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【自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって──。唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。(Amazon商品紹介より)】
「チェンソーマン」の作者藤本タツキの作品で「チェンソーマン」の前に描かれた作品です。
アニメ映画化され6月28日劇場公開予定です。
単行本一冊で完結していて140ページほどの作品です。
小学4年生の藤野は学年新聞で4コマ漫画を毎週連載し、同級生や家族から絶賛されてます。ある日、教師から不登校の京本の漫画を掲載したいため、藤野の連載している内の1枠を譲って欲しいと告げられます。
隣のクラスの顔も知らない京本に嫌々漫画枠をひとつ譲るんですが、この京本の絵のクオリティが無茶苦茶高いんですね。これまで藤野のことを絶賛していた級友から「こうして見ると藤野の絵って普通だよね」といわれプライドが傷付きます。
負けん気の強い藤野はその後本格的にデッサンなど絵の練習に励むんですが、京本との差は縮まらず6年生の半ばで漫画を描くことを辞めてしまいます。
そのあと色々な経緯があって2人で漫画を描くことになって、雑誌の賞を取り、何度も読み切り作品を掲載されたりして順調に漫画家への道を歩んでいくんですが、京本が美術大学進学をきっかけのコンビを解消し、それぞれの道を歩んでいきます。
ここまで半分くらいでその後の展開が驚きましたね。
あることに関しては自分が一番だと思ってたのに、自分よりすごいやつが現れて敗北感を味わうなんて経験は多くの人があると思うんですが、この作品はそういう人には特に刺さりますね。
できるだけセリフを省略して絵の表現で感情を描く作風は映画的でもありましたね。
今作でもっともおもしろかったのは小学生の時の学級新聞の4コマ漫画が、絵のクオリティは京本の方が上なんですが、彼女の場合はある情景(主に風景)を描いてるだけで、漫画としての才能は藤野の方が圧倒的に上なんですね。
でも小学生なんで単純に絵が上手い京本の方が評価されて、藤野も敗北感を感じてしまうんですが、京本だけが藤野の才能をわかってて京本を「先生」と呼んで尊敬してるっていう設定が上手いなって思いましたね。
多くの著名人が今作を絶賛していて、ついにアニメ映画化が実現しました。非常に映画向きな作品なんで楽しみですね。