NG指令は難しい・アキラさんと息子⑤ | 野波ツナブログ

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どうぞよろしくお願いします。

NG指令は難しい・アキラさんと息子④ の続きです。

 

これでひとまず一段落かも…?

 

 

 

息子は今大学生ですが

同時に、ちょっと夢を追っています。

 

夢のままで終わるかもしれないけど、結果よりも

“自分がどこまでやれるか”が今の息子にとっては重要みたいです。

 

私ツナはその気持ちが少しわかります。

私自身、大学生の時はマンガ家になりたいという夢を持っていたからです。

 

「なにバカなこと言ってるの?」とか、

「マンガ家なんてなれるわけないじゃない」とか、

そういう声を聞きながら

『でも私はやれるだけやってみたい』と思っていました。

 

たとえダメでも、

やらないままあきらめるのと

やってみて自分の力量を知ってあきらめるのは全然違う。

 

だから、息子が夢活動を始めた時は

口を挟まずにいよう、なんなら応援しよう、と思いました。

(本当にやりたい事なら親が止めてもやるから関係ないのですが

 私自身が当時、親から夢を否定されたことが少し寂しかったので)

 

アキラさんも息子を応援する気持ちを表明しました。

 

よしよし、これで丸くおさまった。

 

・・・とはいかないのが我が家ですあせる

 

 

*************

 

アキラさんは、応援の気持ちが強すぎたのか、

SNSで息子の事を自慢しました。

名前や写真を出して、見る人が見ればわかってしまう形で。

 

息子はすごく嫌がりました。

 

私も、なんだか嫌な気持ちになりました。

 

そこに

息子を思う気持ちよりも

アキラさんの自己顕示欲が見えたからです。

 

「SNSに息子のことを書くのはやめて」

と言うと、少しの間はやめるのですが、

しばらくするとまた書いていました。

mixi時代とまったく同じ汗汗汗

 

(実際のところは、危惧するような問題が起こる可能性はすごく低いでしょう。

 それでも「書かれるのは嫌だ」という人がいるからには

 書いてはいけないと思います)

 

 

それと同時に、前回も書いた

・息子の友達に上から目線のアドバイス&ダメ出し

・息子の友達に勝手に接触

という予想できなかった行動も出てきて

息子は本気で困って、悩み始めました。

 

なんでこんなことをする??

なんで言ってもやめてくれない???

意味が分からない!!

 

息子の悩みの本質は、要約すると

父親が自分の世界に勝手に入り込んでくる” ということです。

 

 

アキラさんの行動は

ブロ友のみみりんさんが かつてコメント欄で言ってくださった

“人生の乗っ取り” というのが的を射てると思います。

 

息子に対して以前から強くあった

自分と他者の境界があいまい(自他の同一視)という特性が

ここに来て全開になったという感じ。

 

無自覚で、悪気はなくて

息子と自分を同一視して、

こうありたかった青春を追体験していたのでしょう。

 

でも、息子の青春や夢や人生は息子だけのものであって、

父親のためにあるわけじゃない。

 

息子のいら立ちや嫌悪感は

“人生の乗っ取り”に対する危機感だったと思います。

 

 

息子はずっと

「応援してくれてるのはありがたいから、きつい事は言えない」

と我慢していたのですが

昨年の秋、ついにはっきりとアキラさんに

強い拒絶のメールを送りました。

 

その後、アキラさんからの返信は無く

息子に積極的に関わらなくなりました。

 

 

***********

 

息子が希望する「親の応援」

・放っといてくれる

・見守ってくれる

・困った時に求めたら助けてほしい(精神面、金銭面?)

 

 

ツナが考える「親の応援」

・否定しない

・良いところをほめる

・悩みや愚痴を言われたら聞く

・必要な時は金銭的援助

 

 

アキラさんが考える「親の応援」

・頑張ってる様子を見に行く

・積極的に金銭的援助

・アドバイスする

・ダメなところを指摘する

 

 

・・・と、“応援”と一言で言っても捉え方はそれぞれ。

 

ただ、アキラさんの場合

「応援」という行為は全部が一セットになってしまってて

一部を外して一部を実行するということができないみたい。

(アキラさん自身もそんなことを言ってた)

 

これはゼロイチ思考という特性から来るものなんでしょうね。

 

結局は、全部をやめる選択をしたようです。

 

 

***********

 

さて、私ツナは

息子が強い拒絶を示したことで

アキラさんがどう感じたかがとても気になっていました。

 

傷ついたか・・・

スネてしまったか・・・

それとも怒ったか・・・

 

 

答えは、

 

どれでもありませんでした。

 

 

今年はZOOMで親族とのご挨拶をしたのですが

アキラさんは実家でいつもと変わらず酒飲んで楽しそうでした。

 

その夜には子供たちにお年玉を届けに来てくれました。

 

息子が長いこと気を使ったり、

私が気を揉んでたのがバカみたいに思えるような感じで、

あらためて 

アキラさんってすげえな! 

と思いました。(いろんな意味で)

 

アキラさんは前から

「言いたいことがあったら気にせず言ってくれていいんですよ。

 そのときムカついたとしてもどうせすぐ忘れちゃうから」

と言ってたんだけど。

 

ゼロイチ思考だからなのかもしれない。

 

 

「ASDの人に(感情的ではなく論理的なら)きついことを言ってもかまわない」

これは みみりんさん から、やはりコメント欄で言われたことだ。

ホントだった。

 

アキラさんのゼロイチ思考には困らされる事も多々あるんだけど、

だからこそ後を引かずにすむっていう

良い効果もあるのかもしれないなあ。

 

 

 

(みみりんさん、コメントの引用を許可してくださってありがとうございます!)