臨時列車を走らせる 後編 | きゅうの鉄道写真館

きゅうの鉄道写真館

きゅうの休憩室から鉄道関係を移設しました。
ドールに興味のない方はこちらで。


こんばんは。

ずいぶん間があいてしまいました。

連休疲れと家のことで手一杯だったりして・・・

家の工事はようやく今週中に終わります。


さて上信電鉄の貸切列車の続きです。

本番は平成17年5月29日でした。

列車運行の趣旨は、鉄道模型を楽しむ

4人グループの1人が早期退社することになり

その記念に、ということで企画しました。


臨時列車だけでも鉄ちゃんとしては大イベントですが

さらに前日から軽井沢のリゾートホテルに1泊して

ミニ運転会もやろうじゃないか、と盛り上がりました。





軽井沢へ行くには、途中碓氷峠を通ります。

ならば当然のごとく横川の鉄道文化村に寄りました。

トロッコに乗ったりいろいろ楽しみましたが、メンバーの1人

SUNちゃんがEF63の仮免許を持っているので

乗せて欲しいと思いましたが、そういう制度はなくて

EF63は撮るだけでがまんでした。







文化村に保存されている車輌は

メンバーそれぞれが思い入れのある車ばかりで

お気に入りの車両をじっくり観察してきました。

あるいは次の運転会で細工をして

仲間をあっと言わせてやろう、なんて考えて・・・


自分について言えば、EF53が特に気に入ってます。

天賞堂の銀箱で初めて新車で買ったのがEF53でした。
アパート暮らしのときで走らせる場所もなく

コタツ板の上でいろんな角度から一晩眺めたっけなあ。




横川から軽井沢へは旧道を経由して登ります。

途中、レンガアーチの碓氷橋を見て、

駅前では元祖アプト式電機や草軽のL型機に対面。


リゾートホテルは老舗ではなく庶民的な方にしました。

(軽井沢は上を見たらキリがない)少しだけ奮発して

ベッドのほかに座敷がついてるタイプを選びました。


持参の組立て線路を広げて

夜半まで模型談義と運転を楽しみました。

(右端が私、隣が安さんです)


いよいよ当日。

優雅な朝食の後、一気に高崎まで下りました。

上信電鉄のおそらく旧貨物駅でしょうか、

貨物ホームが駐車場になっていて・・・

その奥にわが列車が準備万端待ち構えていました。



編成はデキ3+デキ1+デハ200+クハ300

あいにく上信は客車を持っていないので

客を乗せるにはこんな編成になります。

旅客用の高崎駅とは別の場所で、ホームに停まれず

電車に乗りこむためにタラップが用意されていました。



この場所から振り返ると

こんな機関車が停まっていました。

旧ED316です。

貨物が現役のころ南高崎の構内や

高崎との連絡、入替用に使ってた機関車です。

動かなくなって久しく、だいぶ朽ちてきました。


しかし、この不思議なデザインはどうでしょう?

たとえて言うならば、

鉄道模型に入門して初めて作った電気機関車、

ボール紙で車体を作り電車用の台車をはかせたら

こんな感じになっちゃった、みたいです。

真四角のボディに真四角の妻窓、直線のひさしは

いかにも、という雰囲気ですが文献を調べてびっくり。

その前身は伊那電気軌道のデキで国鉄に買収され

ED316になったが1~5号機は近江鉄道に行った、

6号機は上信に来てから車体を作り直したとのこと。

言われてみれば台枠やエンドビームの形は同じ、

台車も同じように見えます。

オリジナルのデザインもいい勝負かもしれません。
別にわざとかっこ悪く作った訳じゃないと思いますが…

さて、ここからは安さんのかつての同僚の人や

特に鉄道好きな仲間も合流して下仁田へ向かいます。

まあ、車内では普通にセレモニーをして普通に騒いで

下仁田に着きました。



下仁田駅は行止りホームに突っ込みました。

機回し方法はインチキでした。

まず、切り離した電車は

自分で隣の側線に移動します。



続いて、デキが追いかけて高崎側に連結。

本線に引き出した後、到着した2番線に再び押込みます。


さてここで問題発生。

普段は2輌編成の電車しか走らない路線ですが

電車2輌にデキ2輌つないだら

ホームの有効長いっぱいになってしまった。

電車のほうで「あと50cm!」なんてやりながら

ぎりぎりまで引っ張ってATSをクリアしました。
これ以上突っ込むと

架線の絶縁区間にかかってしまいます。




列車の据え付けも終わりましたので

持参のヘッドマークをつけて撮影会です。

このくらい小さくすれば当事者以外、

誰だか見分けがつかず大丈夫かと思いますが…

実はもう一人いたのですが寝坊して間に合わず

高崎駅で待っていました!
帰りはヘッドマークをつけて走るつもりでしたが

ガムテープで貼り付けたところ少々不安で

残念ですがはずしてしまいました。





こうして「自分達のためだけに列車を走らせる」という

鉄ちゃんにとっての大きな夢は実現しました。

かかった費用15万円については

これだけの機材(電車2輌、機関車2輌)と電気代(?)

スタッフ(運転士、車掌、駅の職員や企画担当の事務)

などを考えればけっして高くないと思いますし、

それ以上に楽しめたと思います。


といいつつ結局費用は主役の安さんにたかりました!

(悪い仲間だ!)


そしてお祝いと記念品を兼ねて

このようなものを用意して3人から贈呈しました。

(展示台の製作は私、機関車はW社の既製品)



ところで安さんは、というと・・・

残念ながら4年ほど前に

向こう岸(彼岸)に行ってしまいました。



本日もご乗車ありがとうございました。




最後にひと言。

車内や車窓の写真、N村さんの撮影です。

連絡先が判らなくて無断で使わせてもらいました。

ごめんなさい。。。