加悦SL広場 | きゅうの鉄道写真館

きゅうの鉄道写真館

きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。



こんにちは。


かつて京都に加悦(かや)鉄道という

ローカル私鉄がありました。

 

本日は加悦鉄道廃止後にも残っていた

加悦SL広場にご案内します。


天橋立の近く、国鉄宮津線の丹後山田と

加悦を結ぶ5.7㎞の地方鉄道ですが、

加悦の先、大江山までニッケル鉱輸送の

専用線が伸びていました。

1926年開業、廃止は1985年です。


1977年、加悦駅構内にSL広場を開設、

ディーゼル車の導入で不要になって

構内のすみでほこりをかぶり赤サビていた

廃車SLや客車等を整備し、展示しました。

鉄道が廃止になってもSL広場は存続、

列車が走っていた実際の線路上なので

今にも走りだしそうな展示でした。


1996年に加悦駅跡から大江山駅跡に移転、

加悦駅の駅舎も移築されました。

鉄道が営業中だった頃のおもかげは

薄くなりましたが、車両ともども

保存されているだけでも奇跡的です。


私は列車に乗ることはできませんでしたが、

廃止6年後、加悦駅跡がそのままだった頃に

一度行ったので写真でご覧ください。

現在加悦駅の跡地は町役場になっています。

(1991.4.29訪問)



加悦駅の駅舎です。

隣接の2階建は加悦鉄道本社でした。

洋風でちょっとオシャレな建物です。


出札窓口や改札口もそのままです。

入場券を買って改札から中に入ります。





ホームに停車中は1261号とハ21。

1260形は1923年・日車製で、

1260、1261の2両ありました。

大江山と岩滝の専用線で貨物を牽引、

貨物廃止で休車→廃車となったそうです。

ハ21はマッチ箱のハ4995を鉄道省から

譲り受け北丹鉄道工場で車体を新製。

降ろしたハ4995の車体(側面4扉)は

物置に利用していました。
車内を見ると1.5人掛椅子です。

(通路側は斜めにお尻半分だけ腰掛ける)

少し前かがみで、足を踏ん張っていないと
背中合せの人と後頭部をごっつんこします。







隣の線路に乗っていたのは

4号機とハ4995です。

ハ4995の足まわりは

前項のハ21に譲ってしまったので
倉庫として残っていた車体と

廃車になったハ20の台車を組合せて

ハ4995を復元したそうです。
側面4扉なので車内は貫通してません。
シートは畳、扉を開けるときは窓を降ろし

外側から取っ手を操作します。



2号機関車(120形)とハブ3


京都・神戸開業時に使用したロコを

鉄道省から払い下げられたものです。

同時期の輸入品なので新橋・横浜の

1号機関車とそっくりです。


TVドラマの大いなる旅路で

1号機関車の代わりに出演していたな。

自走できないので、貨車風に変装した

動力車に押されていました。


ハブ(荷物合造車)はドイツ型ですね。

明治初期の鉄道は英国製が多い中で

ちょっと珍しいです。




ハ10

少し前まで休憩所でしたが
ガラスが割れたり痛んでしまったので

閉鎖されていました。

梅鉢製だそうです。

貨車用と同じアーチバー台車を履いてます。




DB201

ひと目で森製作所製と判りますね。

蒸機ばかりで開業した加悦鉄道ですが

コスト削減のため1953年に購入。

客車を牽いていたそうです。

動態復元されて動くそうです。



DC35形 DC351

こちらは汽車会社タイプです。



ワブ3

無蓋車に自社工場製の車体を載せた。

車輪がとても古そうです。



機関車牽引の客車列車で始まった

旅客輸送でしたが、やがて

気動車に置き換えられました。



キハ101

1936年、日車製のガソリンカーです。

片ボギー式で、どんな走行音がするか

聞いてみたかったな。

後年ディーゼルに換装されています。



キハ51

同じく1936年・日車製ですが

こちらは中古車で1962年に

船木鉄道から購入したそうです。

(船木鉄道ってどこだろう?)




キハ083

言わずと知れた

国鉄の客車改造気動車です。

オハ62にエンジンを載せたものです。

北海道出身、1972年入線。




キハ1018

こちらも国鉄払い下げ車です。

1980年入線。


最晩年、1985年の廃線の頃は

キハ08、10の2両でこと足りていて、

他の車両はほとんど動く機会が

なかったようです。



以上、ここまでは実際に加悦鉄道で

働いてきた車両たちです。

つぶしてしまわずに、とっておいた

というのは素晴らしいことですね。


SL広場の展示用に

運び込まれた車両もあります。



C57189


C58390


キ165

この3両は加悦町が国鉄から

借り受けたものです。


ご覧いただいたように

随時化粧直しをくりかえして

外観上は比較的良い状態で

保存されています。


展示方法も含めて

今にも動き出しそうな様子に触れて

楽しい1日を過ごすことができました。


大江山に移転してからも

車両が増えているようです。




人力の転車台


鉄道模型で

手持ちの車両にストーリーを付加して

地方鉄道を再現してみる、

なんてことを考えてみましたが

実現していません。


○○保存鉄道、なんて名称をつければ

各社いろんな車両を集めてもOKだし、

路線図やダイヤまで想定すれば

楽しく遊べそうですね。

いつかやってみたい遊びのひとつです。




本日もご乗車ありがとうございました。