【file 7】 恋愛慎重派に必要な日常型の婚活とは | 軍師たるもの物申す (世界で唯一の正しい少子化対策指南)

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まじめに少子化問題の解決を提案するブログです。
「少子化問題=未婚問題」
未婚問題は恋愛慎重派(日本人の2/3)の問題です。
その特性に合った婚活環境がなければ、効果は上がりません。
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 現在の日本で行われている民間の婚活サービスや、行政主導の婚活イベントは、恋愛慎重派が希望するサービスになっていないために、利用率が低かったり成果を得られるまでに多大な努力と期間が必要である事を前節で説明したが、では、どのようなサービスが恋愛慎重派にとって有効なのかを、必要要件の項目として考えてみる。

 

 1.交際を申し込むまでに人間関係が構築出来ること

 

 これは最も重要な要件である。恋愛慎重派は恋愛感情がない相手に容姿やファッションセンス、会話のテクニックなどの上辺の条件だけで交際を申し込む事は出来ない。即ち、これは恋愛積極派が得意とする、いわゆるナンパの手法である。現在行われている婚活のほとんど全ては、ナンパのテクニックが無ければ成果が上がらないのだ。恋愛慎重派にとっては、そもそもナンセンスなのである。結婚出来ない理由に「出会える場所が判らない」という頓珍漢とも思える回答が出るのも当然の事なのだ。
 例えば、会話が通じる5m四方程度のスペースで、恋愛慎重派が初対面の相手と会話するようになるのは、平均して5回目程度となる。その場の雰囲気によっては1回目から話が盛り上がる事もあるだろうが、そこでどちらか一方が相手に恋愛感情を持つ事があっても、いきなり互いに相手に恋愛感情を持つ事はまずない。交際を告白する/されるのは、互いの感情をほぼ確認出来てからとなるため、早くても10回目くらいが目安になる。この「10回以上同じ相手と会える」という要件を満たすには、イベント形式の婚活ではまず不可能である。

 

 2.常設型のスペースを持つこと

 

 男女共学の学校に通った経験があるならイメージし易いが、学校の休み時間に異性と会話する機会が誰しもあったはずである。そこで全く異性に相手にされなかったとか、大学まで女子校(男子校)だったとなると話は難しくなるのだが、そうでない限りは、何か物を貸し借りしたとか、プレゼントをしたとか、何らかの異性との係わりを持った経験があるはずである。恋愛積極派はそこから性交渉まで発展する訳だが、そのような経験は敢えて必要ではなく、成り行きはどうあれ、恋愛などの個人的な関係を築くことまで出来る可能性はあったはずである。
 婚活の場にこの学校の休み時間型の環境があれば、例え学生時代には好意を持った異性に告白出来なかったとしても、そこが交際・結婚相手を探している大人の集まりであるという前提条件が後押しとなって、アクションに移しやすい。日常の雑多な出会いの中では、何度も顔を合わせて多少の会話が出来る関係になっても、相手が未婚か既婚か、交際相手を募集中なのかどうかすら確認するのはそう簡単な事ではないが、その不安要素が無いだけでも、アクションへの敷居は格段に低くなる。
 ※恋愛積極派の場合は、相手が既婚かどうかすら確認の必要が無い前提で、性交渉目的でその手の相手が集まる場所へ行って交際相手を探すのが基本のため、行動原理が根本的に異なる。そのため、彼らが恋愛慎重派が抱える未婚問題の苦悩について理解を示す事は絶対にない。

 

 このような婚活スペースは、平日の夜間などに常設で設置され、居住スペースとしての最低限のサービスで、安価な利用料で長時間利用出来ることが基本になる。

 

 3.独身者自身によるサービスの展開

 

 サービス利用料を抑える事は、利用率を上げるためには必須の要件である。そのためには、店舗の家賃・人件費などを含む運営コストを極限まで抑えなければならない。仮に1回の利用料を500円、平均利用人数を20人、月稼働日数を20日とすると、月の売り上げは20万円となる。ここから物件費、光熱費、飲食素材費(飲み物がメイン)、管理人件費を捻出しなければならない。人件費については正社員待遇での雇用は無理なため、アルバイト相当の扱いとなるが、人件費を抑えても事業自体の収益性は見込めないため、必然的にNPO法人レベルの運営となる。店舗の形態は、一般の飲食店ではなく、サロンの扱いであるが、便宜上「婚活カフェ」と呼ぶ事にする。
 店舗スタッフは、サービス利用者の管理がメインの仕事になるが、これも原則として未婚者とし、一定の期限付きながら一般のサービス利用者と同様に婚活が出来るようにする。スタッフは相談者であり、時に恋敵にもなる。時間と共にサービス利用者同士の人間関係が構築出来るので、次の店舗のスタッフをサービス利用者の中から抜擢する事で、爆発的にサービスエリアを拡大する事も可能となる。

 

 4.セキュリティー上の懸念の払拭

 

 いわゆる結婚相談所を除けば、行政が主催のものも含め、ほとんどの婚活サービスで厳密な独身確認を要求されていない。そこでは、周囲に素性が知られていないのをいい事に、既婚なのに遊び目的で利用しているケースが多く見られる。こういった不正利用の懸念が払拭出来ないと、利用効果が不正利用者に減殺され、利用率は桁違いに下がってしまう。この問題を解決するには、行政からの情報面での協力が必須である。居住地で発行される住民票ならいざ知らず、本籍地でしか発行出来ない「毎年戸籍謄本を提出してください」というのでは、それだけで利用者が半分以下になってしまうのだ。
 婚活カフェは、婚活の場であると共に、地域に根ざした現役世代のコミュニティーでもある。交際・結婚したからといって、利用停止にする事は出来ない。そこで、必然的に交際中・既婚といったステータスを他の利用者が判るように区別する事になる。このシステムは、サービス内での多重交際を防止する効果がある。婚活の必要が無い恋愛積極派であっても、独身である限りはサービスの利用を禁止する事は出来ないが、システムが多重交際を防止するため、不正利用を抑制する効果がある。

 

 以上の4つの条件を満たせば、恋愛慎重派が望む効果的な婚活の場が出来る。利用率を十分なレベルまで上げるには、何よりその場にいて楽しい事が必須であり、それはスタッフや利用者自身が作り上げて行くべきものである。

 

 【参考】 「カフェ・ジャパン」プロジェクト・仮サイト

 

 次回、なぜ未婚問題が解決しないのか。