蘇我氏と物部氏の戦いが終わると、厩戸皇子は誓願どおり、四天王のための寺塔。
すなわち四天王寺を建立します。
そして物部の残党が処罰されるのですが、特筆すべきは捕鳥部万(とっとりべのよろず)でしょう。
彼は物部守屋の側近で、勇ましい兵士でした。
蘇我氏の兵は彼を追い詰めるも、その勇猛さに近づくことさえできません。
しかし一人の兵士が万の膝を射抜くと、彼はこう叫びます。
「私は天皇の盾となり、勇敢に戦ったが、わかってもらえなかった。さあ、私を殺すのか、それとも捕らえるのか?」
……この後、一斉に射られちゃうんですけどね(^^ゞ
万の死体は八つに分断され、八つの国にさらされました。
彼の骸が串刺しにされるとき、雷鳴がとどろいた……とあります。
これは天の怒りの表現なのか、それとも歓びの表現なのか……。
そして彼の忠犬は、骸の周囲をまわり、天に向かって吠えると、主人の首をくわえて古い墓に収めます。
そして自分はそこから一歩も動かず、ついには飢えて死んだのでした。
……泣ける(/_;)
この犬の行為は人々を感動させ、万は懇ろに葬られます。
朝廷にとって大いなる敵であった物部氏の側近であった捕鳥部万は、丁寧に葬られたってこと。
これは多分、「法外なこと」であったのでしょう。
その理由を説明するため、犬のエピソードを持ってきたんじゃないかな。
つまり、万が丁寧に葬られた理由は、別にある。
祟りとか……。
いろいろ勘ぐられるエピソードではあります。
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