書籍 『ノワール: 硝子の太陽 (光文社文庫)』誉田哲也 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【沖縄の活動家死亡事故を機に反米軍基地デモが全国で激化する中、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べていた。その矢先、異様な覆面集団による滅多刺し事件が発生。被害者は歌舞伎町セブンにとって、かけがえのない男だった―。『硝子の太陽N ノワール』を改題し、短篇「歌舞伎町の女王―再会」を収録。「BOOKデータベース」より)】

 『ルージュ: 硝子の太陽 』と同時に2016年に刊行された作品で『ルージュ: 硝子の太陽 』のアナザーサイドのような作品になってます。
 本作はジウシリーズの東弘樹警部補や『歌舞伎町セブン』の面々が活躍します。

 『ルージュ: 硝子の太陽 』で少し出てきたフリーライター殺害事件を中心に描かれていきます。僕は『歌舞伎町セブン』という作品を読んでないんでしばらくわからなかったんですが、この殺されたフリーライターの上岡という男は『歌舞伎町セブン』のメンバーの一人なんです。
 ちなみに『歌舞伎町セブン』とは歌舞伎町を舞台に暗躍する現代版必殺仕事人のような存在です。というわけで今作は上岡殺しの犯人グループと警察と上岡の仇討ちを誓う『歌舞伎町セブン』の3つの視点で描かれていきます。

 純粋に物語としては『ルージュ: 硝子の太陽 』よりこっちの方が楽しめましたね。後半ある目的のために犯人グループがある計画を実行するんですが、やや荒唐無稽な印象もありますが、エンタメとしてはおもしろかったですね。

 今作では沖縄米軍基地問題や日米地位協定の闇が描かれています。特に日米地位協定の不合理さをあらためて感じました。