せめておそろしきもの | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

弱音を飲み込み、人に頼られるのが得意な長女タイプのあなたへ
ふとしんどさを感じたとき、気軽に愚痴を言える相手のような
自分だけの守護神をさがしてみませんか?

今日のラッキー神社

 

大河ドラマを見ながら、

「さすがにここまで道長を善人として描くのはどないやねん」

と思い始めているワタクシです(笑)

 

まぁ、主人公の「ソウルメイト」だから悪く書けないんでしょうけれども(笑)

 

大河に恋愛要素はそんなにいらんと思ってもおりますが、平安時代だからなぁ……。

 

それはそれとして、大好きなシーンもあります。

なんといっても清少納言と中宮定子様のシスターフッドですよね~……。

 

こないだ大河を見てない歴友に大河の話しをしようとして、

「でも、せいしょうなごんはいいですよ」

と言ったら、

「あ!せいしょうなごんはぴったりらしいな!ちゅうぐうていしも!」

というので、

「ドラマのなかでは『ていし』じゃなく『さだこ』なんですけどね」

と言ったら、

「え!!!!!!!」

と、ものすごい拒絶反応をされました(笑)

 

私達の時代は、女性の名前は漢音読みで習ったんですよね~……。

男性の名前は和音読みなのに、なんでなんだろう?

 

「彰子」は「しょうし」、「詮子」は「せんし」、「明子」は「めいし」と読めば、道長をめぐる三人の「あきこ」がすっきり整理されるから都合よかったけど(笑)

 

それはともかく、清少納言ほど、女性と男性で評価が違う人物も珍しいでしょう。

 

たとえば徳島には清少納言の墓所があります。
どうやらこの辺りが彼女の出生地らしいんですが、伝説によれば、漁師たちに凌辱された末、海に身投げしたとか。
なんで故郷でそないな悲惨な目に……と思いますが、中世「男より才ある女は不幸になるべし」ちゅう思想が世を支配してた折、清少納言は真っ先に槍玉に上がったんやそうです( ;∀;).

男より才がある女が疎ましければ、すべての男が、すべての女よりも努力して勉強しやがれ!!!!!!!!!!

ぶぁ~か。

 

清少納言といえば、枕草子にある「香炉峰の雪は」の逸話が有名ですもんね。

ある雪の日、定子様が、

「少納言、香炉峰の雪はいかならん?」

と問いかけたので、清少納言がするすると御簾を上げたところ、

「さすが少納言」

と褒められた……と。

 

まぁ、な~んて自慢たらしい……と思う人もいるかもしれませんが、美しくて利発な中宮定子のイメージは、主に枕草子によるものだと思います。

つまり、自分のことより、定子様を持ち上げるのが、この草紙の目的なのでしょう。

 

大河を機に読んでみましたが、自慢たらしいという感じはまったくしませんでした。

むしろ、定子様のサロンの格を上げる為、清少納言がいかに気を張っていたかが伝わってくる。

 

最近の研究では、この草紙は兄の伊周と弟の高家が問題を起こしたことを理由に、定子様が出家した後に書かれたと考えられているようです。

つまり、落ち目になった定子を慰めるために書かれたものであると。

 

そう思うと、香炉峰の雪の逸話も、二人で、

「そんなこともあったわね」

と笑い合いながら読んだのだろうと……思うと、泣かずにいられます?????

 

そんな清少納言が「とても恐ろしい」と感じているものはご存知?

 

せめておそろしきもの よる鳴る神。近きとなりに盗人の入りたる。わが住む所にきたるは、物もおぼえねば、何とも知らず。近き火、またおそろし。

 

雷、盗賊、火事。

 

地震と親父はないのねと思いつつ、怖いものって普遍なのねと思うのでした。

 

これから夏の終わりにかけて、雷が増えますので、ご安全に。

 

 

 


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