妻の役割(21) | 夫の知らない妻

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官能小説「他人に抱かれる妻」別館です。

「中川君、昨日はお疲れさん」

 

ゴルフコンペの翌日、私を自室に呼んだ橋口は、そんな台詞で会話を切り出した。

 

「この国で初めてのゴルフでしたから、私たちも存分に楽しめましたよ」

 

「そうかい。そりゃよかった」

 

意味深な笑みを浮かべながら、橋口が答える。

 

妻のことを考えているんだろう。

 

私はそんな想像をしながら、上司の言葉を待った。

 

「奥さんは何か言ってたかい?」

 

「皆さんと一緒にラウンドできて、とても楽しかったと」

 

「久しぶりに女性と一緒のゴルフで、私たちもちょっとはしゃぎすぎたかな」

 

私がどこまで知っているか、それを探るような視線を投げかけてくる橋口。

 

50代後半だというのに、その性欲は尽きることを知らないらしい。

 

「妻も嬉しかったんじゃないでしょうか。久しぶりに皆さんに会えて」

 

適当な言葉を並べながら、私は昨日密かに目撃した光景をなまなましく思い浮かべた。

 

ゴルフ場にいくつも存在する林の中で、3人は何度も妻の肢体で弄んだ。

 

「いけません・・・・、いやんっ・・・・・」

 

ウェアを脱がし、キスを交わし、その手で妻の敏感な箇所をたっぷりいじめた3人。

 

次々に伸びてくる男たちの手に屈服するように、甘い声を林の中で漏らし続けた妻。

 

「あっ・・・・、あっ・・・・、あっ・・・・」

 

「気持ちいいでしょう、奥さん」

 

「駄目っ、そこは・・・・、主人に叱られます・・・・」

 

彼らの要求を拒むことなく、その危ない遊戯を一緒に楽しむような妻の姿が、私の困惑を更に深めた。

 

妻は、彼らの欲深い肉体を慰めるように自分から手を伸ばした。

 

「奥さん、上手じゃないですか」

 

「俺もお願いしますよ、奥さん」

 

そんな戯れは、ゴルフ後の食事会でも続いた。

 

さすがに私を遠慮してか、大胆な行為は繰り広げなかったが、しかし、彼らは再び妻を交えてビールを浴びるように飲んだ。

 

「宮野さん、駄目っ、もう飲めませんから、私」

 

「いいじゃないですか、奥さん。あんなに汗をかいて暑かったでしょう、今日は」

 

歓迎会以来となるアルコールを楽しんだ妻は、家に帰った後、再び私を求めてきた。

 

「中川君、どうしたんだい?」

 

「い、いえ、なんでもありません」

 

昨夜、ベッドの中で激しく乱れた妻の姿を脳裏から掻き消し、私は上司との会話に戻った。

 

「ところで中川君、今日は一つお願いがあってな」

 

「なんでしょうか」

 

「出張に行って欲しいんだよ」

 

ついに来たか、と私は思った。

 

隣国に1週間かけて行ってくれという上司の指示は、別の意味をはらんでいるに違いない。

 

その間、一人きりになる妻の全てを3人は奪うつもりなのだ。

 

「くれぐれも気をつけてください、奥様のこと」

 

林君の奥様の言葉が、私の胸に蘇ってくる。