レンズ考② ズミクロン50mm | norimのブログ

norimのブログ

ブログの説明を入力します。

私をオールドレンズに引き込んだ2つのレンズがある。
一つが「(G)ビオゴン28mm」 もう一つがこの「ズミクロン50mm」だ。
今回は、このズミクロンに関して考えてみる。

1.解像度の伝説
ズミクロン50mmを紹介するとき必ずこのような能書きがつく。

「1959年のアサヒカメラのニューフェース診断室におけるレンズの解像力の測定で測定不能値280+を出し いまだその記録は破られてない」
(下の写真が当該記事 アサヒカメラ「ライカの20世紀」より抜粋)

2.解像度とは何か?

解像度について考えてみる
1mmあたり280本の線が認識できるという事は白と黒の線が560本ある計算になり
仮にフルサイズセンサー36mmx24mmで計算すると
36x560x24x560=270950400  2億7千万画素
センサーの性能に較べてオーバースペックすぎてあまり意味をなさないかもしれない。

仮に解像度が100本だとすると 3400万画素になる まあ今のデジカメでもそれくらいの解像度があれば十分なのかもしれない。

最近では、レンズのスペックとしてMTF曲線という指標が重要視されており
ここでは主にコントラスト再現性を見ることができる。

3.私のズミクロン

 以前(リンク)にもブログで書いたが、私のズミクロンは、ヤフオクで手に入れたものである。ヤフオク紹介の写真と値段などを見て、まあまあだと思われるものを入手したのだ。
 実際に使用してみると、やはり経年変化による多少の曇りなどが出ており、逆光気味の撮影環境では白がかった写真になってしまう。


だが写りはとても気に入っていて、このレンズを再研磨、再コーティングに出すことにした。その辺の経緯も以前ブログで述べた。なにはともあれ、私のズミクロンは、日本一のレンズ磨き職人 山崎氏により、復活した。

norimのブログ
(山崎さんの写真 再研磨終了後引き取りに行った時にズミクロンで撮影)

山崎さんは、このレンズを私に返す時に言った。
「このレンズは大当たりです。私は、これ以上ピントの合うズミクロンは見たことがない」

4.ズミクロンの解像度(実写編)

さて話しを元に戻す。アサヒカメラ ニューフェース診断室で測定されたズミクロンの製造番号は、154万台1957年製 私のズミクロンは、159万台1958年製。ライカのレンズやカメラに限って言うと、同じ型番のものであれば年式が古い方が精度が良いといわれる。私のズミクロンは、解像力ホルダーのレンズと大体同じ頃に作られたものである。私が出来る事は作例を紹介するくらいであるので作例を見ながらズミクロンの写りを検証してみよう。
左の写真は、真ん中のほぼ垂直に立っている枯れ草にピントがあっている。
解像度を見るには、クリックしてから拡大ボタンを押してほしい。
最大まで拡大しても綺麗にピントがあっているのが見える。
左の写真は、わりと全体にピントを合わせているが、最大に拡大すると砂粒のようなものまで見て取ることができる。
確かに解像度は凄いレンズだ。

また下の2枚はズミクロンの特徴が良く出てる写真であると思う。


5.総評

まずレンズの「写り」という尺度において考えると解像度が全てではない。
それ以外にもコントラスト再現性(階調の再現性)、色再現性、逆光などの耐性、さらにはボケ味などが問われる。
また最近思うようになってきたことだが、写真はどんな綺麗な写真を見ていても、同じような写真ばかり見ていても飽きるので、違った雰囲気を出せると言う特徴もまた重要である。

「もの凄い解像力と コントラストが少し劣る」このズミクロン
この特徴こそがこのズミクロンの武器ではないだろうか。