記紀神話中で祟られた人物といえば、まず思い出すのは仲哀天皇でしょう。
神の託宣を疑い、怒りを買った人物です。
仲哀天皇の時代、九州では熊襲が力を持っていました。
大和朝廷は北から南まで支配したがってましたから、本当に熊襲は憎たらしい。
どうしたらいいのか神に伺いをたてたわけです。
巫女役は正妻の神功皇后。
審神者は忠臣の武内宿禰です。
そして、天皇は琴を奏でる役目でした。
当時の神降ろしがどのように行われていたのか、なんとなくわかりますね。
神がより憑いた人を見た事あります?
昔、テレビの心霊番組では、悪霊にとりつかれた人が出ていました。
いきなり人が変わったようになって、野太い声で、
「俺はこいつにとりついた霊だ。こいつが死ぬまで苦しめてやる」
なんて言ったりしてました。
今はこういうのを放映すると問題になるのかな?見なくなりましたね。
あれを見て、本当に霊がとりついてると思う人もいるだろうけど、大方は冷めた目で見てたように思います。
「へぇ……」って。
演技なのか、催眠状態なのか、本当に悪霊なのか、見てる人間には判断できません。
できませんが、そこはかとない「嘘っぽさ」が漂ってた……と、私なんかは思っちゃったけどなぁ。
古代における「神がかり」はどうだったんでしょう?
巫女役が演技をしていたのか、本当に神が懸っていたのか、どっちなんでしょうね?
神功皇后にとりついた神は、
「熊襲より海の向こうの国をやる」
と託宣し、天皇はそれを疑います。
武内宿禰は天皇を諫め、
「琴の演奏を続けてください」
というのですが、天皇はツーン。
灯りをともしたとき、天皇の息はありませんでした。
……ということで、仲哀天皇の場合はシャレにならない祟られ方ですね。
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