こむげにっき -18ページ目

中傷の果てに3

HPを閉鎖し、交流手段を私のHPに限定したことで、直接的に危害を加える手段は無くなった。
しかし一方で、A男のHPでの中傷は激しさを増していった。
そして、鈴音がどこに苦痛を感じているのかも察してしまったらしく、そこを狙った書き込みも増えた。

***「あんな公衆便所に親友なんてできるわけねーぜ。」
***「友達だと思ってる奴の中に鈴音を心配してる奴なんているわけないよなー。」
***「みんな、心の中ではうざいって思ってるんだよ!」

うざい、しね、病気まき散らし女・・・ありとあらゆる罵詈雑言が並んだ。

A男のHPは見てはいけないと伝えてはいたけれど、自分がそこで貶められていると思えば見に行ってしまうのはしょうがないこと。
鈴音は徐々に壊れていった。
もう、個人レベルで解決することは諦めた。
サーバー管理者に連絡、すべてのログを保存の上、該当ページの消去を願い出る。
警察に被害届を出すよう、鈴音に連絡、証拠のログはHPサーバーに保存されていると伝えるように指示を出した。

サーバー管理者の対応は早かった。
鯖主「ご報告ありがとうございます。該当ページを確認しました。ご要望通り、アクセスログ等を保存の上、該当ページを削除、当該会員を利用規約違反により脱退としたことをお知らせいたします。」

しかし・・・警察は・・・。
鈴音「私に落ち度があるかもしれないから、よく話し合ってみろって。どうしてもだめだったら、また来なさいって言われました」

しまった・・・と思った。
警察が能動的に動いてくれないのであれば、サイト自体を消去したのは間違いだったか。
被害届が受理されなかった以上、警察はサーバー管理者にログの提出を求めることはない・・・。

私「そっかぁ。でも、あいつのHPは削除させたから、大丈夫だよ」
鈴音「ありがとうございます。無事解決・・・かどうかはわからないけど、これで終わりですね。本当にありがとうございました。」


終わってなかった。

中傷の果てに2

ホームページは移転した。
当所、私の指導の元作られたHPだったが、彼女もHP管理をしながらスキルを学んだため、移転後のHPは私の色は消えて彼女の色が全面にでた、ある種全く違うモノになった。

HNを変えた。
新HPの存在を教えた人全員、そのHPではソレまでのHNとは縁もゆかりもないHNで発言してもらえるよう御願いした。
親しい友人レベルのHNで検索されて見つかるのを防ぐためと説明すると、みんな快く応じてくれた。
それからしばらく平和な日が続いた。
ある日のこと



HN:追跡者
「お前、○○だろ?」



衝撃が走った。
なんで?なんでだ?どうして見つかった?
いや、半信半疑でかまをかけているだけか?にしても、偶然で引き寄せられるような痕跡は残していないはず。
HPを閉じて、HNを変えるだけでも9割方見失う。プロバまで変えてしまえば追跡されることはまず100%ありえない。
なのに、なぜ?

掲示板に嫌な空気が漂った。
事情を知っているだけに、誰一人として書き込もうとしない。
そこからはまた荒れ放題だった。

現状がどうにも信じられない私は、久しぶりに”A男”のサイトに足を運んだ。
そこには

A男「何も考えないで旧HPの常連全員に新HP教えてるし。マジ馬鹿だ(爆」

こんな書き込みがあった。
事情を知らない誰かがA男に新HPを教えた?

そして、ほぼ同時期にA男のHPを誰かが彼女に教えた・・・彼女へのダメージは深刻だった。

その日のメール
鈴音「誰を信じたらいい?また逃げるにしたって、誰に伝えたらいい?誰も来ないHPなんて、作っても仕方がないよ。でも、誰も信じられないよう・・・(涙」

状況は深刻になっていった。
疑心暗鬼にとらわれ、メールの言動もおかしくなっていく。
必死に励ますも、その場限りで翌日には同じようなメールが飛んでくる。
日に日に、メールに誤字が増え、漢字が減り、ひらがなが多くなっていく。

メールの書き方の変容に、背筋の寒いモノを感じた。
・・・やばい、彼女、もう限界だ。

返信メールの最後に携帯番号を添えた。
「どうしても辛くなったら、いつでも良いから電話をちょうだい。人の声を聞くだけでも気分変わるから」

5分後・・・携帯電話が鳴った。
たったの5分後だ。ビックリした。

私「もしもし?」
電話の向こうから聞こえるのは、時折後ろを通過する車の音と小さくすすり泣くような女性の声だった。
私「もしもし・・・鈴音ちゃん?鈴音ちゃんだよね?大丈夫?」
鈴音「ごめんなさい、ごめんなさい。すっごく苦しくて、メール嬉しくて、ぐちゃぐちゃになってわけわかんなくなって・・・ごめんなさい。」
私「大丈夫だよ、苦しかったらいつでもかけておいで」
鈴音「うん、ありがとう。私、頑張ります。遅くにごめんなさい」

彼女は再びHPを閉じた。

中傷の果てに1

約9年前の話。
当時私は、個人レベルではなかなかのアクセス数を誇る”人生相談サイト”を開いていた。(3,000アクセス/日くらい)
本来は、単なる趣味で作った内輪サイトだったのだが、ある事がきっかけで人が増え、いつの間にか人生相談サイトに変容していた。
私のサイトの常連の一人に鈴音というHNの、16歳の女の子がいた。
友達との喧嘩、アルバイト先での出来事、ゲームの攻略法、学校での出来事等他愛のない相談をちょくちょく受けていた。
ある日、いつもとは少し様子の違うメールを受け取った。

鈴音「ある人から執拗に迫られて困っています。どうしよう」

簡潔に言えば、こんな相談だ。
私は、
・付き合う気がないなら、はっきり言ってあげた方がいい。
・恋愛感情は、激情しやすいから充分に言葉を選んで!
たしか、こんな事を返答した気がする。
でも、これは今思うと間違いだったのかもしれない。

ある日、知らないアドレスからメールが届く。

***「あなたのサイトの常連さんが、ネットで中傷をうけてるぜ。http://www.*********************」

酷い内容だった。
なんていうか、思いつく限りの罵詈雑言が並んでいる感じだった。

彼女からもメールが来ていた。
鈴音「言われたとおり相手を刺激しないように言葉を選んで、でもはっきり断ってみたんだけど聞き入れてもらえなくて(汗)
だんだん頭にきちゃって喧嘩腰になっちゃって・・・ちょっと怒らせちゃったみたい(涙)
また、メールしますね♪」

直前の密告のようなメールから、状況が”ちょっと怒らせた”レベルでないことは明白だった。

それからたいした時間も経たないうちに、彼女が作ったHPが荒れだした。
匿名の人間がBBSを荒らす、チャットで罵詈雑言を吐いていく、彼女に不愉快なメールを投げる・・・etc
そこで私はまず、
・作っていたHPの閉鎖・移転
・メルアドおよびハンドルネームの変更
・相手(A男)と連絡を取らない
等の対策を伝え、移転先は信頼できる人にだけ伝えるよう指示をだし、あとはトラブル相手が彼女を見失い、自然消火するのを見守ることにした。