踏まえる | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

弱音を飲み込み、人に頼られるのが得意な長女タイプのあなたへ
ふとしんどさを感じたとき、気軽に愚痴を言える相手のような
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今日のラッキー神社

 

大河の影響で、枕草子を読みました。

 

直後に蜻蛉日記を読んだら理解しやすいのにびっくり。

なぜなのかと考えたら、登場人物の数がまったく違うんですね。

蜻蛉日記に登場するのは、道綱の母と藤原兼家が主。

時々兼家の正妻である時子の話しが出てきますが、あとは道綱や道綱の母のお母さん、叔母さんくらい。

 

人間関係がシンプルなので、理解しやすいんです。

 

その点、枕草子は中宮定子様の周囲の貴族すべてですから……。

「え~っと、この二人はどういう関係だったっけ???」

と、そこから考えなくちゃいけない。

 

しかも宮中の間取りとかもわかってないと理解しづらいし、しきたりもわかってないと理解しづらいし……。

 

つまり、むっちゃ難解です(笑)

 

でもなにより、「当時の教養人が知っているべき知識」を持っていないと理解できないことがあんまりにも多い……。
これがね~……現代人には無理がありすぎるのよ~~~~~~……。
「香炉峰の雪ぞいかに」
は有名なのでほとんどの人がなんのことかわかると思いますが、これだって白楽天の「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」を知らない人にはなんのこっちゃらわかりませんよね?

中宮定子様が、清少納言に、「香炉峰の雪ぞいかに」と問いかけて、少納言がサッと御簾を掲げたので、「さすがですね」と褒められたという話です。
 
他にも、絶交中の藤原斉信(大河でははんにゃの人)から、
「蘭省花時錦帳下(友が華やかな場所で過ごしている間)」
と詠みかけられる話があります。
 
これは白居易の漢詩で、
廬山雨夜草庵中(私は寂しい草の庵で雨に降られている)」
と続く。
 
白居易の漢詩を知らない清少納言ではないけれど、そのまんま返すのもなんだし、今回の絶交は、人の噂を信じた斉信が清少納言を無視したことから始まったのに、「あなたは華やかな場所にいるのに私は……」なんて返したら、清少納言が未練たらたらで惨めったらしい感じがしてしまう。
草の庵を誰か尋ねむ」
と返す。
 
これは藤原公任(第一級の教養人、大河では町田くん)が白居易を踏まえて読んだ文句なんですよ。
 
つまり、「公任様はさすがですわ」と暗に言ってるわけで、見事に斉信の鼻を明かしています。

 

だがしかし、白居易の歌を知ったうえで、公任の歌を知らないと、本当になんのことだかさっぱりわからず、私は本をほっぱらかして、ネットでガチャガチャ調べ、やっと理解できました。

 

つまり。

 

教養はあった方がいい。

だから、博物館や美術館には頑張ってもらわんと……と、これまた「先日を踏まえて」な日記なのでした(笑)

 

 


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