さよならDD51(5) | きゅうの鉄道写真館

きゅうの鉄道写真館

きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。



こんにちは。
緊急事態宣言は更に2週間延長、
この先どうなっちゃうんだろ?
(無限ループにはまったようです)


実物のDD51もいよいよ今週で引退。
ブログの方は播但線にご案内します。
じつは、わざわざDD51(及びDE10)を
撮りに行った、というのは
播但線が最初で最後です。
全国的に客車列車が減りつつある頃
播但線もそろそろ危ういかなー
と思って出かけたしだい。
最初は1991.5.1新緑の候、
2度めは 冬枯れの1992.3.2です。





DD51 1127



DD51 1125


DD51 1128


DD51 1124
(ここまで6枚 甘地-福崎)
小さな田んぼの中を、
いい具合にカーブしています。




DD51 1127


ため池の間を抜ける





DD51 1127
(ここまで6枚 福崎-溝口)
この区間には小さな峠があり
S字カーブで越えています。
長編成の列車が身をくねらせて
走る様子は見ものでした。



DD51 1131


DD51 1125


DD51 1125


DD51 1125


DD51 1129


DD51 1179


DD51 1128


DD51 1179
(ここまで8枚 甘地-鶴居)
この区間は田んぼの中を一直線、
どう撮っても(どっち向きでも)
同じような写真になります。
多少 山の形や建物が変わりますが…



ダイヤグラム


ご覧のとおり福崎までは列車密度が
高く、寺前までで本数が減ります。
ここまでは通勤通学客が多いので
休日運休の設定がけっこうあり、
平日の朝・夕がねらい目でした。


現在は寺前が電化・非電化の境界で
特急はまかぜ以外は乗換が必要です。
沿線の風景も寺前が境目で、
町中・田園地帯から山間(やまあい)
に大きく変化します。




DD51 1125(寺前)
寺前駅の構内を踏切が横切っていて
停車中の列車を間近に見られます。
暖房の湯気がもれています。


当時播但線では12系と50系の
2種類の客車が走っていました。
12系は自前の発電装置をもち、
冷暖房の電源を賄っていましたが
50系は機関車から供給を受ける
蒸気暖房でした。


ここで 今はなき蒸気暖房の様子を
見てみましょう。


平面図・断面図


参考書
誠文堂新光社のガイドブックです。
国鉄時代の車両ファンには
バイブル的な存在でした。
研究のために図面をお借りしました。


誠文堂新光社とは…
中年以上の趣味人にはおなじみですね。
少年時代に、子供の科学、天文ガイド、
模型とラジオなど図書館で毎月楽しみに
していた子供は多かったと思います。
科学教材社も系列でしたが、たしか
どちらも倒産したと思います。
(買い取られて名前は残っています)


余談ですが、職場のモデルクラブで
神田の科学教材社からカワイモデルへ
ハシゴしたことがあり、あまりにも
ごちゃごちゃで散らかった店内に
びっくりした記憶があります。


DD51の運転室にはボイラー室があり
全自動のSG(SG4B-S)が納まっています。
SG(Steam Generator)、直訳すれば
蒸気発生装置ですが、機関車の燃料を
使う瞬間湯沸かし器で作った蒸気を
客車に送り、SL時代の暖房システム
をそのまま利用した仕組みです。



1125号機 1エンド
白矢印のところが暖房管接続口です。
少し蒸気が漏れています。


1125号機 2エンド
白矢印が暖房管ホース。
播但線では和田山側にホースを付ける
というルールがあったようで、
DE10や客車も同様でした。


オハフ50・DE10 1149
寺前駅の和田山寄りです。
いずれも連結器の一番下が
暖房管のホースです。


ところでDD51もDE10も
本来の暖房管ホース掛けが
デッキの手すりに付いていますが…



DD51 1036 (宮原)
ホース掛けを利用している例
元のホース掛けは使うたびにデッキに
上らなければならず、頻繁に連結解放
するには不便なため、連結器の下に
納められるよう改造したそうです。


運転室内の様子は…



1エンド側から
向かって左側にボイラー室があるため
機関士の後ろは客車が透けて見えます。


2エンド側から
機関士の背後はボイラー室の壁です。


公式側(通路側)
窓が透けて見えます。
運転台は前方向きのレイアウトです。


ボイラー室(SG)側
窓をつぶしてしまった例もあります。


DD51 897 (佐倉)
貨物用の800番台ですがSGが無い
ので窓の向うが透けて見えます。


運転室の話がでたついでに
DE10の運転室も見てみましょう。


DE10 1152
DD51は本線用なので運転台は正面を
向いていますが、DE10は入換えの使用
を考慮して線路に平行に、すなわち
運転台は車体中央を向いています。
そのため機関士は上半身をひねって
前方を注視する形になります。




運転席に座ってみた
片手運転ならラクかもしれませんが…
長時間の連続勤務は疲れたでしょうね。

ちなみにDE10のSGは

短いほうのボンネットの中です。


ふたたび播但線に戻りまして
寺前の先に足をのばしましょう。
本数が少なく 撮るのは大変でした。



DD51 1179 (寺前-長谷)
両側から山がせまり
線路は川に沿って続きます。





長谷-生野
SL時代には有名な撮影地でした。
トンネルと勾配の連続で、蒸機の
乗務は大変だったことと思います。



生野-新井
天空の城として有名になった竹田城は
あと2駅先です。
日中、和田山まで行く客車列車は
1往復しかなく、これでおしまい。
まあ、手ごわい撮影行ではありました。


さてと、姫路に戻りましょうか。



DD51 1131 (姫路)
高架になる前の様子です。
今は高架化で雰囲気が一変しました。


客車列車は終着駅(始発駅)での
機関車の付替えがやっかいです。
ファンにとってはそれを見るのも
旅の楽しみでしたが…




本日もご乗車ありがとうございました。