書籍 『ルージュ: 硝子の太陽 (光文社文庫)』誉田哲也 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【世田谷区祖師谷で起きた母子三人惨殺事件。被害者が地下アイドルだったこともあり、世間の大きな注目を集めていた。真っ先に特捜本部に投入された姫川班だが、遺体を徹底的に損壊した残虐な犯行を前に捜査は暗礁に乗り上げる。やがて浮上する未解決の二十八年前の一家四人殺人事件。共通する手口と米軍関係者の影。玲子と菊田は非道な犯人を追いつめられるのか!?「BOOKデータベース」より)】

 2016年に刊行された作品なんですが、本作は「姫川玲子×〈ジウ〉サーガ、衝撃のコラボレーション」ということで誉田さんの別の作品、〈ジウ〉サーガと『歌舞伎町セブン』とのコラボ企画となってます。
 本作の『ルージュ: 硝子の太陽 』は姫川玲子中心の作品で、同時に刊行された『ノワール:硝子の太陽』は東弘樹警部補中心の作品となってます。それぞれの世界観で同じ時間軸の中で進行していきます。

 物語は夫婦と2人の娘がある男に惨殺されるシーンから始まるんですが、これがかなりおぞましい殺し方でいきなり誉田節全開って感じです。
 ある程度読み進めるとこれがかなり昔の事件で未解決のままになってることがわかります。そして現在、母子3人惨殺事件が起こり犯行の手口が酷似してることがわかってきます。
 読者には犯人はある程度検討がついていて、いかにして姫川がこの犯人に辿り着くのかを楽しみながら読み進むことになります。
 犯人、姫川、ガンテツ、葉山などさまざまな人物の視点から描きながら真相に迫っていきます。
 ちなみにフリーライター殺害事件や沖縄基地問題などが並行して描かれるんですが、こちらは今作では未解決のままで、『ノワール:硝子の太陽』で詳しく描かれます。

 終盤に結構衝撃的な展開があり、ラストもシリーズファンには期待(姫川にとっては不安)が膨らむ描写で終わります。早く次作の『ノーマンズランド』を読みたいとこなんですが、まず今作の片割れである『ノワール:硝子の太陽』を読んでいきます。