので注意してください(猿払事件で使われた合理的な関連性という言葉を憲法学が曲解して、混乱を招いているものと思います)。

こんにちは、ぎんざけです。

 

今回は短めですが、行政法について投稿します。

行政法の論文過去問を見た方なら分かると思いますが、行政法は試験に出る範囲がかなり限られています

①処分性②原告適格③行政裁量の各論点がちゃんと書けるようになれば、運が良ければ受かります。

一方、毎回合格点をとれるレベルに仕上げるには百選の判例の論理・結論を覚える必要がありますが、その場合でも①~③の基本論点が書けることが前提になります。

 

司法試験・予備試験の受験生であれば①~③の論証を完全に暗記するのがスタートラインですが、(司法試験委員会の採点実感を見る限り)残念ながら優先順位を間違えている人が多いような印象を受けます。

 

繰り返しですが、該当の判例を読んで論証を書き出すだけであれば①~③セットで3時間くらいでできます(その後、2~3日に1回くらい論証を読み直して完全に暗記する必要があります)。

まだの人は次の土日に最優先で取り組むことをお勧めします。

 

以下、参考に論証のポイント(キーワード)と判例を上げておきます。

①処分性

・公権力の主体(行政作用を担当する主体)

・直接、一般国民の権利・利益(法的地位)を変動

・救済可能性

判例:最判昭和39年10月29日(ごみ焼却場)、最大判平成20年9月10日 (土地区画整理)

2.原告適格

・根拠法令の趣旨・目的(関連法令も考慮)

・処分要件で考慮される利益の内容・性質(重要な法的利益に著しい被害が出るか)

判例:最大判平成17年12月7日 (小田急連続立体交差)

3.行政裁量

・根拠法令から裁量を認定

・要件裁量、効果裁量のどちらかを確認

・判断要素の選択:事実誤認、他事考慮

・判断過程:目的違反、平等・信義則・比例、考慮不尽

・審査基準がある場合は裁量基準の合理性、それに適合するとした判断の合理性又は裁量基準と異なることをすることの合理性。

判例: 最判平成18年2月7日(学校施設目的外使用許可)、最判平成4年10月29日(伊方原発)

 

 

繰り返しになりますが、上記①~③はスタートラインなので、これが分かっていない状態で行政法をいくら勉強しても、残念ながら時間の無駄になる可能性が高いです。

こんにちは、ぎんざけです。

 

ファイナンスはお金を科学する学問です。

正直なところ文系の科目は全部胡散臭いと思っている人もいると思いますが(私も若干そういうタイプの人間です)、ファイナンスだけは別です。お金を題材にしているので社会科学的な扱いを受けていますが、ほとんど物理と並列と言っていいと思います。

 

今後ファイナンス関係の記事をいくつか書いていこうと思いますが、その前提として今回は確率統計についてのウルトラダイジェストの記事を投稿します(なお、2022年度から統計が高校科目に入るらしいです)

ちなみに、日本語では統計という言葉で「小麦の生産量のグラフ」みたいなものも示したりしますが、ここでいう確率統計というのはそういうデータのことではなく数学的に未来を予測する学問を指します。
 
さて、統計の本質は以下の3つになります。統計の本では真ん中から後ろの方に出てくることが多いですが、間違いなく統計はここから学ぶべきです。
  1. 世の中の1つ1つの出来事は全て規則性があるランダム(ミクロのランダム)
  2. 「ミクロのランダム」がたくさん組み合わせた結果もランダムになる(マクロのランダム)
  3. 「マクロのランダム」は全部一緒!!!(ガウスは天才)

いまいち意味が分からないと思うので、以下で1つずつ解説します。

 

1.世の中の1つ1つの出来事は全て規則性があるランダム(ミクロのランダム)

世の中の出来事は全部ランダムです。ただし、ランダムといっても2つの点で規則性があります。

①どんな結果が出るかという規則性②確率という規則性です。

 

例を2つ挙げます。

・AさんとBさんがじゃんけんをした場合(あいこは無視します)

①結果はAさんが勝つか、Bさんが勝つかの2通りしかありません。②それぞれの確率は50%ずつです。

・宝くじを1枚買った場合の当選金

①結果は0円~3億円のどこかになります。②各当選金の枚数は決まっており、3億円あたる確率なども決まっています。

 

2.「ミクロのランダム」がたくさん組み合わせた結果もランダムになる(マクロのランダム)

「ミクロのランダム」がたくさんある時、その組み合わせ(合計)もランダムになります(マクロのランダム)。この場合もミクロのとき同様に規則性があります。

・AさんとBさんが10000回じゃんけんをした場合

①結果はAさんが○回勝つ(=Bさんが10000ー○回勝つ)となります。②Aさんが何回勝つかの確率があります(例えば、5000回以上勝つ確率は50%です)。

・毎年1枚ずつ宝くじを10000年買った場合

①合計当選金額は0円~3兆円のどこかになります。②いくら当たるかの確率があります(大体、合計が100万円以上になる確率が50%ずつです)

 

3.「マクロのランダム」は全部一緒!!!(ガウスは天才)

「ミクロのランダム」は出来事ごとにバラバラですが、「マクロのランダム」はどんな出来事でも同じ法則に従います。

それが正規分布と言われているもので、確率が以下の図のようになります(http://ryo-kida.blog.jp/archives/54884972.htmlにあったフリー素材を使用させていただきました)これはガウスの発見で、数学的に証明できます!!!

image3

正規分布の意味は難しいのでスキップしますが、重要なのはじゃんけんでも宝くじでもこの図のようになるという点です。

このため、「10000回じゃんけんをして、3500回以上4000回以下勝つ確率」、「10000年宝くじを買って、300万円以上1000万円以下の当選金になる確率」を同じようなのりで求めることができます。
 

 

この記事に書いているのが統計学の本質であり、「マクロのランダムに着目する」というのが統計学の基本的な考え方です。

そして、いろいろな株式や債券を買った場合に合計どれくらい儲かるかというのがファイナンスで注目する「マクロのランダム」になります。

 

なお、「個々の問題の正誤をミクロのランダム」、「試験の点数をマクロのランダム」と考えると、試験を統計分析することも可能です。以下、別記事ですがご興味のある方は読んでみてください。

 

こんにちは、ぎんざけです。

 

私は仕事で多少法律を使うことがありますが、一番役に立つのは条文の引き方・読み方です。

世の中にはいろいろな法律がありますが、恐らく内閣法制局の方々の変態的な努力により、非常に厳密・正確&常人には理解できない法律が多数あります。そして、これらの法律は、判例などを一切知らなくても条文を探して読むことができれば普通に使えます

 

ご参考として、私の感覚で私法系の法律をレベル分けすると以下のようになります。

(条文読解難易度でレベル5がマックスになります。条文の難しさランキングなので、法律の学問的難しさとは比例しません

レベル5:租税特別措置法

レベル4:社債等振替法、業法(規制産業関連の法律です)、各種省令

レベル3:会社法、破産法・民事再生法、民事執行法

レベル2:民事訴訟法、民事保全法

レベル1:民法、商法(総則・商行為)

 

振替法は一応商法の試験範囲ですが基本的に出ないと思うので、司法試験の法律基本科目では会社法が基本的に最大難易度になります。一方で、実務ではもっと変態的な法律が出てくるので、会社法ぐらい普通に読める状態でないときっと大変だと思います。

 

この投稿ではどうやったら法律の条文が引けて読めるようになるか(=条文とお友達になれるか)という観点でのステップを書きます。

なお、試験では条文が読めても論証が書けないと落ちるので、これだけでは司法試験に受かりませんので、その点はご注意ください(ただ、論証を書けるようになる勉強は民法などと共通です)。

 

 

<ステップ1 会社法を勉強する際には毎回目次でウォーミングアップする>

法律には目次があります。見過ごされがちですが目次は法律の一部です!!!

まずは編と章を読んでみて、重要そうな章(※)は節も読みます。慣れてくるまでは商法の勉強をする度ごとにウォーミングアップとして毎回やってください(5分かかりません)。

(※)重要そうな章がピンと来ない人は、「第2編第2章株式」と「第2編第4章機関」と「第7編第2章訴訟」で良いと思います。

 

<ステップ2 出てきた条文を引いて、第何編第何章かを確認する>

短答でも論文でも出てきた条文は基本的に六法を引いて読むとともに、第何編第何章かは必ず確認します

条文引くのが面倒でも、第何編第何章かは確認してください。

 

<ステップ3 基本的な条文番号を覚える>

キーになる条文の番号を覚えることは重要です。知らない条文を探す際のステップは、①一番近そうな条文の近辺を探す→②目次で関連しそうな章をサルベージする、という2ステップになります。感覚的には①で概ね6割くらいは条文が見つかります。

会社法であれば大体20個くらいキーになる条文があるので、その番号を覚えてください。

どれがキーになる条文か分からない場合は、急ぐ必要はないのでもう少し短答と論文の問題でステップ2を続けてください。


<ステップ4 多重カッコの条文は複数回読む>

一つの条文の中に何重にも括弧が入っている場合、初見で前から読んでも絶対に読めません(読める人はぜひ内閣法制局に就職してください)。

この場合、慣れるまではラインマーカーを4色用意して、対応する括弧を同じ色でハイライトしてください。その上で、まずは括弧を全部無視して1度条文を読み、次に1重括弧の中まで条文を読み、次に2重括弧の中まで条文を読み、・・・、というのを繰り返していくと、普通の人間でも条文が読むことができるようになります

 

ステップ5 分からない用語が出たらブラウザで検索する

法律で「等」が出たら必ず定義があります。会社法でいうと「役員等」という用語がありますが、これは責任追及の文脈では「取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人」を指します。そして、会社法では「役員等」という言葉が場所によって異なる意味で使われたりします。

厳密な意味が分からない用語が出たら、政府の条文サイト(e-GOV)で該当条文から戻る形でその用語を検索し、定義を探します。なお、一番前から探す方法は、その後に定義変更がされていたりするのでお勧めできません。

試験ではブラウザ検索が使えないのが辛いところですが、繰り返していると大体この辺に定義あるかなと言うのが分かるようになります。

 

なお、全く余談ですが、プログラミングをやったことがある人は、法律用語は変数だと思うと分かりやすいです(グローバル変数かローカル変数かの違いがあったり、変数の代入が随時できたりする点など)。

 

 

 

こんにちは、ぎんざけです。

 

民事訴訟法はつまらないという話をよく聞きますが、私の中では一番好きな科目です(予備の論文もちゃんとAでした)。

この投稿では民訴をこうやって勉強すると面白いし点も取れますよということを少しでも伝えられればと考えています。

 

<民訴で一番大切なことは条文に書かれていない>

民事訴訟法は「①当事者の申立てた権利関係に関して、②当事者の提出した証拠に基づいて③当事者の主張した事実の有無を認定して、④裁判所が公権的に確定し、紛争を解決するための制度」です。

 

①が訴訟物②が弁論主義(第3テーゼ)③が弁論主義(第1テーゼ)④が既判力と呼ばれており、これが民事訴訟法の制度の最重要概念になります。なお、「弁論主義の第2テーゼはどこにいった?」と思う方がいるかも知れませんが、個人的に第1テーゼに包含できると思っているので省略しています。

 

一方、民訴が分かりづらいのは、これらの4つが最重要概念であるにも関わらず、条文上はこれらの定義が明確に述べられていないという点にあります。よーく見ると、①は133条や246条が近く、②180条が近く、④は114条が近いのですが、それでもやはり明確な定義はありません。

 

条文に書かれていないのは立法不備だと個人的には感じていますが、裁判所や民事訴訟法学者がこれらの概念に沿った理論を極めて精緻に作っているので、この4概念は条文に書かれていないけれども法律だと思ってください。

この4概念を理解するだけで民訴の50%は分かったことになると思います

(逆に4概念を理解しないで勉強しても残念ながら民訴は1ミリも分かるようになりません)

 

<4概念の勉強の仕方>

この4概念だけは、基本書の該当ページを一度読むことを強くお勧めします。

伊藤眞「民事訴訟法」をもとに、自分で各概念を3行ずつでまとめた上でそれを暗記するようにしてください。九九と同じなので何となくではなく完全に覚えてください

 

<その後の勉強の仕方>

その後は択一や論文の問題を、4概念のどこが問題になっているかを都度確認しつつ条文と判例を引きながら解いていけば、民訴が分かるようになります。なお、4概念以外の論点(弁論準備手続・時機に後れた攻撃防御方法・責問権の喪失)もありますが、こういったものは条文が比較的ちゃんと整備されているので条文を引けるようになれば概ね大丈夫です。

 

<具体例>

民訴であまり人気がない論点は共同訴訟ではないかと思うので、これを4概念で整理してこの投稿を終えようと思います。

・必要的共同訴訟と通常共同訴訟

合一確定が必要とかいろいろ言われていますが、まずは訴訟物が1個であることが必要的共同訴訟の必要条件です。その上で、訴訟物を単独処分できない場合 or 既判力が拡張される場合が十分条件になります。

・固有必要的共同訴訟と類似必要的共同訴訟

訴訟物を単独処分できない場合が固有で、既判力が拡張される場合が類似です。前者は実体法の解釈で決まり、後者は法令の定め(会社法や地方自治法)か民訴法の解釈(債権者代位権など)で決まります。

・主張共通と証拠共通

必要的共同訴訟であれば主張も証拠も共通になります(第1テーゼの関係でも、第3テーゼの関係でも、当事者が一体とみなされます)。

通常共同訴訟の場合は、主張共通も証拠共通も当然には認められませんが、証拠共通だけは自由心証主義を理由に特別に認められます(同じように自由心証主義が妥当する刑事訴訟では証拠独立が認められるので、ここはあまり論理的では有りません)。

 

 

こんにちは、ぎんざけです。

 

世の中には、暗記は良くなくて理解が重要という風潮があり、多くの受験生の大切な人生を奪っています

この記事では、理解というのは幻想であり暗記を正しくすることの重要性を書いていきます。

 

<理解している状態>

理解という言葉は非常に曖昧ですが、ここでは一定の概念・事実から別の概念・結論を導くことだと考えます。

 

具体例を2つ挙げます。よく分からない人は流し読みで大丈夫です。

①エタノール(C2H5OH)には②OH基がついている。③OよりもHの方が電気陰性度が圧倒的に高いので④電気的に偏り(極性)が生じる。極性がある物質同士は⑤水素結合を生じる。⑥水(H2O)も極性があるので、エタノールと水は混ざる

①抵当権は登記が必要である。②動産先取特権は登記が必要ない③抵当権も動産先取特権も物上代位が認められている。第三者から見ると④公示されていない物権は取引の安全を害する⑤債権譲渡の譲受人で対抗要件を備えた者は保護の取引の安全への期待がある。物上代位の目的債権の譲受人に対し、抵当権者は優先するが動産先取特権者は劣後する

 

上記の具体例の詳細はそこまで重要ではないですが、化学の例では青文字の6つの前提から緑文字の結論を、民法の例では青文字の5つの前提から緑文字の結論を導き出しています。

繰り返しですが、前提の概念・事実から別の概念・結論を導ける状態が理解です。

 

 

<幻想の理解と本当の理解>

前提の概念・事実を知らなかったとしても、前から順に読んでいくと何となく理解できる気がします。授業を聞いて理解した気になっているというのはまさにこういう状態です。ただ、自分で白紙に再現を試みると、残念ながらほとんど何も書けない状態のことが多いです。残念ながらこの場合の理解したつもりは幻想です

 

対して、前提の概念・事実を全て正確に覚えている状態で説明を聞くと、1枚の絵を見ているような感覚になります。そして、その場合には白紙に再現がある程度できるようになります。こういった状態が本当の理解に該当します

 

 

<前提の概念・事実をいつ覚えるか>

上記の説明に対し、それであれば前提の概念・事実も理解と一緒に覚えれば良いのでは?という疑問が湧くかもしれません。

理論的には確かにそうなのですが、人間の脳のCPUとメモリはそこまで高性能ではありません。5から6個の前提を一時的に記憶するだけでも恐らく一般人にとってキャパオーバーですし、仮に一時的に覚えられたとしても1時間後には何も残っていません
 
世の中には、前提概念の記憶と本当の理解を同時にできる人もいますが、そういった人は誰から見ても分かるレベルの天才です。
自分が天才だという確信がなければ、「前提の暗記」と「理解」は明確に別物と捉えて、「前提の暗記」は予め行う必要があります
(なお、前提の暗記は考えれば分かるというレベルでは足りず、考えなくても分かるレベルで覚える必要があります)
 
ゲームで例えると、新しい概念の理解というボスキャラと戦う際に、その場のバイキルト(攻撃力アップの呪文)だけで乗り切ろうとするとMPやターン数を大量に消費して負けるので、予めレベルアップして攻撃力を上げておこうみたいな考え方です。
あるいは、囲碁の定石を毎回考えていたら時間切れになるというイメージでもいいと思います(定石を覚えた人にしかできない戦いがあります)。
 
前提をどうやって覚えるかという点は以下の記事にまとめています。
 
<なぜ暗記より理解という人が多いか>
暗記より理解が大切という人が世の中には多く存在しますが、以下のようにいろいろな動機があると思います。個人の意見としてですが、読者のみなさんがそういったものに騙されないよう祈っています。

1つ目のパターン(これが圧倒的多数です)は、まじめに勉強したことがない人が言うパターンです。「暗記より理解」と言っておいた方が何となくかっこいいからというのが理由だと思います。その人の経歴を見て、本当に信頼に足りる人かを再確認しましょう。
 
2つ目のパターンは、本当は暗記の方が重要と思っているが、それだと受講者に人気が出ないので嘘をついているパターンです。当たり前ですが、教員は生徒からの人気が最重要です。私も将来教員にならないといけない状況に置かれたら、勉強の本質は理解(だから「私の講義を聞けば受かる」)という芸風を目指すと思います。
 
3つ目のパターンは、天才が言っている場合です。あなたが天才でない場合は無視しましょう。
(特定分野に限った天才もいます。「その科目が得意な人の勉強の仕方は参考にならない」というのは大体このパターンです)

 

こんにちは、ぎんざけです。

 

独学の典型的な失敗パターンとして、

無謀なスケジュールを立てる途中で計画が続けられなくなる挫折する(勉強をやめる)

というものがあります。

 

上記のような失敗の原因は「計画が無謀だったこと」ですが、計画を作る時はやる気に満ち溢れているためどのくらい無謀かに気づかないことが多いです。

この記事では、無茶じゃない計画をどうすれば作れるかについて書きます。

 

まず、ダメな計画の典型を以下に例示します。

①1日2時間勉強する

②1日20問問題を解く

③1日40ページ教科書を読む

③' 1日30単語覚える

 

①は面白くない問題にぶちあたった日に挫折します(1問30秒で解ける退屈な問題があったとして240問解く前に心が折れます)。

②は時間がかる問題にぶちあたった日に挫折します(1問40分かかる問題にあたったら計画達成は不可能です)。

③は難しい分野に突入した日に挫折します(化学で酸化還元が出てきた日に挫折します)

③'は知らない単語が多い日に挫折します(30単語全部知らない日に挫折します)

 

上記の例で何となく伝わっているかもしれませんが、計画はキャパオーバーを超えた日に挫折します。

個人的にはマンガの根性論は好きですが、実社会では根性ではどうにもならないことが多くあります

 

 

根性論でない計画を作るには、自分を工場だと考えてください。1日に稼働していいのは何時間かや使っていい電力は何kWhかなどが決まっています。時間をオーバーしても電力使用量が多すぎても、事故につながります(その日事故にならなくてもそのうち事故になります。勉強では事故=挫折だと思ってください)。

 

独学で勉強する際に制約条件になるのは、時間作業量(教材消費量)理解量の3つです。このうち一つでも上限に達したらその日の勉強は終わりというのが現実的な計画になります。

ただ、時間作業量は客観的に分かりやすいのに対し、理解量は客観的には分かりづらいです。これについては、勉強の過程で分からなかったものをエクセルやノートに書いていき、エクセルで○項目・ノートで○行という上限をかけるという方法で定量的に管理できます。

 

また、上限をどのくらいに設定するかですが、時間・作業量については自分ができると思った量の半分が目安となり、理解量については「疲れたらやめる」という形での勉強を2週間くらい続けてデータを取ってください。また、一度設定した上限は1ヶ月単位くらいで見直し(上げる方向でも下げる方向でも)をするのがよいです。

 

なお、この方法だと合格に必要な期間が分からないという批判があると思います。この点については、今日から試験までの日数は決まっているので、その期間自分をリソース上限まで稼働して受かるなら受かるし落ちるなら落ちると割り切るのが良いと思います。

 

合格確率が高まるのは、挫折するかもしれない完璧な計画に従って勉強することではなく、挫折しないほどほど正しい計画に従って淡々と勉強することだというのが私の持論です。

 

 

(この記事は令和3年の司法試験予備試験の論述が終わった時間にアップロードされる設定にしています。)

こんにちは、ぎんざけです。

 

予備試験論文試験を受験された皆さん、大変お疲れさまでした。

口述試験は10月下旬の予定で、準備は9月に入ってからでも間に合うので、これから1ヶ月半くらいは司法試験選択科目の勉強を頑張っていただきたいという気持ちでこの記事を書いています。

 

この記事では労働法のウルトラダイジェストをご紹介します。

なお、私は個人的に労働法が嫌いなので、バイアスが掛かる可能性がある点ご理解ください。

 

<労働法とは>

労働法は2つの哲学の下に成り立っています。1つは「労働者は弱いから守らないといけない」という哲学で、もう1つは「労働者はたくさんいるので、個々人の意思は無視してしまおう」という哲学です。

前者は、労働基準法が労働条件の最低基準を定めたり、労働契約法等で会社(使用者)の権利を制限したりしています。

後者は、会社や労働組合が、個々の労働者の意思を無視して(同意なしで)その労働者についての労働契約内容を変更することを認めています。

 

<使用者の権利制限>

使用者の権利制限は、伝統的には「民法1条3項の権利の濫用」で処理されてきました。近年は労働契約法が制定されていますが、条文はどれも抽象的で(そのまま具体的な紛争の解決はできません)、過去の判例の事案と結論で判断するしかない状況です。

 

<労働者の意思無視>

労働法は「画一的で大量にいる労働者」というのを標準的な労働者像と考えています。このため、就業規則(会社が作成)や労働協約(会社と労働組合で合意)によって、個々の労働者の意思を無視してその労働者の労働契約内容を変えることが認められています。なお、就業規則は合理的でないといけないですが、何が合理的かは法令に書かれていません過去の判例の事案と結論で判断するしかない状況です。
 

<科目の概要と勉強法>
労働法は究極的には一般条項を事案に当てはめる科目です。言い換えると、学問としての体系的な論理がないため判例の個別事案を覚えるしかないです。
一方、この特徴は試験で「考えて解くような問題」がほぼ出ないということも意味します。一般条項の解釈は判例と酷似する事案以外は出題・採点が不可能であり、判例暗記すればかなりの点数をとることが可能になると思います(よく暗記科目と言われるのもこれが理由と思います)。
 
個人的には全くお勧めしませんが、試験戦略としては(覚えることで比較的容易に得点源にできるという意味では)選択肢になりうると思います。

 

(この記事は令和3年の司法試験予備試験の論述が終わった時間にアップロードされる設定にしています。)

こんにちは、ぎんざけです。

 

予備試験論文試験を受験された皆さん、大変お疲れさまでした。

口述試験は10月下旬の予定で、準備は9月に入ってからでも間に合うので、これから1ヶ月半くらいは司法試験選択科目の勉強を頑張っていただきたいという気持ちでこの記事を書いています。

 

この記事では倒産法のウルトラダイジェストをご紹介します。

 

<倒産法とは>

倒産法は、債務者が債権者にちゃんとお金を払えないときに、債権者間の平等を保つために裁判所が大なたを振るうという制度です。

(1)債務者を完全に潰す破産法、と、(2)債務者を復活させる民事再生法の2つが試験に出ます。

 

<(1)破産法>

 

破産法の基本的な流れは、①借金が払えない債務者の財産を強制的に国(管財人)の管理化に置き、②誰が一般債権者でいくら債権を持っているかを確定させ、③一般債権者への返済原資となる財産の範囲を確定させ、④財産を売り払って債権者にばらまくという4ステップになります。

それぞれのステップで、①国の管理化において良いのか(破産申立原因)、②債権者じゃない奴が名乗り出てきたらどうやって排除するか(債権届出異議)、③どこまでが債務者の持ち物で(取戻権・否認権・双方未履行契約の解除)・どこまでが一般債権者の返済原資になるか(別除権・相殺権)みたいなところが論点になります。

 

<(2)民事再生法>

債務者がやり直せそうな時は、債務者財産のたたき売りをするよりも、債務者を復活させる方がいい(債権者がより多く回収できる)ケースがあります。このような場合は、民事再生法の出番となり、債権者の多数決で再建計画を決めて、債務減免や支払猶予等を認めることができます。ただし、少数債権者の権利を守るために、破産の方がマシじゃないか・債権者間で平等かという観点から、再生計画を裁判所がチェック(認可)します。
 
<科目特性>
会社法同様に条文や手続きとお友達になれるかが勝負の科目です。なので、ある程度時間はかかりますが、一定水準まで勉強すれば点数が安定すると思います。なお、民事執行法を知らないと辛いですが(保全の方はそこまでいらないです)、予備試験の法律実務基礎をやっていればそこは問題ないと思います。
 

 

この記事では科目の特徴を書きましたが、試験の特徴などは以下の記事もご覧ください。