こむげにっき -17ページ目

中傷の果てに6


翌日、翌々日とメールを送ったが、返事はなかった。
なにか、理由があって返信を拒否しているのかもしれない・・・そう思い、メールを送るのをやめた。

***「鈴音死んだよ」

信じたくなかった。
私を信じられなくなっただけかもしれない。それなら、いい。

数日後、メールが届いた。鈴音からだった。
慌ててメールをひらく。



送信者:鈴音
件名:失礼いたします。

こむげ 様

鈴音の母です。
昨日、初めて鈴音のメールを見てこむげ様の存在に気が付きました。
お気づきのとおり、鈴音は○月×日、この世と別れを告げました。
生前はこむげ様に大変お世話になった様で、最後の最後まで鈴音のために尽力いただき、まことにありがとうございました。
鈴音も苦しい中、信じられる人が一人でもいた事は大変な救いになっていたと思います。
鈴音のメールを整理していて、何故あの子が死を選んだのか、ようやく理解出来ました。
母としてA男を許すわけには参りません。もうしばらく、御助力お願いで来ますでしょうか?
鈴音を死に追いやったあの男が憎くてたまらないのです。なんとしてでも捕まえて、罪を償わせたいと思っております。

また、勝手なお願いで申し訳無いのですが、鈴音に線香のひとつでも上げていただけると大変ありがたいのですが。

**県***********
TEL:***-***-****

もし、来られる距離であれば、是非お越しください。
鈴音もきっと、会いたいと思っていたはずです。



鈴音は本当に死んでいた。
私に送った最後のメールは、死の間際に鈴音が書いた、生きたかった・・・そんな意味のメールだったんだ。
ずっと、一方通行の付き合いを続けてきた自分を呪った。
彼女への連絡手段を私が持っていれば・・・こんな事にはならなかったかもしれない。
後日、お伺いする事を電話で連絡した。電話の先で、鈴音の母は泣いていた。

中傷の果てに5

鈴音がHPに来なくなった。
チャットにも掲示板にも来ていないようだ。
メールもあれ以来、ぱたりとやんだ。

常連1「最近、鈴音ちゃん来ないね?」
こむげ「来ないねぇ」
常連2「今日で17歳のはずだから、なにかお祝いしてあげたかったんだけどなー。」
こむげ「あ、今日だっけ?」
常連1「あー、忘れてたな?こむげに忘れられてたって知ったら、きっと凹むよ?(笑)」
こむげ「もし来たら、今のことは内密に・・・って、メールだ。あれ?このアドレス・・・。」

件名:もしかして、知らないの?

まだ終わってないよ。
いや、ある意味おわってしまったのだけど。

http://www.**********************


以前、A男のHPを教えてくれた謎のフリーメールだ。
再び指定されたアドレスに行ってみると、A男の掲示板だった。
HPは削除されたものの掲示板は別のサーバーから借りていたらしく、消されていなかったのだ。
吐き気がするほどの誹謗中傷、侮辱・・・罵詈雑言の嵐が未だに吹き荒れていた。
しかし、どうも様子が変だ。何があったのかわからないが、掲示坂内で仲間割れのようになっている。
状況を把握するため、最後に見たあたりまで遡ってみた。
鈴音に対する侮辱や悪態・・・その書き込みに気分を悪くしながらも読み進めていくと、ソレはあった。













***「鈴音死んだよ。お前らが殺したんだ。」





・・・おい、嘘だろ?
掲示板の書き込みのあと、しばらく書き込みがなかった。
半日ほどあいて、

***「ソース出せよ。嘘なら最悪だぞ、それ」
***「死んだの?せいせいしたよ。」
***「せいせいしたって、鈴音があなたに何をしたって言うの?もし本当に死んだんだったら、あまりに不謹慎じゃない?」
***「本当に死んだよ。今朝、母親から学校に連絡があって、それを担任に教えてもらったから間違いない。お前ら殺人鬼だ。」

10日ほど前の書き込みだった。
頭が真っ白になった。
死んだ?なんで?
メールで会うんだって・・・会って頭撫でてもらうんだって・・・。

最後のメールを読み返してみる。
そして、ハタと気がついた・・・。

>御世話になりました。
>心の支えでした。
>思ってました。
>ありがとうございました。
>生きてこれました。

全部、過去形で書いてある。
もしや、このとき既に、死を覚悟していた?
そんな馬鹿な!?そんな馬鹿なことがあってたまるかよ!!
慌ててメールを書く。

「鈴音!!大丈夫!?」

なんだかだいぶ長いメールを書いた記憶があるが、良く覚えていない。

彼女からの返信は、無かった。

中傷の果てに4

あれから1週間、HP削除前と比べるとずいぶんと穏やかな日が過ぎた。
鈴音は、私のHPに設置していたチャットにチラチラと顔を出していたようだが、タイミングが合わずに話せずにいた。

ある日、鈴音から久しぶりにメールが届いた。

「こむげ様

先日は大変御世話になりました。
すっごく大変な日々でした。友達しか知らないような話まで流れてて、誰も信用できなくて。
会うと心配してくれるのに、でもその中の誰かは裏で酷いことをあそこに書いているわけで・・・。
苦しくて苦しくて・・・そんな中でこむげさんは心の支えでした。
いつか会ってみたいなぁって、ずっと思ってました。
もし会ったら、よく頑張ったって褒めてもらうんです。頭を撫でてもらうんです。
そして・・・(テレ
す、すいません、ろくでもない妄想を書きました(汗

本当にありがとうございました。
こむげさんのおかげで今まで生きてこれました。
このご恩は忘れません。
いつか、お返しできたらいいな。

ではでは。

PS
声、格好良かったですよ♪」


>もし会ったら、よく頑張ったって褒めてもらうんです。頭を撫でてもらうんです。
>そして・・・(テレ
>す、すいません、ろくでもない妄想を書きました(汗

・・・中略・・・

>PS
>声、格好良かったですよ♪

女子高生からです。
以前に写真をもらっていたのだが、これがまた可愛い。
その可愛い女子高生からこんな・・・うかれてしまい、非常に大事な点を見逃していた。

私は、間抜けにも上記のお世辞部分ばかり見て、この文の不自然さに全く気がつくことができなかった。