共通テスト日本史の勉強法 | これでも元私立高校教員

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30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

2025年度入試から「歴史総合 日本史探究」が実施されます。

 

「入試形式が変わるから不安」

「どういう問題がでるのだろうか」

 

そう考えることはもっともです。

 

しかし、例えばこの問題を考えてみてください。

これは大学入試センターから発表された、2025年から実施される「歴史総合 日本史探究」の試行問題のひとつです。

いわゆる順番並び替え問題です

 

渡来人やその子孫について考えるため,下線部ⓐについて調べてみた。下線部ⓐ「百済からは,古墳時代以来,多くの人々が日本列島にやって来た」に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて,古いものから 年代順に正しく配列したものを,①~⑥のうちから一つ選べ。

 

Ⅰ 白村江の戦いの後,百済の亡命貴族の指導により朝鮮式山城が築かれた。

Ⅱ 百済から五経博士が渡来し,儒教を伝えた。

Ⅲ 飛鳥寺の建立には,百済が派遣した技術者が参加した。             (解答はⅡ→Ⅲ→Ⅰ)

 

 

これは、センター試験時代から何の変化もない問題であり、相変わらず入試対策に「年代暗記」が不要であることがわかります。なぜならこの出題の仕方は、『テーマ別日本史解説集』で完全に予測できるからです。

なぜ予測できるのか? 

(ちなみの今年度の共通テスト日本史でも年代暗記はまったくの不要でした)

 

それは、順番並び替え問題は作成に法則性(歴史学に基づいた)があり、それを学べば「年代暗記」が不要となるからです。

 

「年号を覚えるしかない」

 

そんなことはまったくなく、必要があるとしたら「世紀」であり、その「前半」「後半」を知れば十分正答できます。

 

例えば上記の問題は

 

Ⅰが「7世紀後半」

Ⅱが「6世紀」

Ⅲが「7世紀前半」

 

これは典型的な「世紀またぎ」の問題作成法です。

これ以外の順番並び替えの製作法とは、「テーマ別」であり、共通テスト導入後も出題されて「テーマ」はすべて的中しています。

 

次にこの正誤問題です。

これも「歴史総合 日本史探究」の試行問題のひとつです。

 

内藤さんは,大塩の乱について調べるなかで,大塩平八郎が陽明学者であることを知った。そこで,陽明学に関して調査を進め,ノートに書き出した。その内容を記した次の文あ~えについて,正しいものの組合せを,後の①~④のうちから一つ選べ。

 

あ 陽明学では,知識と行為を一体のものとする知行合一説などから,実践が重視された。

い 陽明学では,日本古来の精神に立ち戻ることが重視され,復古神道などが説かれた。

う 陽明学者である熊沢蕃山は,幕政批判とも捉えられるような内容を含む『大学或問』を著し,処罰された。

え 陽明学者である熊沢蕃山は,モリソン号事件の対応など,幕府の対外政策を批判した『慎機論』を著し,

処罰された。

①あ・う      ②あ・え      ③い・う      ④い・え            (解答は①)

 

 

この問題の「作成方法」(誤文の作り方)も、同様に歴史学に基づいています。

日本史を勉強するうえで、この発想は捨てるべきです。

 

「覚えるしかない」

「暗記科目」

 

そうではなく、こうした歴史学を基盤とした攻略法を知るべきです。

 

これを知らなければ、学校の定期試験で80点程度をとっている人でも、模試になると「偏差値40」になってしまうことは多々あります。

それは残念ながら学校の定期試験などは、こうした歴史学の法則を基盤としない問題作りが行われているからであり、だから単純な暗記で対処出来てしまうのです。

 

しかしいまの共通テストの内容は、学校の定期試験と大きく異なります。

 

正誤問題が出題されている、

順番並び替えが出題されている

 

といった形式のことではなく、

 

このような歴史学に基づいた問題作成をされているか?

 

かが大切であり、授業中の段階から「年表式の授業」「空欄補充の暗記」をしているようでは、到底日本史攻略は無理な話です。

 

「日本史は暗記科目」という考えをするひとが多いですが、それを言えば英語だって入試的には暗記科目です。

さらに「日本史には勉強法はなく覚えるしかない」と思う人も多いでしょう。

 

長坂塾の日本史講座に参加する生徒のほとんどは、最初は「日本史が苦手」ですが、毎年の共通テストでは全員の生徒が「80点以上」が現実的な目標です。

2年生の2月、3月には、「原始~室町時代」の範囲で30点、40点しか取れない生徒が、全範囲の「共通テスト」で80点以上を「覚えることなし」に可能なのです。

 

それは、誰でも知っている常識的な暗記ではなく、全く独自の勉強法(トレーニング)を行っているからです。

では、この勉強法とはどのようなものなのでしょうか? そのためにはまずは、下の5つの常識がそもそも間違っていることを知るべきです。

 

 

受験日本史に効果のない残念な5つ勉強方法

 

1.「覚えるしかない」と思うこと

    →「覚えること」なしに模試で偏差値70になれます。むろん興味関心の話ではありません。

2.「教科書」をひたすら読むこと

    →そんな無駄な時間の使い方、日本史が専門の私もしたことがありません。

3.問題用紙に「赤」で直しを記入すること

    →記入された問題用紙を、その後にどうするか考えましょう。多くの場合は二度とみません。

     そもそも「直し」で点数はあがりません。

4.「年代暗記」が受験に必要だと思い込むこと

    →今年の共通テストで年号は1つも必要とせず100点をとれました。年号は不要です。

5.日本史は暗記科目で「勉強法などはない」と思い込むこと。

   →それを言えば英語だって暗記科目です。

 

長坂塾の独自の日本史の勉強法(トレーニング)とは「情報収集」と「テストは勉強より有効法」です。

これは少なくとも学校では絶対に知ることができない勉強法です。

 

「覚えるしかない」

 

この思い込みが、日本史を苦手とする最大の原因であり誤りです。

 

また日本史で受験する人は、『テーマ別日本史解説集』に興味はないですか。

共通テストはもちろん、この1冊で私大対策も万全の、日本史専門塾が自信をもってお勧めできる参考書です。

 

このような「覚えない日本史」『テーマ別日本史解説集』にご興味がおありの方は、ご遠慮なくご一報ください。