私は割と、「他人に借りを作る」ことが苦手です。
それは多分、いろんな理由があるんだと思う。
まず、ギブ&テイクは人間関係の基礎中の基礎だと思ってること。
なので、テイクばっかりしてギブしないのは、どう考えても、「自然」とは思えない。
「自然」じゃないからやだ……という、直感的な理由が一番大きいと思います。
でも、50年以上生きてると、「テイクばっかりだと生きづらい」というのがわかってくるんです。
まず、人から与えられることが当たり前になってしまうと、借りを作ってばかりで生きていると、友達ができません。
少なくとも良い友達はできない。
むしろ、ギブしよう、ギブしようという態度でいれば、同じ人が集まってくるので、困ったときに、
「何かできることある?」
と、ビャッと集まってきてくれます。
こっちが何も言わなくても、
「なんでも言って」
と言われるので、すごく楽。
もし、テイクしよう、テイクしようという態度で生きていたら、困ったことがおきたとき、何かしてくれる力のある人たちは、サッと逃げちゃうと思うんですよ。
人生は楽な方がいいに決まってる。
でも「集まってきてくれる」以上に、「気軽に去れる」ことの方が大きいかもしれません。
他人は変えられない。
むろん、影響を与えることはできますが、それだって自分の思うようには影響を与えたりできません。
だから、「もうこの人と関わるのはいやだ」と感じるときは、さっさと離れた方がいいと思うんですよ。
精神衛生上悪いから。
でも、相手に借りがあったら、なんとなく引け目を感じてしまいますよね。
「とりあえず、借りを返すまでは付き合っておこう」
とかなって、その間、非常~に精神的にきつい。
そうなるまでに借りは返しておきたいものです。
でもそれ以上に、相手に何かを期待したり、アテにしたりしていたら……。
離れられないんじゃないかな、いろんな意味で。
その方がずっと害だと私は思います。
世の中の人間関係のいざこざは、「付き合うのが精神衛生上よくない相手」に、何かしら依存してるから起きることも多いんじゃないかと感じています。
何も依存していなければ、さっさと離れることができる(理論上は)はずだから。
むろん、依存させるように仕向けられていることも非常に多いと思う。
若い人のいじめとかは、いじめられる子たちは、いじめる側に「依存しないとダメ」と思い込まされている感じがすごくします。
そして、追い詰められる。
「依存」という表現はちょっと違うかもですが……。
たとえば学校で無視されたらつらいです。
それはなぜかというと、「この人たちに受け入れてもらえなければ、学校で楽しく過ごせない」と思い込まされてるからってことになるんじゃないかなと思う。
実際、体育の授業でペアを組むときに相手がいないとか、いろいろしんどい目に遭うでしょう。
ただ、もし、もし、もし、「別に受け入れられなくても平気」で本気でいられたら……。
無視なんてこと、なんの力もないんじゃないかと。
悪口を言われても、どうでもいい人間が何を言っても、別に。
暴力をふるわれたり、持ち物を捨てられたり隠されたりしたら、先生じゃなく警察に言う。
だって犯罪ですし。
「この人たちに受け入れてもらえなければ楽しく過ごせない」と、「自分が変えられない他人」に期待したりしなければ……。
そんなことできないのはわかっていますが、もし、もし、もし出来たら……です。
だから私は他人に依存したくないし、期待もしたくないです。
この感覚は、ルールのない場で、10人以上の人を取りまとめなくてはいけない経験で獲得しました。
みんな好き勝手しますから。
「ちゃんとやってくれる」という期待は捨てて、「ちゃんとできない」という前提で考えるようにしてました。
学級委員とか、生徒会とか、任期があるものは別ですが、そうでなければ、
「この人たち、本当にダメなんだ」
と思ったら、さっさと去ることができます。
相手に依存してなければ、期待してなければ、捨て去ってもなんの痛みもありません。
私が人を捨てるのは、割と「もう本当に我慢できない」レベルのつもりなので……。
つまり、依存されて、依存されて、依存されて、それでも本気で何も(その分成長するとかも含めて)返すつもりがないんだな、と、骨身にしみて気づいたときだけです。
そういう意味でも、本当にいろんな意味で、借りは作らない方が、人生は楽だと思うんだな。
そして、だからこそ「この人には依存してもいい(当然、別のことで返すけど)」「期待してもいい」レベルの信頼関係が築けたら、むちゃくちゃハッピーだと思うんですよ。
で、ね。
これは多分、対神様でも同じだろうな、と。
期待したり依存したりするのではなく、まずは自分を信頼してもらうところから。
信頼関係が築けたら(つまり、神様の目から見て、自分が愛い奴でいられてると思えたなら)、願い事していいんじゃないでしょうか?
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