笑瓶さんにはげちゃびんと言われた男
僕が尊敬す諸る先輩方の中に、
Tさんとゆー、岡山に本社のあるTV局の
製作部長(当時)さんがいらっしゃいます。
19歳でこの業界に入っちゃった僕を、
時に怒鳴り、時に怒鳴る、また怒鳴る。
ほんとびっくりするぐらい優しい方やった。
真面目が服を着て歩いてるよーな人で、
特徴は…外見的に特にないんやけど、
そうですねえ…
強いて言うなら…
頭髪が薄かった![]()
悪気は一切ないんであしからず( ̄_ ̄i)
まだまだ若手で人気が出かかってた頃の
笑福亭笑瓶さんを、週1で香川に迎えて
収録してたローカルバラエティ番組で、
栗林公園に収録に行った時のこと…。
サムライ姿の笑瓶さんが、刀を振り回し
通りがかりの素人さんをずばずば斬って
リアクションしてもらう…ってコーナーで、
笑瓶さんが調子に乗っちゃって、
放送局のかなりエラいさんであるT部長に
「とりゃー!」と思い斬りかかって一言…
「この、はげちゃびんめ!」
現場の全員の笑いがひきつった![]()
それぐらいの頭髪の状況でしてん。
岡山の広報番組のロケでは、
山腹から町並みのロング撮影が終わり、
そろそろ夕暮れが迫った中、
全員で歩いて山道を下ってたら、
先頭を歩いてたT部長が足を滑らせて
尻もちをついた。
「おわっ!」
さっきまで目の前に上下してたT部長の
まあるい頭がふいに消えてちゃったので、
スタッフ全員が同時につぶやきましてん。
「日没や…」
ほんと、いい人に失礼なハナシやな(^o^;)
どーしても忘れられへん思い出がありまふ。
もう25年近く前の話。
毎年、こんぴら大芝居が盛大に催されてる
国の重要文化財「金丸座」の観客席で
新春知事対談を中継収録した時のこと。
僕はカメラマンで参加したんやけど、
セッティングがなかなかタ~イヘン。
なんせ相手は国の重要文化財ですもん。
ケーブルを這わせてカメラを4台並べ、
照明を5方向から当てないといけない。
実は、当時のカメラはまだCCDじゃなくて
プランビコンとゆー撮像管やったから、
最大の敵は照明の入り込みでしてん。
撮像管ってのは、強い光が写っちゃうと、
人の目で太陽を見たのとおんなじよーに、
「焼きつき」が生じて黒っぽいシミが
しばらく画面に残っちゃうの(T_T)
こーなるとそのカメラは使えなくなる。
えらいこっちゃ(-。-;)
なもんで、周囲から照明がどかどかと
当たってる中での撮影は、そのへんを
すんごく気にするから、
繰り返し位置を確認するわけです。
僕らがカメラを覗いてると、T部長が
「準備、どう?」と現場にやってきた。
ちょーどよかったんで、
T部長に知事の位置に腰掛けて貰って
カメラチェックをスタート。
…と、若いカメラマンが冗談半分に
T部長の頭にズームインしたの![]()
ピントを合わせる当然の手順なんやけど、
まあ、若いスタッフばかりやったもんで、
T部長も「わはは」と一緒に面白がって
目の前のモニタに映った自分の薄い頭を
ずも~っとカメラに向けてくれたりして
みんなが「わはわは」笑いながらの
実に和やかな準備風景でしてん。
ところが( ̄* ̄ )
全部のカメラを調整する中継車にいた
T部長の部下にあたる技術部キャップが、
別のカメラの画面に照明が入ってるのに
気が付いた。
…気がついちゃった。
彼はインカムを通して大声で怒鳴った。
「こらー、照明を写すなー」
自分の頭がアップで映ったモニタを見る
T部長の耳にも、しっかりと届いた。
技術キャップは容赦を知らなかった。
「焼きつき起こす!照明はいらん」
「ぴかぴか照明写すなー!」
「そんなもん撮って、カメラ壊す気か!」
それ以降、知事対談の収録は、全スタッフが
ヒジョ-に緊張し、気を引き締めて臨めた
なかなか忘れられへん現場になりましたとさ。