ズミクロン50 VS エルマー50 | norimのブログ

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前回のブログでエルマー50を評価するのにズマロンと撮り比べをした。
そしてブログを書きながら、ズミクロンやビオゴンはもっと解像度が高かった事を思い出した。

「写り方が、どれくらい違うのか?」
真夏の間、湿度が高く持ち出したくなかったズミクロンを久しぶりに手に取って昨日と同じ神代植物公園に向かった。

テーマはデジカメでのエルマーとの比較だった。前日のエルマーでの撮影時は曇りだったが、この日は雨上がりで太陽も出ている。木々は濡れて緑の色も華やかだ。

エルマー ズミクロン
左が曇り空のエルマーで右が雨上がりのズミクロン。何という事だ、色乗りと解像感とコントラスト全く違う写真になってしまった。構図としては、だいたい同じ、池と森をバックに池の前のサルスベリとススキにピントを合わせてある。
エルマーの写りは、背景の木々がうっすら白っぽくなっているのに対しズミクロンは、これでもかというくらい緑が強く出ている。

エルマー ズミクロン
次の写真を見てみる。こちらの方は、色合い的にはエルマーの方が自然である。雰囲気もある。
ズミクロンはピントが合ってる部分に解像感がありすぎて、どうしてもそっちに目が行きすぎてしまう。
エルマーの方は、後ろの方が白っぽくボケており、より遠近感が高くなる。いかにもエルマーらしい写真になっていると思う。

エルマー ズミクロン
この時期の神代植物公園と言えば、パンパスグラス。解像感が全く違う。この手の写真はズミクロンに分がある。このように対象物が多少遠距離にあると、エルマーだと解像が悪くなりまた色のりも悪くなるので、あまり向かないかもしれない。

エルマー ズミクロン
森の中のひっそりとただずむ池。
エルマーで撮った時は、本当に暗かったので、それくらい暗い感じを出そうと思ってわざと暗めの写真にしている。私が実際に見た景色もこんな感じだった。ズミクロンの時は、日が差し込んでいたので、池に反射する木々にピントが合うようにとってみた。
レンズの撮り比べというか、池の変化を撮ったにすぎなくなってしまった。

エルマー ズミクロン
足元の細かい物を撮り比べてみたつもり、実は同じ写真を撮ろうとおもったのだが、前日の大雨で池の水位があがって花がすべて流されてしまっていた。
両方とも解像している。ただズミクロンの方は、それ以上に恐ろしく解像して見える。

下の写真は、上の写真を等倍、つまりデジカメの分解能レベルに拡大したものだ。
エルマー ズミクロン
ズミクロンの方は、等倍してもなおピントが立っている、1600万画素以上の解像度があるのだろう。
アサヒカメラの評価が正しければズミクロンは実に2億7千万画素以上の解像度がある
恐ろしいレンズだ。エルマーは等倍でみるとピントが合ってない感じになる。対象物が明るすぎて少しフレアーを起こしているせいかもしれない。

さてこれだけ見ると、ズミクロン圧勝というような写りに思えるが、実は前日のエルマーは条件が悪すぎるので可哀想だ。実はこの日エルマーをライカIIIcにつけてフィルムでの写真も撮っていた。
2日遅れで現像された写真も見てみた。

1 2 3
なんとも優しい写真だ、緑もくっきり出ている。
光さえあれば、ちゃんと色も出てくれるのだ。

4段目の池の写真もズミクロンと同条件での写真があった。並べてみよう。
エルマーフィルム ズミクロン
デジカメとフィルムの写りの違いこそあれ、良い感じに撮れている。
エルマーは曇りの日と晴れの日の写りの違いが大きい。
あるいは、レンズのコンディションが影響しているのかもしれない。

エルマーは、1930年から1954年までのライカの標準レンズ。1954年以降、それ以降の標準レンズが、ズミクロンだ。言い換えればバルナックライカ の標準レンズがエルマーで、M型ライカ の標準レンズがズミクロンという事になる。
科学の進歩が著しいこの時代の24年も差がある2つのレンズを較べる事は、エルマーにとってはちょっと酷な事だったかもしれない。エルマーが生まれた時代にはカラーフィルムすらなかったのだ。
コントラスト、解像度、色のりという意味では圧倒的にズミクロンの方が上である事はわかった。
しかし、ボケの美しさと遠近感、柔らかい写りという意味ではエルマーの方が良いかもしれない。

カラフルで解像感の高い写真が欲しければズミクロンを使うべきだろうし、
ボケの美しさと、柔らかさを出すのであればエルマーだろう。
またエルマーは、曇りの日に、近距離(5M以内)に対象物があり背景をぼかせれば非常に遠近感のある写真が撮れる事もわかった。ただし、曇りの日の遠景はエルマー向きでないかもしれない。

もちろんエルマー使いならどんな条件でもうまく撮ってしまうのだろうとも思う。
WEB上のマニアのブログなどを読んでみると、エルマーは白黒撮影でこそ本領を発揮するとある。
言われてみれば、その通りかもしれない。いつか白黒対決もしてみたいものだ。