始まりは、2022年末、サブスクで見かけたひとつのサムネ。
MBSの深夜帯ドラマ「美しい彼」のもので、主演の萩原利久君、八木勇征君の甲乙つけがたいイケメンふたりに目を奪われた。
ドラマは1回30分×6回で、その日のうちに最終回まで観てしまった。
人生初、推し活の始まりだった。
利久君演じる平良も、勇征君演じる清居も、そばにいたら絶対にかかわりを持ちたくないタイプだ。
けれど、この2人の織り成す恋愛模様は、私の心をかつてないほど、揺さぶった。
生まれて初めて、ドラマのビジュアルブックを買い、利久君の2023年版カレンダーを買い、勇征君のファースト写真集を買い、彼らと「美しい彼」の情報欲しさに、X、Instagram、tiktok、pixivの各種SNSを始めた。
原作のラノベ「美しい彼」4冊を購入し、徹夜で読み通した。
原作もドラマとは違う面白さがあり、作家凪良ゆうさんにも見事にはまった。
2023年は、ドラマシーズン2、劇場版を最大の生きる楽しみに幕を開け、「劇場版 美しい彼 エターナル」は、4月公開から半年間、映画館をはしごしながら合計15回、鑑賞した。
初めてで唯一、映画のパンフレットも買い、アニメイトで開催されたコラボカフェにも出向いた(料理は学祭での模擬店レベルだったけど、重要なのはそこではない)。
もちろん、「美しい彼」のブルーレイはコンプ。
今も、現在進行形で、「美しい彼」という作品と、萩原利久君、八木勇征君を追いかけている。
けれど、ひとつだけ、困っていることがある。
映画鑑賞時の無料配布物や、ブルーレイや写真集等購入時の特典グッズたちの中に、私が使わないものがある。
けれど、不要だからと捨てることもできない。
何とかできないものかと、ずっと心に引っかかっていた。
初めてのことをする時は、毎回すごく、ハードルが高い。
進学した時、初めてのまちや国を旅する時、就職した時、初めて車の運転をする時、出産した時、親を見送る時。
乗り越えて、振り返れば、どうってことはないと知っている。
最初の、面倒くささを乗り越えれば、何事もルーティンになるのだ。
というわけで、メルカリに、あまたあるグッズを出品し、引き取ってくれる人を探すことにした。
最初は、入場特典で配布された「美しい彼」のポストカード3枚セットで腕試し。
メルカリのアプリを入れて、カメラで撮って、出品手続きをする。
出品後5分で売れて、マジでビビる。
発送の仕方を調べ、おっかなびっくりコンビニで手続きし(色々教えてくれた店員さん、ありがとう!)、無事完了。
時間にすれば30分ほどだけど、なんだかすごく疲れた。
売り上げはどうなるのか、調べていると、「メルカリ入会ポイントの期限が今日中です」と表示されていて、焦る。
ポイントはどう使うのか調べて、コンビニで試しに食パンを持ってレジに行く。
チャージもしていないバーコード決済が使えるのかすごくドキドキして、片手には財布を持つ。
無事、メルペイで買い物でき、ホント、何とかなるものなんだなあと実感。
一番嬉しいのは、私のところでは日の目を見ないモノが、ちゃんと大切にしてくれる人のもとに旅立ってくれたこと。
捨てることも、持ち続けることもできない、二律背反の苦しみからようやく解放された。
これからも、どんどん、出品して、双方よしを目指していく。
「美しい彼」は、私にとって、最高のラブストーリーであり、永遠の愛があるかもしれないと思わせてくれる作品である。
それが架空の人物だとしても、誰かの幸せを心から願えることはとても幸せ。
ただ、恋愛も推しも、つまるところ縁次第。
結局、出あったもん勝ちである。