片上鉄道のこと その1 | きゅうの鉄道写真館

きゅうの鉄道写真館

きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。




こんばんは。


今日は前々回・小坂鉄道のつながりで

同和鉱業片上鉄道へご案内しましょう。

訪問は平成3年1月4日です。


大阪に滞在中で青春18キップ利用です。

朝の列車に乗るため初電で出かけました。

和気着は8時頃で、既に1列車は到着しています。


あれー?・・・  しまった!

冬休みの関係でか思っていた編成ではありません。

1列車は通学列車で、学校があるときは

機関車+客車3両で運転されます。

さらに和気~片上間は後部に回送の気動車を連結。

休日は客車が1両に減りますが

機関車+客車+気動車となるはずでした。


しかし、冬休み中でしばらく減車が続くためか

気動車+回送気動車、

つまり気動車の2連で停まっていました。

それでも貴重なキハ41000(キハ04)に

乗れるので、いそいそと跨線橋を渡りました。





妻窓4枚のほう(キハ303)が前で、

客扱いをしていました。

車内は対照的で4枚窓の方は超ロングシートで

客扉間は端から端まで1本のロングシート。




一方、2枚窓のほう(キハ312)はクロスシート

ですが、黎明期の気動車特有の1.5人掛け

シートでした。(写真は別の日)

車体断面が小さいため椅子の高さも幅も

サイズが小さく、着席したときは軽く前傾姿勢

をとり、足を踏ん張っていなければなりません。

ぼーっとしてると背中の人に頭突きしちゃいます。

通路側はお尻半分しか腰掛けられず、

足は斜めに通路にはみ出ます。

なお、このキハ312はキハ41000のコピーで

自社発注です。


こっちの車両に乗りたかったのですが

回送扱なのでロングシートのほうで我慢です。




運転席の脇は車端までロングシートなので

運転動作を見たり前方展望を楽しんだり

ファンにはたまらない席でした。
沿線のどこで撮影するかの下見をしながらで

いそがしいこと!




運転の様子を見たり、前方展望や

撮影場所のロケハンをしたりと忙しく

あっという間に片上に着いてしまいました。





そして、乗ってきた編成は解体されて

それぞれの場所に落ち着きます。


一方旅客ホームとは一番離れた車庫からは

キハ702(旧キハ07)が出てきて

制動テストなどしています。


これはてっきり運用に入るのかと喜びましたが

残念ながら本線には出てきませんでした。


片上の「ブルートレイン」と親しまれた客車は

港に近い側線に留置されていました。




ホハフ3000(オハフ33)の外観と車内




ホハフ2000は17m級で旧国鉄のサハ87と

スロ33の台枠を再利用して作ったものと

解説している書籍を見かけましたが、

全長があいません。

そして最大の特徴はスケスケのデッキ。

まるで展望車ですね。




港には鉱石を下ろすホッパと

船に積込むための設備がありました。

しかし鉱石輸送も昭和62年で終了。






この時点で3年半も過ぎていますが

そのまんま残っていました。

このときもお断りして撮影しようと思ったのですが

人っ子ひとりいませんし、

いつの間にか岸壁に出てしまい

コンベヤなどの機械もお正月休みで止まってる

だけなんじゃないか、と思えるくらい

そのまんまの状態で時が止まっていました。


さて次の列車の時刻もあるので

撮影地へ向かいましょう。

列車に乗って行きたいところですが貴重な1本の

撮影チャンスを逃すことになるので歩きます。






先ほど列車から見てきた景色のうちで

一番山深い感じのした清水~中山間に

行ってみました。

1枚目は清水に停車中です。

そして、やってきた列車は

さきほど乗車した303号でした。




峠の反対側に抜けて下り列車を迎えます。

やってきたのは小坂から移籍してきた車両で

キハ801号でした。




中山駅です。







キハ303は柵原まで行って戻ってきました。
ポプラの木と高い空ががとても印象的でした。

列車の写真はこれでおしまいです。

実はこの1枚を撮った手ごたえは

かなりのものがあり、すっかり満足しました。

当時はフィルムカメラだし

現像するまで結果は見られませんが

大変な満足感があったと思います。
(それほど大した絵ではありませんが…

 多分、初電で来たので眠かったのかも?)


一応、本和気まで歩きましたが、
もう今日はいいや~てな気分になり

町なみだけ撮って帰りました。











本和気の駅前通りです。
こちらが旧市街になるのだと思います。

古い趣のある建物が残っていましたが、

今はどうなったかな、とストリートビューで

見たところ、面影は残っていました。

特に旧郵便局と隣の三軒長屋はそのままあります。

この郵便局は看板建築で中身は普通の木造です。

良く見るととなりの旧商家とくっついています。

裏にまわればふつうの瓦屋根。
表だけビルのように見せかけているのです。

小原薬局も健在でした。

テントの看板が大きくなり、

建物の見える部分は少なくなりましたが、

瓦など見ると中身はそのままのようです。

片上鉄道の次の列車まではまだしばらくあります。

初電で来たのでくたびれたし、帰ることにしました。




下りホームには115系3000番台が停車中。

西日本は普通電車でも転換クロスシートで

東の近郊型と比較すると全般に豪華です。

山をスケッチする女の子が写り込んでしまい

ましたが、25年前なのでもう時効でしょう。





片上鉄道は平成3年6月30日をもって

廃止されました。
現在、線路跡はサイクリングロードに整備され

ストリートビューで見ることができます。

ブログを書くにあたってパソコン上で線路跡を

走ってみると懐かしい風景がよみがえりました。


次回はその後、DD13の牽くブルートレインを

どうしても撮りたくて車で出かけたときの様子を

書きたいと思います。



本日もご乗車ありがとうございました。