こんにちは、ぎんざけです。
世の中には、暗記は良くなくて理解が重要という風潮があり、多くの受験生の大切な人生を奪っています。
この記事では、理解というのは幻想であり暗記を正しくすることの重要性を書いていきます。
<理解している状態>
理解という言葉は非常に曖昧ですが、ここでは一定の概念・事実から別の概念・結論を導くことだと考えます。
具体例を2つ挙げます。よく分からない人は流し読みで大丈夫です。
・①エタノール(C2H5OH)には②OH基がついている。③OよりもHの方が電気陰性度が圧倒的に高いので④電気的に偏り(極性)が生じる。極性がある物質同士は⑤水素結合を生じる。⑥水(H2O)も極性があるので、エタノールと水は混ざる。
・①抵当権は登記が必要である。②動産先取特権は登記が必要ない。③抵当権も動産先取特権も物上代位が認められている。第三者から見ると④公示されていない物権は取引の安全を害する。⑤債権譲渡の譲受人で対抗要件を備えた者は保護の取引の安全への期待がある。物上代位の目的債権の譲受人に対し、抵当権者は優先するが動産先取特権者は劣後する。
上記の具体例の詳細はそこまで重要ではないですが、化学の例では青文字の6つの前提から緑文字の結論を、民法の例では青文字の5つの前提から緑文字の結論を導き出しています。
繰り返しですが、前提の概念・事実から別の概念・結論を導ける状態が理解です。
<幻想の理解と本当の理解>
前提の概念・事実を知らなかったとしても、前から順に読んでいくと何となく理解できる気がします。授業を聞いて理解した気になっているというのはまさにこういう状態です。ただ、自分で白紙に再現を試みると、残念ながらほとんど何も書けない状態のことが多いです。残念ながらこの場合の理解したつもりは幻想です。
対して、前提の概念・事実を全て正確に覚えている状態で説明を聞くと、1枚の絵を見ているような感覚になります。そして、その場合には白紙に再現がある程度できるようになります。こういった状態が本当の理解に該当します。
<前提の概念・事実をいつ覚えるか>
上記の説明に対し、それであれば前提の概念・事実も理解と一緒に覚えれば良いのでは?という疑問が湧くかもしれません。
1つ目のパターン(これが圧倒的多数です)は、まじめに勉強したことがない人が言うパターンです。「暗記より理解」と言っておいた方が何となくかっこいいからというのが理由だと思います。その人の経歴を見て、本当に信頼に足りる人かを再確認しましょう。