映画 『夜明けまでバス停で 』 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【昼間はアトリエで自作アクセサリーを販売し、夜は焼き鳥屋で住み込みのパートとして働く北林三知子。しかし突然訪れたコロナ禍により、仕事も住む家も失ってしまう。新しい仕事は見つからず、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。行き場をなくした彼女がたどり着いたのは、街灯の下にポツリとたたずむバス停だった。誰にも弱みを見せられないままホームレスとなった三知子は、公園で古参ホームレスのバクダンと出会う。一方、三知子が働いていた焼き鳥屋の店長・寺島千晴は、コロナ禍の厳しい現実と従業員との板挟みになり、恋人であるマネージャー・大河原智のパワハラやセクハラにも悩まされていた。(映画.comより)】

 WOWOWで視聴。
 2022年に公開された作品です。

 深夜のバス停のベンチに座って寝ている女性に対して、レジ袋の中にレンガを入れた不審な男が近づいていくシーンから始まる今作、一気に引き込まれました。そのあと過去に遡ってどういう経緯でこういう場面になるのかが描かれていきます。

 ラストまで退屈することなく観れたんですが、ちょっと気になる部分がありました。
 板谷由夏演じる主人公の三知子がコロナ禍でアトリエが閉鎖して、居酒屋も経営不振による人員整理でクビになります。居酒屋の店員用のアパートに住んでいたため住居も失ってしまい最終的にホームレスになってしまいます。

 コロナ禍の影響でそれまで普通に生活していた人がホームレスになってしまう悲劇を描いてる作品ということなんですが、ただこれね、三知子には実の兄がいるんで(特に仲がいいって感じでもないんですが)、一時的にでも頼ってなんでもいいから仕事を探して、ある程度貯金ができたら自分でアパート借りてってすればホームレスになることもなかったんですよね。
 さらに住んでるアパートが居酒屋の寮みたいなとこで、しかも三知子は単なるバイトという身分なんで、いつクビになって住居を失うかもしれないのに、そこに対する備えがあまりなかったようにも感じました。
 この三知子は劇中でもプライドの高い人間として描かれていて、結局それが自身をホームレスにまで貶めたのでコロナ禍のせいでというのとはちょっとズレてる気がしました。

 終盤意外な方向に話が進むんですが、個人的にはいらない展開かと思いました。
 あと、ラストがそれなりに希望の見えるとこに着地しようとするんですが、最後の三知子のセリフで台無しになります。
 エンドロール途中に入るカットもいらんなーって思いました。

 劇中で登場人物が実際の政治家を批判するセリフがちょこちょこ出てきて、監督の政治観が結構強めに出てるんで人によっては不快感を覚えるかもしれないですね。

 キャストは板谷由夏、柄本明、柄本佑、根岸季衣、三浦貴大、筒井真理子、ルビー・モレノなどです。
 特に三浦貴大演じるパワハラ、セクハラ、人種差別などなんでもありの居酒屋にオーナーが良かったですね。