人間の友となる動物というと何を思い浮かべますか?
日本人にとっては犬じゃないかなと思います。
縄文時代の遺跡からは、丁寧に埋葬された犬の死骸が見つかっていますし、家族に近い存在だったんでしょうね。
日本では、犬が人間を守ろうとして命を落とすなんて話しも本当にたくさん残されています。
傾向としては、犬鳴伝説と、しっぺい太郎伝説の二種類あると思う。
犬鳴伝説は、主人を襲おうとしている蛇を犬が見つけ、知らせようと吠えるんです。
でも、主人には蛇が見えないので犬が狩りの邪魔をしているようにしか思えない。
それで、犬の首をはねてしまいます。
すると、犬の首は空高く舞い上がり、主人を狙っていた蛇にくらいついたのでした。
真相を知った主人はとても後悔し、犬を丁寧に葬ったのです。
……って言うけどさ。
いくら仕事の邪魔したからって、首はねるかなぁ???
犬は狩りのお供だっただけでなく、番犬にもなっていたはずで、まさしく人間の伴侶だったはずなんですよ。
それを殺すかなぁ???????????
納得いかないんですが、まぁよっぽど短気なご主人だったんでしょう。
二つ目のしっぺい太郎伝説は、化け物退治の英雄犬です。
人間に害をなす悪い神やら化け物やらを退治する。
犬は命を落とすという筋が多いかな。
しっぺい太郎は死なず、御主人と一緒に立ち去る話しになっていますが、犬は死ぬという筋書きの方が多いと思う。
なんでしょう。
犬は、主人のために命をかける動物だと思われていたのでしょうか。
そういう動物って他にいるのかな?
……と考えて、鷹かなぁと思うんです。
これはガマグチヨダカ(笑)
アレクサンダー大王と鷹で、犬鳴伝説とそっくりな話があるんですね。
狩りの途中、のどが渇いたアレクサンダー大王は、ちょろちょろ湧き出る水を見つけてコップに溜めようとします。
水は少量しか流れていないので、溜まるのに時間がかかる。
やっと溜まったところで、ペットの鷹がコップを蹴り倒します。
「何をするのだ」
短気な大王はムッとしますが、仕方なくもう一度溜めようとします。
でも、やっと溜まったところで鷹が蹴る。
我慢ならん!!
……と、鷹を斬り殺すのですが、そこで我に返り、水源を確かめたところ、毒蛇が水に牙を浸していたとわかります。
「私を助けようとしたのか」
と大王は後悔し、鷹をねんごろに葬ったのでした。
……なんで殺す前に確かめないかなぁ……。
犬が飼い主の危機に活躍したというニュースは、実際ときどき見かけます。
動物が利他的行動をするのかどうかはわからない……と学者さんたちは慎重な姿勢を見せますが、動物と暮らしている人間ならば、少なくとも「人間を気遣っている」のは事実だと感じると思う。
うちのわがまま鳥だって、私が不調のときはむっちゃ大人しくしてますからね。
その中でも、犬と鷹が特に賢いと思われて来たんでしょうか。
高山では、猫の犬鳴パターンがありますね。
犬と猫と鷹以外で、飼い主を助けようとして命を落とす話しがあれば教えてください。
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