今回の朝ドラも、いろいろ設定がひどいですよね。
コレラ患者が、トイレのない納屋にこもってどうするつもりなんだろうとか。
紙飛行機「とんび」が当たり前に出てくるところとか。
東京から那須まで、3歳くらいの子をどうやって攫ったんだろうとか。
今見つかっている、最古の紙飛行機の遊び方は、1901年の『日本児童遊戯集』だそうで。
むろん、それ以前からあった可能性は十分ありますが、そう頻繁に、いろいろな人が折るのは不自然に思う。
タイトルが「風薫る」だから使いたいんだろうけど、どうにも無理押しされてる気がするなぁ(^^ゞ
でも、私はすごく楽しんで観てるんです。
全然イライラしない。
「あんぱん」のとき、あんなにイライラして、愚痴を言わずにいられなかったのになんでだろうと思ったら、ごくごく単純にキャストほぼ全員に好感が持てるからなのでした。
「あんぱん」は、設定のグダグダさや矛盾、説明セリフなどもイライラしましたが、それ以上に登場人物の性格が嫌いだったんだと思う。
りんちゃんタイプの、根っからのお嬢様はすごく好きだし。
直美ちゃんは根性があって、頭もよくて好き。
亀吉もお姑さんも、ヒールっちゃあヒールだけど、演技がうまいから好きだわって思った(笑)
でもなにより、坂東弥十郎さん演じる、清水卯三郎がむちゃくちゃ魅力的じゃないですか?
もちろん、私の好みだってこともありますけど、いかにも懐が深く、子どものような好奇心があり、社会のためにことを為そうとしているキャラクターは、とても魅力的です。
教会の炊き出しは、武士のプライドで断ったりんちゃんが、卯三郎さんのチョコは気にせずたべ、環ちゃんの分もねだるくだりは、ちょっといろいろと描写不足だと思ったけれど、私がすごく困ったとき、坂東弥十郎さんが何かを差し出してくれたら、疑わずにそれを手に取る気がする。
卯三郎は一種のトリックスターにあたると思うのですが、優しくて人のためになってくれるトリックスターって、珍しくないですか?
トリックスターは、世界の秩序を破る人。
でもそのことで、世界を進展させなければなりません。
そう考えれば、破壊と創造の神であるシヴァ神なんかは最大のトリックスターと言えるのかもしれませんが、そういうエピソードってあったっけ?
……インド神話はいくつか読みましたが、記憶にないです。
ご存知の方がいらっしゃったら教えてくださいm(__)m
日本神話であれば、典型的なトリックスターがスサノオでしょう。
乱暴狼藉をはたらき、姉の太陽神を怒らせて世界を暗闇にしますが、ウズメの笑いの力によって新たな世界が生まれます。
ワカヒルメが死んで、オオヒルメとして天の岩戸から再登場するという読み方をすれば、世界が一つ進んでという描写かもしれない。
そして彼は地へ下り、怪物退治をして、人間の世界で初めての和歌を詠み、初めての結婚式を挙げます。
秩序を破るものは嫌われるけれど、彼がいないと世界に変化は起きない。
「わがままだけれど人に好かれる人」というのは、結果的に世界の役に立つ人です。
わがままの結果、世界(ごく狭い世界でも)が好転する人です。
わがままで迷惑をかけるだけで、自分からは何一つ行動しない。周囲も変えない。
そういう人は決して好かれません。
卯三郎さんはわがままではないし、素敵な人だけれど、彼の行動は常識的じゃない。
そしてその結果、世界を変える。
素敵なトリックスターだなぁと思います。
末永く登場してくれますように。ナムナム。
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