書籍 『エッジ (上・下) (角川ホラー文庫) 』鈴木光司 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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【人が消えてゆく―長野、新潟、カリフォルニアで、人々が突如“消失”する怪現象が起こった。そんな中、フリーライターの栗山冴子は、ある一家が忽然と姿を消した“一家失踪事件”の謎を追い始める。18年前に父が、やはり消失ともいえる突然の失踪で行方不明となっている冴子は、一連の事件の中に、人類が経験したことのない未曾有の世界的異変を嗅ぎとるが…!?世界の基盤を揺るがす恐怖を描く、サスペンス・ホラーの傑作。([BOOKデータベース」より)】

 2008年の作品です。

 ホラーなどを対象にしたアメリカの文学賞、 シャーリー・ジャクスン賞を受賞した作品です。

 作者が「リング」の鈴木光司で角川ホラー文庫で、「サスペンス・ホラーの傑作」という文句から当然ホラー小説と思うんですが、実感としてはSF小説として読んだ方がいいかと思います。ホラー小説を期待するとやや物足りないかもしれません。
 ただ、随所に鈴木さんらしい不気味なシーンはありました。

 前半の主人公のフリーライターの栗山冴子がテレビの企画で、ある一家の喪失事件の現場に霊能者と共に訪れるシーンあたりは結構ホラー感もあるんですが、一気に100人を超える人間消失事件が起こるに至って一気にSF色が強くなっていきます。

 宇宙、数学、物理学などの専門的な記述が所々に出てくるんですが、ぶっちゃけ何のことかほぼ理解はできなかったです。ただ、そういうのを入れることで荒唐無稽な話にリアリティは出ますよね。

 終盤ちょっとゴチャっとした感じはあるんですが、ラストシーンは感動的で読後感は悪くなかったです。上・下巻で670ページほどの長編なんですが、ダレることなく結構おもしろく読めました。