バルナックを探せ | norimのブログ

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私にとって世界で最も格好良いカメラ。それはバルナックライカだ。
機能や、使いやすさなんて二の次、とにかく格好良い。
とにかく昔からこれに憧れてた。

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ただ、実用品としてどうなのか?本当に自分に使えるのか?壊れたらどうするんだ?という疑問と、その決して安くない対価との兼ね合いから、かなり長い事、購入に踏み切れないでいた。
ただ、ここ数ヶ月M型ライカに慣れてきた事、信頼できそうな修理業者を見つけた事、中古品購入に自信がついてきたこともあり、またぞろこいつが欲しくなってきた。

バルナックライカとは、ライツ社のオスカー・バルナック(35mmフィルムカメラを発明した人)が設計したカメラの事を言う。このバルナックカメラは、今のミラーレスカメラと同等程度に小型であったため、その発明により一般人がカメラを気楽に外に持ち歩けるようになった。
1925年に初めて発売されたバルナックライカの基本構造は、全ての小型カメラの手本となり、1960年まで日本のカメラメーカのほとんどがこのバルナックライカのコピーカメラを製造していたほどである。そして、バルナックライカは、1960年まで製造された。

バルナックと言ってもいろいろな機種があるのだが、現実的に実用機として使うとなると
ライカIIIa ライカIIIc ライカIIIf ライカIIf あたりが現実的な選択肢となり
その中でもライカIIIfが、生産台数も多く比較的新しいので最も無難と言われる。
冒頭の写真のカメラはライカIIIcで、IIIaからIIIfまで21年間ほとんど同じデザインであった。

バルナックライカ購入にあたって、私の条件はこうだ
1.シャッター速度1/1000搭載のモデル  ライカIIIa(1935~) ライカIIIc(1940~) ライカIIIf(1950~56)
                           ライカIIf(後期のみ)
2.ファインダーの状態が良いもの(二重像がクリアである事)
3.シャッター幕の状態が良いもの(当面交換の必要がない事)
4.シャッター速度が安定していて当面修理が必要ないもの
5.外観が充分に格好良い事
 (このカメラは格好良さで買うので、メッキの状態など見た目綺麗であることが条件だ)
 (ただし、多少のキズやスレはあってもかまわない、そこまで求めたら桁が上がる)
6.総じて修理やオーバーホールが当面必要なさそうな物である事
7.購入価格は、ボディのみで、4万円以下

逆に、フラッシュのシンクロ接点や、セルフタイマー、スローシャッター機能はなくても良い
それが必要な時は、他のカメラを使えばよい。
(*ライカIIIf後期、ライカIIIgがこれらすべての機能を持つ)

このカメラ購入の一番の問題は、あまりに古い事だ。
当然悪い個体も多い中、目利きを自分でして良いものを選ばなくてはいけない。
ここが一番重要な事だろう。

まず事前調査で、都内の中古屋で2-4万円程度のライカIIIfなどを数台触ってみたが、どれも満足出来るレベルのものではなかった。
ファインダーの見え方、シャッターのスムースさがいまいちだし、外観もあまり良くない。
美品で整備済の物を中古屋で買ったら5万以上はするだろう。
次に、ヤフオクで探してみることにした。
ヤフオクは、最近怪しい業者が多く、値段と商品説明だけで落札したら、とんでも無い事になる。充分に注意深くあらねばならない。
またヤフオクの相場はIIIcなら19000円くらいから、IIIfなら23000円くらいからだった。
都内中古屋の相場でIIIcが20000円からIIIfが25000円からある。最低価格帯はそれほど変わらない。
そして、都内中古屋の品質よりこれらが良いとは到底思えない。
こんなレベルの物を落札したら、当然修理が必要となる。修理には20000円以上かかる。
信頼できそうな個人コレクションの出品、IIIcなら3万以上、IIIfなら4万程度が狙い目となるだろう。

話しはそれるが、ヤフオク落札での注意事項

①誇張した商品説明の出品者は避ける事。
極美品、新品級、新同級、美品、を連発しつつ、主観でありノークレームノーリターンと言う出品者。
(こんな説明は、日本語として意味不明です。)
②返品時の条件に、無条件に落札金額のXX%などと記載している出品者は避ける事。
*返品不可と言いながら、商品説明違いで返品される事を前提に逃げ道を作っているに他ならない。
*または返品可とうたいながら、返品時充分な手数料を取る事を想定している。
*初期不良ですら、手数料を取ろうとする出品者。
③過去の評価をよく読む事。評価が良ければ良い業者ではない。内容が重要だ。
どちらでもない評価も必ずチェックする。
*これは、①②⑦と絡んでて返品に応じれば、悪い評価をつけないから、でも出品者は利益を確保できる。
④出品取消を連日繰り返すような業者は避ける事。
*最近、0円スタートにもかかわらず、満足いかない落札金額だと出品取り消す業者が多い。

*本当に良い物なら落札者にも目利きはたくさんいますから、ちゃんと相場は立つものです。
 つまりは、出品者が満足できるような価格の商品では無い事の証明に他ならない。
⑤妙にコントラストが高い商品写真を載せている出品者
*写りを実際より綺麗に見せようとしている。つまりは嘘つき。
*私はコントラストを弄った写真を使う出品者は絶対信用しない。
⑥妙に送料が高い出品者
1000円以上。これは、利益UP、手数料逃れ、返品時にも送料を返す気はないので返品手数料と同じ。この3つの意味を持つ。
⑦専門店で点検済と言いつつ、絶対に点検票などない出品者
*中古店で仕入れただけの事。
*都内の安い中古店は、ちゃんと点検しません。その変わり数日以内の初期不良は返品可とします。
*懇意の業者に見てもらった、と言うのも全く同じです。(点検票があれば別ですが)

最近、ヤフオクを見る度、甚だ頭に来ているので、かなり脱線した。
そして、ヤフオクを見続けること2週間、自分が気に入るレベルの物(質と値段)はなかなかなかったが、ついに落札できた。

「ライカIIIc シリアル430xxx」 1947年製。整備済み、個人コレクションではないが、過去の出品内容や評価を見た限りかなり信用できそうだった。落札価格は34500円。実はヤフオクのIIIcの相場からすれば結構高い部類である。入札時の品質は、あくまで推測であり、実物が届いてみないことにはわからない。
そして、ついに物は届いた。実は冒頭の写真の物である。
まず外観を見る。ほぼ完璧、軍艦部(上部)シリアルNoの上に少しだけ傷があるだけだ。

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クロームメッキの状態はかなり良い。グッタベルカ(貼革)も完璧。

ファインダーも完璧。二重像もかなり綺麗。

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シャッターは、過去中古屋で見たどの固体よりもスムーズだ。67年前の固体である。代々と67年間非常に大切に使われてきたに違いない。67年と言う歳月はワンオーナーという事はありえないからだ。
ピントが合ってるかどうか?フィルム送りのピッチはどうか?光線漏れがあるかどうか?
これは、流石に撮影したフィルムを現像してみないとわからない。
それは明日の楽しみだ。

だが、このバルナックライカは、私にとって未完成だ。
写真にキャップがついたレンズがついている事でもわかるだろう。現在このカメラに相応しいレンズがないのだ。このカメラに相応しいレンズ。それはエルマー50mmしかないと思っている。