G7広島サミットは、2023年5月19日から21日まで広島で開催される。
その78年前の5月18日、原子爆弾投下の実行部隊(第509混成部隊)がテニアン島に移動し、日本本土への原爆投下に向けた準備を開始した。
つまり、サミットが開催される5月には、すでに原爆投下へのカウントダウンが始まっていることになる。
岸田首相は先日のNHKのインタビューでいいことを言っていた。
「世界に向けて平和のメッセージを発しているこの広島という場所に、世界のリーダーやG7のリーダーたちが集まる、平和や安定について議論する。この意味は大変大きいと思っている。」
広島サミットにはG7のリーダーだけでなく、ナレンドラ・モディ・インド首相や韓国のユン大統領もやってくる。
そしてサミット初日の5月19日は、岸田首相が各国首脳と配偶者を広島平和記念公園で出迎え、広島平和記念資料館(原爆資料館)を訪問する方向で調整が進んでいる。
これは本当に素晴らしいことだ。
原爆投下をしたアメリカはもちろん、日本と戦争をしたイギリスやオーストラリアの首脳、さらには同盟国であったイタリヤやドイツの首脳、東京裁判でアメリカの原爆投下を激しく批判したパル判事の祖国のインドの首脳、そして韓国の大統領が原爆資料館に来てくれる。
78年前の5月に、世界の国々と日本がこのような関りを持っていれば、あの悲劇はなかったはずだ。
岸田首相の政策には、むろん賛否両論あるし、そもそも自民党の政策には支持できないことも多い。
しかし、この広島サミットでの平和や核なき世界への取り組みは強く支持したい。
サミット開催中の5月22日、高校3年生のクリティカルシンキング講座(小論文講座)がある。
そこにいる高校3年生たちは受験生であり、受験で必要な小論文の思考の訓練のためにきている。
その彼らと「サミット」「核」「平和」「歴史」などについて語り合ってみようと思う。
むろん、正義か悪、戦争か平和なんて単純で排他的な「二項対立」ではなく、本質に迫ることができればと思う。
それはもちろん、「型」や「コツ」といった陳腐なものではなく、思考を深化させれば小論文にも役立つし、なにより彼らの成長の機会になる。
そしてそのなかから「共感」を得ることができればと思う。
さらにサミット終了後の5月26日の高校2年生のクリティカルシンキング講座、5月27日の中学2年生クリティカルシンキング講座、5月28日の中学1年生のクリティカルシンキング講座でも語り合ってみよう。
世界には様々な現実がある。
でも政治家たるもの、常に理想を持たねばならないと思う。
岸田首相の理想がそこにあるのであれば、今回のサミットは後世から、
「あの日が始まりだった」
と評されるかもしれない。
この1週間が、世界のために良き1週間になることを願っている。