漫画 『マカロニほうれん荘(少年チャンピオンコミックス) 』鴨川つばめ | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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 【主人公の沖田そうじは、都内の高校「ピーマン学園」に入学した1年生。同じクラスに究極の落ちこぼれ、落第生として学園内で知らない者はいない金藤日陽と膝方歳三がいた。「あんな人たちと同じクラスだなんて…」と落ち込みながらも、そうじは学校終了後、下宿先となるアパート「菠薐(ほうれん)荘」へと向かう。そこで管理人の娘である姫野かおりから、このアパートに住んでいる"変な2人"の存在を教えられ、「絶対に関わらないように」という注意を受ける。そして2人で部屋へと向かうと、その部屋の中に勝手に入っていたのは何とその"変な2人"だった。こうして、沖田そうじと落第生2人組による奇妙な同居及び学園生活は幕を開ける。(ウィキペディアより抜粋)】

 漫画家の山田玲司さんのYouTube『山田玲司のヤングサンデー』で「マカロニほうれん荘」が紹介されてて当時買ったコミックが3巻まで残ってたので久しぶりに読んでみました。あと続編の「マカロニ2」をネットで購入しこちらも読んでみました。

 まず簡単に今作を紹介しますと『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)において1977年から1979年まで連載されたギャグ漫画です。主人公の高校1年生の沖田そうじと落第10回生で25歳の膝方歳三(トシちゃん)、落第24回生で40歳の金藤日陽(キンドーさん)の3人が主人公です。
 「基本的には「ほうれん荘」と、その周りを取り巻く人々の日常生活を中心に描いているが、たたみかけるような不条理ギャグの中には、連載当時の歌やCM、特撮を中心としたサブカルチャーなど、当時の世相を反映したネタも数多くあり、シンデレラなどをモチーフにしたミュージカル的な話や刑事ドラマ仕立ての話、更には第二次世界大戦中の世界を舞台にした1話読み切りの話など、ストーリーがバラエティーに富んでいる。(ウィキペディアより)」

 70年代のギャグ漫画を語るとき外せない人気漫画で連載終了後40年以上経った今でも重版が重ねられてます。ですので今でも定価で新品が購入できます。
 久しぶりに読んでみて感じたのは絵柄は今みてもさほど古臭さはないですね。1ページに大体8コマあってパッとみた時の絵の濃密度がすごいですね。
 徹頭徹尾破壊的なスラプスティックギャグの連続で、ストーリーはあってないようなものです。今回初めて知ったんですが「マカロニほうれん荘」連載開始時は鴨川さんはまだ20歳だったんですね。20歳でこの画力はすごいですね。

 「マカロニ2」では線が少し細くなりさらに洗練された絵柄になってます。ただコマ割りが少し大きくなったのと一コマにトシちゃんやキンドーさんが何人もひしめいてるというような演出があまりなく絵の密度は薄くなった印象です。全1巻ですが最後の数話はそうじも出てこず、かなりシュールになってます。

 鴨川さんはアシスタントを使わず背景もすべて自分で描かれてたようで、連日徹夜徹夜で「マカロニほうれん荘」連載時は肉体的にも精神的にもかな疲弊されてたようです。「マカロニほうれん荘」以降は短期間の連載が数本と後は読み切り作品をポツポツ発表する程度で活動はかなり縮小されてますね。これだけ伝説的な人気作品を生んだ漫画家にしては金銭的にもあまり恵まれず、不遇な漫画家って印象があります。もっと鴨川さんの作品を読みたかったですね。