小学生の保護者の方から 名古屋大大学附属中学校 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

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最近、小学生の保護者の方からのアプローチが多くなっています。

 

「考える力や論理的思考力を身に着けさせたいのですが・・・」

 

「名古屋大大学附属中学校の入学試験問題対策は可能ですが?」

 

こんな内容です。

 

確かに論理的思考力などはどうしたらいいのか謎だと思います。

それは小学校や中学校の「探究」=「調べ学習」とは違うし、また「答えがいくつもある」といった相対的な発想も、なんだか私にとっては妙なものであり、異なるからです。

 

決定的なのは「マインドセット」と、先生が一緒に「ディスカッション」することですが、これは残念ながら先生にとって極めて困難なことです。

 



もうひとつ名古屋大学付属中学校についてです。

独特の4教科の問題と「作文」ですが、この学びはきっと小学生にとても楽しいものです。

もちろん、「作文」は表面的な文章力を問うものではないですし、4教科の問題も、暗記ではなく楽しく取り組むことができます。

そんな対策をお問い合わせいただくのです。

 

皆さん、色々悩んでいるんだなあと思います。

むろん、すべての大人が従来教育を受けてきて、「クリティカルシンキング」や「ロジカルシンキング」「マインドセット」なんて学校で習ったこともなく、そんな訓練を受けたわけではありません。

それはいまの学校でも同じです。

 

でも社会は変化し、いつのまにか、なんだか随分と時代遅れな内容を、タブレットを使ってやっている印象です。

数え切れないほどの学校の多くの高校生に聞いても、いまだ学校の「探究」の時間を、楽しいとか有意義だと評価する高校生に出会ったことはなく、「調べ学習」(コピぺのパワポ発表)をつまらないといいます。

しかもそういった「探究」に、興味が高そうな生徒ほど、つまならないと評価してしまいます。

残念ですが、それが現実です。

 

もちろん、昔と同じように「偏差値」に絶対的な価値観を持つ保護者の方もすくなくありません。

それはそれで自由な選択肢であり、「偏差値」が高くなければ、「良い中学」に合格できず、未来は厳しいものになると考えることもよくわかります。

 

そうしたひたすら知識を暗記し続ける「偏差値」への道は、中学受験においては方便としては必要であり、中学側がそうした試験問題を課す以上は仕方がないことかもしれませんし、それもその中学校の教育に関する「暗記主義」のメッセージです。

ただ、なんとも昭和です。

もちろん、何に価値観を置くかは各自の自由です。

 

いまの小学生は、どの大人も経験したとがないデジタルでAIが発達した時代を生きていくことになります。

こればかりは確実です。

でも学びは、なんだかインターネットがなかった時代とよく似ていて、保護者が授業参観に行くと「懐かしい」ものです。

その従来の学びの「成績」が良くないことを嘆くことは、なんだか微妙に変な感じです。

もっとも名古屋市内の公立中学の中学生の極度な「忖度」の学びは、むしろ昭和にななかった新しい学びかもしれません。

 

なんにせよ、今の時代の小学生の保護者は大変だろうなあと思います。

未知の時代に突入するのに、自分に経験がない、これは大変です。

 

そんなことを思いながら、今日も小学生と社会や作文を「表面的」「暗記」にせず、楽しく考え、他者には「見えない世界」を見出す学びを、お菓子を食べながら指導する日々です。