漫画 『急がなくてもよいことを(ビームコミックス)』ひうち棚 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【変わっていく、変わらない日々が、確かにここに在りました。子どもたちだけで映画を観に行った思い出。ひとり給食を食べるのが遅い、あの子のこと。久しぶりに帰った実家での母との会話。僕のことを忘れてしまった、おばあちゃんとのおしゃべり。動物園デートの思い出。結婚1年目に夫婦で見た景色。子どもと歩いた散歩道での出来事。子どもが寝静まった後の帰宅。ビニールプールで遊んだ夏のこと。家族で見た海の情景。(Amazon商品紹介より)】

 2021年刊行。

 いつも見ている「川島・山内のマンガ沼」で紹介されていて気になったので購入しました。

 作者の思い出のひとコマを漫画で描いた短編集です。
 20代後半に漫画を描こうと思った作者が友人と同人誌を作り、そこに掲載したものがほとんどです。

 上記のあらすじ部分で書いたような内容で、作者の思い出を漫画にしたものが多いんですが、読んでいて自分の子供の頃の思い出と重なるような部分もあって、懐かしい気持ちが込み上げてくる作品集でした。
 特に起承転結もなくエッセイ漫画のような味わいです。

 スクリーントーンも使わず(一番古い1本目以外)細かい線を重ねて丁寧に描かれた絵は非常に柔らかくて暖かみを感じます。

 ただ同人誌に描いていた作品ということで、編集の手が入ることなく好き勝手に描いてたんで構成的にちょっとおかしな部分はあります(特に初期の作品に)。
 2009年から2021年の作品が収録されてるんですが、近年の作品は絵のクオリティもかなり上がってますね。
 最後の方に「月刊コミックビーム」に掲載されたものが2作あるんですが、多分これからは商業誌で編集もついて漫画活動をしていくと思うんで、今後の作品が楽しみです。