農業全書 018 時節2 | noninomのブログ

noninomのブログ

村をつくりたい
DIY、農と食、田舎暮らし、金融、世界情勢、歴史と自分の過去の経験など書いていきます。
農や一次産業に関する学び、栽培記録やデータ、勉強会などの活動も載せて行きます。

農業全書 018

 

間違い等あればコメントで教えてください🙇

写真は「井仁の棚田」です

ーーーーー

 

「農業全書巻の一

農事總(総)論 

 時節を考ふ 第四

 

P63

 
 
又萬の物其分々々の氣を得て發生する故、それぞれの物の生ずる時分をよくはかりて、已に(スデ二)生ぜんとする時うへ、已にさかへんとする時糞し培ひ、段々次第時によつて手入を用ゆれば、天地の生理によくかなふゆへ、豐年には云ふに及ばず、少々凶年にても萬の難くせすくなく、災をのがれて秋のみのりも空しきことはなきものなり。
然る故にいにしへ代々の聖王賢君、民に時を授け時節をしらしめ、農事の時に違はざるやうを専ら示し給へりと古き文にもみえたり。
又曰く、十二ヶ月共にをのをの種へざるの月なし。
をのをの其物の條下にしるす。
一日の内といへども蒔く物は午の前宜し。
蒔きたる土の其日かはくをよしとす。
晝(昼)より前は陽氣もさかんなればなり。
又菜などの苗を仕立てをき、時至りて移しうゆる物は午の後よし。
其ゆへは、うへて後日かげ和らぎて痛まず、頓て又夜氣を得て夜の間にも生ひ付くものなり。
取分け雨氣曇りたる日猶よし。
蒔く物は晴日よし。
又物によりて月半より前月の初めに種ゆる物多し。
寔に陰陽のみちかけ、一日一時の違にて目にはさやかにみえねども、皆以て盛衰あること莫大なれば、種へ蒔く物は片時
も早く由斷(断)せず、又刈収むる物は少し遅くよく實るを待ち得て刈りとるべし。
但物によりて大風霖雨の見合せ是又肝要なり。
又農人はつねに暦をみて土用八専(※)其外節氣のかはりを考へ、風雨等の變あらんことを心にかくべし。
必ず氣のかはりには、晴天も見る中にかはる物なれば、朝夕つとめの品手くばりを闇の中にてよくおもんばかり、彼の節がはりの妨をものがるゝ覺(覚)悟兼ねてすべし。
抑事を前に定むる工夫は、農事には限らねども、農人は取分け心を用ゆべし。
天氣の考へを疎かにしぬれば、一時の風雨により數月の苦労を忽に(イルカセニ)空しくすること間(ママ)多し。
かならず由断すべからず。
物ごと進むは陽なり。
後るゝは陰なり。
農業も軍事にかはることなし。
すゝまざれば勝利少なし。
日月の天にめぐりて瞬する間も、滯りたゆみなき理りを目當として寸陰も怠るべからず。
殊に耕作種藝の事は、直に天道の福を専らいのる事なれば、怠懶(オコタリモノウク※)して朝も日にをくれて起き、大切至極なる光陰をわきまへず、今日の日の又なき理りをばうちわすれて、偏に怠りがちに不浄なる氣立にて農業をいとなめば、其心違へるを以て天道のめぐみにもれ、いつとなく田畠も瘠せあれ、年をへ月をかさね災いやまし、飢寒のうへにせまり、後々は父子夫婦もはなればなれになり、終に人づかはれの身とおちぶれ、貧苦のかなしみやむ時なし。
然れば心あらん農民は、必ず後のうれへを思ひてあらかじめふせぐべし。
天の時にしたがひ一寸の光陰をも大切におしみて、農業に身を投ち、心を用ひること慎んでおこたる事なかれ。
 
⚪︎意訳⚪︎
 
万物はそれぞれ異なる氣を得て生じるためそれぞれの物に合うタイミングをよく考えて、自然に芽がでる時に植え、自然と栄える時に肥やし培い、その時々にあった手入れを行えば、天地の法則に調和し豊作の年はもちろん、少々凶作でも災難を避けて秋の収穫も豊かになる
そうした事から昔の聖賢な王たちは人々に時間や季節を教え広め、農業においても適切な時節を守る事を伝えたと古い文献に記されてあった
また十二ヶ月それぞれに種を蒔かない月はない。
(1年のうち何もすることがない時はないの意?)
それぞれの詳細を以下に記す。
一日の内で種まきは午前が良い。
種まきする日は土壌が乾いているのが良い。
午前は陽の氣も盛んだからだ。
また野菜の苗を仕立てて、移植する時は午後が良い。
その理由は植えた後、日が陰って和らぎ苗が痛まず、夜になるとその氣を得ることで生育するものだ。
取分け雨曇の日がより良い。
種まきは晴の日が良い。
また物によるが月の前半に種まきするものが多い。
これらは陰陽の満ち欠け、一日一時の違いははっきりとは目に見えないが盛衰があるの莫大で、種まきする時はひと時も油断せず最も良い日時に、収穫は少し遅くよく実のを待って刈り取るべし。
ただ物によっては大風、雨霜の具合は重要だ。
また農人は常に暦を見て土用八専(※ハッセン)その他節氣の変わり目を考え、風雨等の災害に遭わないよう注意するべし。
必ず氣の変わり目には、晴天も見ている間に変わる物なれば、朝夕の作業の手法や質を困難な状況でも思い巡らせ準備し、季節の変わり目などの障害に覚悟を持って備えなさい。
抑えるべき事柄に対して前もって計画や工夫を行うことが重要なのは農業に限らないが特に農人は心得るべし
気象の変化を軽視していると、一時の風雨で数ヶ月の苦労を無駄にしてしまう事も多い。
由断は禁物だ。
何事も先手は陽(+)。
後手は陰(−)。
農業も軍事と一緒だ。
前進しなければ勝利は少ない。
月日が天を巡る日々の瞬間も滞りなく、たゆみなく理念を目標に行動し続けること。
農業や栽培は、直接天もたらされる幸福や恵みを受ける道。
怠けて朝日に遅れて起き貴重な時間を無駄にし、今日という日が二度と来ない事を理解せず、特に怠慢で不浄な精神により農業を軽んじ心の在り方が正しくないようでは
天の恵みを得られず、畑や田んぼも痩せて不毛となる
歳月を経て災難が重なり、飢えや寒さが迫り、最終的には家族も離れ離れになる。
最終的には他人の助けを借りざるを得ず、貧困による悲しみが続く
心ある農民は、必ず将来の悩みや問題に対して事前に考え、対策を講じておくべきだ。
 
 
天の時節にしたがって、
わずかな時間でも大切にし「農」と真剣に向き合い
心を用い
慎重に行動する事を
怠るでない!!!

 

⚪︎感想⚪︎

 

 

いやいや、「感想」ってもうこれは

「ははー!!!🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️」

しかないでしょう凝視

 

⇧じゃあ感想書くなよっ

 

※について⬇️

 

 

 

 

続き 019⬇️

 

農業全書 記事一覧⬇️