播但線(電化前)その4 | きゅうの鉄道写真館

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きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。



こんばんは。


12月に入って、

めっきり冷え込むようになりました。

寒い季節になると思い出す

懐かしいシーンがあります。


かつて非電化のローカル線の

客車列車は蒸気暖房が主流でした。

機関車で発生させた蒸気を

配管で送り暖房するもの。

(更に遡れば蒸気機関車が熱源)


停車中の機関車や

列車の最後尾では、

忍者のように

もれた蒸気に包まれていました。

本日はそんな列車に乗って

播但線の旅を続けます。


姫路から乗った列車は

終点の寺前に到着しました。

1992年2月のこと。






蒸気暖房はとてもよくきき、

ジャンパーを脱がないと

蒸し上げられて気持ち悪くなるほど。


15分後、急行の但馬1号が

追い抜いていきます。


本線があくと

機関車を外し、機回しを行います。





スチームアップするDD51です。

(すみません、別の列車です)




寺前で発車を待つ上り列車たち。

蒸気暖房は止めると冷えて

管の中で水になってしまうので

折り返しを待つ間もずーっと

暖房を続けなければなりません。


DD51は運転室に蒸気発生機=SG

(スチーム・ジェネレーター)を搭載。

石油ストーブにやかんを載せて

湯を沸かしているようなものでした。


寺前を出発すると

ずっと右側に寄り添ってきた市川を

初めて渡ります。




寺前~長谷


両側の山も狭まってきて

谷も深くなり山岳路線の様相を
見せはじめました。




寺前~長谷


川の流れも曲折して、

内側の河岸段丘の上に

狭い耕地や線路が同居し、
集落が現れると駅があります。


この辺の景色は

ちょっと高山本線に似てますね。





長谷~生野


市川の流れに寄り添いながらも

いよいよ追い詰められると鉄橋で

対岸に渡ったり、山裾に突き当たると

トンネルに突入したりを繰り返し

だんだん山深くなってきました。


現在のディーゼル車では軽いものですが

蒸気機関車の時代は

大変だったことでしょうね。

生野越え、と言ったみたいです。

(その頃に来たかったなぁ)




長谷発電所付近


長谷から2㎞ほど進んだところ、

180度近いカーブの頂点に鉄橋があり、

その先に長谷発電所があります。


このカーブは大きく視界が開け

雄大な景色が広がります。




あーっ!

7両編成で来ました~

5両のつもりだったので

画面に納まりきりません。。。

こんなときズームレンズだったら

調節できたんですけどねぇ・・・

後ろの集落の瓦屋根が

しっとりと良い雰囲気です。




集落の側から撮るとこんな感じです。

2・3両がベストです。


ところで、線路際をうろうろしていたら

地元? の鉄ちゃんが声をかけてきました。

俯瞰(ふかん=見下ろして撮れる)できる

ポジションがあるとのこと。

ご好意にあまえてついていきました。







まずは2両編成で試し撮り。

(白状すると後追いです)


次はお目当ての下り普通列車です。

DD51牽引のレッドトレインが

ゆっくり進んできます。






すばらしい眺めでした。


ところで、この場所、

3~4人で三脚を立てられるだけの

すき間が山の斜面にありましたが…

列車を待つ間に聞いてみると
チェーンソウ持ち上げるの大変だったー

とのこと。(!?)

あらま!

たしかに、3・40㎝くらいの太さの木が

1本ころがっているではないか・・・


逮捕されては大変なので

礼を言って早々に退散しましたが

下におりていくらさがしてみても

2人の入る場所はまったく見えません。

「撮り鉄、恐るべし」を実感した日です。




長谷~生野


生野まではもう少しです。

寺前の先は列車本数が半減するので

撮影ポイントを探す時間はありますが

コマ数をかせげません。


それでも定期列車を

普通に撮影して楽しめたのは

良い時代だったんだなあ。


最近の車両はステンレス製が多くなって

イマイチ興味が湧かないのは

自分が歳とったということ??

うーむ、これは悲しい感じ方だな!?



本日もご乗車ありがとうございました。