1 43号
こんにちは。
今年は香港が返還されて25周年です。
7/1には記念式典が行われたそうです。
今回は古いアルバムから(いつも古いけど)
懐かしの香港トラム(市街電車)に
ご案内いたします。
行ったのは1989年の旧正月の直前、
まだイギリス領だったころです。
イギリス流なので道路交通は左側通行、
もちろん鉄道も左側通行です。
では、ご乗車いただく前に
簡単に基礎知識を…
電車は全車両2階建て2軸単車です。
走る向き(電車の前後)は決まっていて、
本線は複線、路線の終端部はループ線で
ぐるっと回って戻ってきます。
後ろ乗り・前降りのワンマン運転で、
乗降は基本 進行方向左側の扉です。
(一応右側にも乗降口はありますし、
後ろにも運転台はあるようですが…)
電車はこの時点では概ね2種類。
便宜上、従来からの未更新の旧型と
車体更新済の車は新型と呼んでおきます。
では続きは写真を見ながら。
《車両の説明》
2 141号 新型 歩道側
3 143号 新型 道路中央側
道路中央側の窓がない部分(前後2ヶ所)
には2階への昇降階段があります。
前方の頭の上にはナンバーがついた箱。
4 3号 新型(後ろ姿)・112号 旧型
後部も見た目は前方と同じ顔をしてい
て後部にも前照灯がついていますが
通常はこちら向きには走りません。
ポールの紐はついていませんね。
もし終点でポール回しをするとしたら
トロリ線が高いのではめるのがとても
難しそうですね。
大きい窓は下降式、桟の上の細い窓は
内側に倒れます。
5 25号 新型、次位は149号 旧型
一見 前後対象のようですが良く見ると
後ろのほうがちょっとだけ長い。
後部扉の後ろに小さい窓が一つあります。
背後の建設中のビルの足場は竹ざおです!
6 37号 旧型 歩道側
7 132号 旧型 道路中央側
8 112号 旧型 サイドビュー
車内や窓の配置は新型とほぼ同じですが
階段の位置は点対称で側面のどちら側も
向かって右側になります。
(前扉は道路中央側、後ろは歩道側)
2階の幕板部分はガラス窓でなく板張り
ですが内側に倒れるのは新型と同じです。
台車も新型と同じように見えますが、
旧型のほうが露出が多いです。
路線は香港島北側に沿って東西に延びる
本線(堅尼地域-中環-銅鑼湾-筲箕湾)
と競馬場を周回する車両基地への引込線。
引込線といっても客扱いをしていて、
銅鑼湾(トンローワン)側から入って
時計回りに競馬場を1周する単線でした。
では、路線の要となる銅鑼湾から
見ていきましょう。
《銅鑼湾付近》
9 72号、9号 (銅鑼湾電停)
真下には地下鉄の銅鑼湾駅があります。
競馬場方面への分岐が見えます。
3両ほど団子になっていますが、運行は
2~3分間隔くらい、ところどころで
間隔の調整があったように思います。
10 9号の後姿と153号
前の写真と同じ場所で振り返ったところ。
153号は北角行きなので直進します。
跑馬地(競馬場)行きは分岐方向です。
11 117号(跑馬地行き)
12 154号 旧型の後ろ姿
交差点の分岐側を見ると、銅鑼湾電停
から分岐した線路と合流します。
営業系統としては堅尼地域~跑馬地で、
電停側から分岐する電車は少なかった
のではないかと思います。
13 銅鑼湾付近の位置関係
競馬場の周回線(ループ)は単線で
時計まわりの一方通行でした。
本線から分岐してすぐ さらに車庫への
分岐がありました。
14,15 43号
車庫分岐の手前で客扱中の電車です。
銅鑼湾電停の直前で分岐してしまうため
電停はありませんが銅鑼湾の利用者は
ここで乗降します。
16 43号(拡大)
広告(中華製薬、菊花牌)は左書き
ですが、行先表示は右書きです。
すでに堅尼地域(ケネディタウン)行き
になっていて「域地尼堅」と表示されて
いるのが見えます。
余談ですが上空の看板は左右それぞれの
建物から突き出していて、道路を横断
してはいません。看板がついていない
棒もたくさんありますが…
じつは物干し竿なのです。(!)
画面左上にズボンとシャツが見えます。
道路上空に洗濯物を干すのってすごい!
17 客扱い中の49号
道の真ん中で停まっています。
繁華街(波斯富街)なので人通りも多く
ちょっと怖いですね。
電停はありませんが、一応 乗降位置の
目安の白線が道路に引いてあります。
この電車の色使いとラッパのマーク
見覚えがありますね。(救急箱の中?)
では線路沿いに車庫を見に行きます。
《車両基地》
18 閑散とした電車庫
車両基地の脇には道路があってまる見え
だったのですが、残念ながらほとんど
出払っていて…
19,20 116号(奥は90号)
私用(PRIVATE)の表示が気になります。
個人の所有物(専用車?)ならすごい!
(多分トラム公司の私用でしょうね?)
21 131号
車庫の端でリストア中でした。
骨組みだけが鉄骨で中身は木造、表面に
鉄板を張った、いわゆるニセスチール車。
柱の塗装の名残りからマスターカード色
(写真42と同じ)だったみたいです。
これから鉄板をベタ張りして、アコモを
作り直して生まれ変わるのでしょう。
よく見ると新型車の窓配置と柱の位置も
ちゃんと合致していますから。
22,23 135号の車内
けっこう急な階段を上がった2階です。
柱と手すり以外は木造です。
1月末なのに窓が開いていても寒くない。
暖房もないし、窓を閉めるのは雨降りの
ときだけなのかもしれません。
旧型車の座席は公園のベンチみたいで
味があって良かった。
(新型車は普通の座席)
運賃は60セント(約10円)と安くて
うれしくて何度も乗りまくりましたが…
おつりをくれないので小銭が必要で、
飲食や買い物のおつりの小銭は回収して
チップは紙幣で渡す、という変なことに
なってしまいました。
24 競馬場ごしの高層住宅
先ほどの路上から乗ってひと回りした
ところで10両くらい団子になりました。
2・30分は動きそうもないので 運転士に
前の電車に移動してもよいか聞いたら
(もちろん身振り手振りで)OKで、
ここまでの運賃も取られませんでした。
まあ、言ってみるものです。
因みにタクシーでは全く通じず、
(英語で言ってみてもダメで)メモ帳に
漢字で書いたらあっさり通じました。
漢字は共通語で便利です。
(中国語の発音は超難しい)
25,26 両替票と紙幣
10万円両替して6077香港ドル。
1HK$ が約16.5円だったみたいです。
今から33年前のこと。
今は円安が進んでいて1HK$ 17円くらい
だそうで33年たっても同じ位というのも
ちょっとおもしろいかも。
紙幣は各銀行ごとに発行していて
漢字の表記は拾圓(10円)です!
(ネットで調べたら今は拾元でした)
デザインが違うと自販機は困るだろうな。
あまりうだうだと書いていても
知ったかぶりになってしまいそうなので
ここからは写真を主にご覧ください。
27 28号
28 65号
車窓を楽しむベストポジションは…
「1階最後尾の階段の横」でした。
2階は建物や看板や車の屋根ばかりで
1階のほうが人々の顔や店先が見えて
おもしろかったな。
階段の後ろは人も通らないし。
28号は2階の一部がオープンになって
いて、レトロな特別車のようですが
行先表示には「PRIVATE HIRE」(貸切)
と書いてあるので一般人は乗れません。
29 14号
中国銀行前
30 139号
右は中国銀行タワー(建設中)
31 114号
奥はボンドセンター(当時)
32 50号
33 80号
柱がいっぱいの建物は裁判所
右の公園の向こう側に泊まったホテル
(フラマホテル)がありました。
34 147号
35 82号
部屋からの展望です。
中国銀行の前のカーブを行くトラム、
入口の上に大きな正月飾り。
右手前は裁判所です。
36 山の上にピークトラムの山頂駅
ヒルトンホテルの上の金色の円盤は
正月飾りの金貨です。
位置を思い出すためにグルグルマップ
で調べてみたらヒルトンもフラマも
つぶされて無くなっていました。
そういえば車庫と競馬場の周回線も
無くなっていて、車庫はずっと西の方の
海側に移転していました。
37,38 ピークトラム
ヒルトンホテルの裏側から山頂駅までの
ケーブルカーです。
片道6HK$(約100円)往復10HK$(当時)
往復切符の半券と自販機の切符です。
39 山頂駅からの展望
かの有名な100万ドル(1650万円?)の
夜景です。
40 73号
41 154号
42 163号
43 スターフェリー
2階が70セント、1階は50セントでした。
後ろ 右から2番目の建物がフラマホテル
海側の部屋なら夜景がきれいだろうに…
3泊4日で1人7万円の格安ツアー
だったから仕方ないかな。
半島と島を結ぶ交通機関で便利なのは
地下鉄でした。
旅行者向けの2週間乗り放題キップは
15HK$(約250円)でお得です。
ホテルの真下から乗って、半島側の
目的地(旺角など)まで直行できます。
《九龍半島の街なみ》
44,45,46 街なみ
旺角(モンコク)駅で降りた、その辺で
すが今となってはさっぱり判りません。
47,48 屋台街
通りに面して屋台が立ち並びますが…
上はアパートでベランダの外側に1部屋
増築してあったり、屋台のテントの上に
オーバーハングしてるとか、ものすごい
ことになっていました。
49 バードストリートの小鳥屋さん
50 女人街の花嫁衣裳店
下着専門店とかも軒を連ねていて 通り
全体がピンク色でちょっとうれしい町。
51 赤いお店
《バスのこと》
香港にはバスの路線がたくさん有り
慣れると便利なのだと思いますが…
旅行者にはちょっと難しいです。
(電車は線路以外走らないけど、
バスはどこに行っちゃうか判らない)
52 バスがたまっていた通り
バスターミナルなのかよく判らない。
53 道路中央の人々
バスを待ってるわけではありません。
横断の途中で車が途切れるのを待って
いるところです。
(香港には横断歩道は無い)
どこでも横断して良い替りに車が優先で
歩行者がよけなくてはなりません。
人が多すぎて歩行者を優先すると車が
走らなくなってしまうからだそうです。
ここも洗濯物がいっぱい。写真左上空の
コ型の棒も物干し竿です。
54 半島カラーのバス
以前は半島のバスはクリーム色に赤、
島のバスは、上半分はクリーム色・
下半分水色と色分けがありました。
海底トンネルで往き来するようになり
区別できなくなったようですが…
後続車は島カラーの水色ですね。
55,56,57,58 タバコ広告のバス
進行方向右側、1階の窓がない部分に
2階への昇降階段があります。
前乗り・後ろ降りで、乗車時に料金を
払います。
後輪2軸、降車ドア(車体中央のドア)
が2つの車が最大級。
59 旧型のバス
エンジンルームが飛出た型になっている。
2階はその上にせり出しています。
みかん箱を積重ねたかわいい模様です。
60 76号
後ろが島カラーの旧型バスです。
61,62 半島側から見た香港島
近代的なビル群と古そうな型の船の
コントラストがおもしろいです。
63 マカオ行きのジェットフォイル
中一日はマカオまで足を伸ばしました。
格安ツアーなので自分で手配しなけれ
ばなりませんでしたが、それはそれで
楽しかったな。
64,65 マカオ
マカオは当時はポルトガル領でした。
鉄道もないし交通マニア的には話題が
ないので割愛しますが…
往復のフェリーについてだけ少し。
66 チケット
行きはジェットフォイル(水中翼船)で
航空機メーカーのエンジンを積み、
ジェットを水中に噴射して推進します。
マカオまで64kmを50分で到達します。
40ノット以上(80km/h)出てたみたい。
帰りは席がとれずカタマラン(双胴船)
でジェット推進は同様ですが所要時間
は1時間20分ほどかかりました。
(料金はちゃんと時間相応になってる)
乗り心地はダンチで水中翼船は船体が
波の上を飛ぶので全然揺れません。
カタマランは構造上ピッチング(上下動)
がひどくて気持ち悪かったです。
67 78号
68 63号
マカオから戻ると夜だったので街中で
遊ぶわけですが…
69 ランドマークの内部
天井から下がるのは正月飾り(爆竹)。
当時 香港では携帯電話を持つことが
トレンドで、レストランのテーブルや
お店のカウンターに どんっ! と
置いているのをよく見かけました。
ちょうど1ℓの牛乳パック位の大きさ。
当然ポケットには入らないので手に
持って歩くのがステータスになってた。
日本ではまだショルダー型(牛乳パック
3本分くらい!)だった時代です。
(朝 事務所で受取って一日 現場を
持って歩くと肩が痛くなったっけ…)
70,71,72 アニメ
先日 よふかしのアニメに登場してたの
でなつかしかった。日本では発売後すぐ
ピッチに替わったと言ってました。
これでお話はだいたいおしまい。
あとは写真だけ連続でご覧ください。
73 1号
74 27号
75 118号
76 92号
77 87号
78 82号
79 49号
80 25号
81 156号
82 75号
83 26号
あーっ 遠心力でバスが傾いてる!
84 83号
85 111号
86 18号
87 102号
88 161号・2号
89 58号
90 108号
91 8号
92 78号
次位に顔を出している120号は唯一
現存する旧型(保存車)です。
《模型のこと》
香港に行ってから5・6年後、
ちょうど中国に返還されたころですが、
秋葉原の模型店で見つけて買いました。
93 パッケージの状態
スケールモデルというよりはミニカー
の分類になるかと思います。
どちらも細い針金で台座に縛りつけて
あって、外すと元に戻せなくなるので
そのまま撮影しました。
94,95,96 香港トラム
見た瞬間 HOサイズに近いと直感し、
数両買おうか悩みましたが…
(塗り替えて走らそうかな!)
走らせるシチュエーション(専用の
レイアウト)を用意できそうもない
ので危うく踏みとどまりました。
手前のパワトラは31mm トラムの軸距
は32mmなので車軸端を切り落とせば
なんとか合わせられそうです。
でも本線上を走らせるのはおかしいし
駅の跨線橋にぶつかります。
乗員乗客合せて25人乗っています!
97,98,99 バス
私にはバスが見慣れていないので
こちらのほうが精密に見えます。
(値段は同じくらいだったと思う)
1991/4000とシリアルナンバーが
入っていました。
100,101,102 街なかに置いてみると
なかなか良い感じに撮れました。
どちらも元のパッケージに戻して
棚に飾ってあります。(進展なし)
以上、長々と香港の思い出でした。
本日もご乗車ありがとうございました。
本当は香港の人に見ていただけたら
懐かしく思ってもらえるはずですが…
今の香港では統制がかかっていて
日本のSNSなど見れないでしょうね。
残念です。。。
103 白バイ隊