でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -246ページ目

実録!でぶるまん危機一髪

「なー、●●くん(僕)ってさー、明日ヒマ?」


「あ、えーっと、どうかな…」


「返事遅いなぁ。ハリセンかますでー」



学生時代、バカ話仲間やったF子さんは関西出身。


黒髪をポニーテールにまとめた可愛い女の子で


ものすごい活発な「アネゴ気質」やった。


学科は違ってたけど、学食で別のグループ同士で


わいわいやってるうちに、仲良くなったのね。



…と言っても、「恋愛感情」とは次元が違ってて、


同い年やったけど、「姉と弟」みたいな感じで、


僕がただの子分みたいな関係やった( ̄_ ̄;)



盃、受けさせて貰いやす、あねさんm(_ _)m



突然、彼女からお願いされたのは土曜日やった。


「明日、ちょっと会う予定の人がいるんやけど」


「はいはい」


「モデルエージェンシーの人なんや」


「ほー! そらすごいですな( ̄▽ ̄)」


「でさぁ、一緒に行ってくれへん?」


「…は? それはまたなんで?」


「ちょっと怖いやんか(^^ゞ」


「ボディガードやね? ケビンコスナーみたいな」


「誰がケビンコスナーやねん( ̄∩ ̄」


「…僕、忙しいかもしれへん」


「あーんケビン様、一緒に行って~ヽ(゚◇゚ )」


「そーゆー手を使うな使うな ̄。 ̄;」



翌朝、新宿駅で落ち合った。


彼女はちょっと化粧してて、大人っぽいスーツ姿。


僕もジーンズにジャケットで、上の年齢を装った。



奥まった場所にある雑居ビル2階の事務所。


(映画に出てくる悪徳金融会社みたいやな…)


忍び寄る恐怖心と、それを面白がる好奇心。



応対してくれたのは、ちょっとクワタ投手に似た


サクラ色のTシャツを着たおにーさん。


ソファに案内されてビビってると、


「そんなに緊張しないでよ~、や~ん」


かなりのオネエ言葉に余計に緊張するする。


「カレシはさぁ、恋人ぉ~?」


「わぁ。まさかまさか。…友だちです」


「ああん、用心棒なのね~、うふふっ」


「うふふっ」



そーこーしてるうちに、もう一人やってきた。


漫画みたいな、紺と緑色の縦縞スーツを来た


恰幅のいい中国人系の男性。


(わー、吉本新喜劇みたいやなこれは…)


意外と二枚目な縦縞中華の声はドスがきいてた。


「さっそく…だけど」


「は、はい」


「君じゃないって」


「あ、ども…」


「彼女さあ、明るいところで顔を見せてくれる?」


縦縞中華は、困惑顔の彼女の手を引いて、


[社長室]ってプラカードの付いた部屋に


連れて行こうとする。


「あ、あの~」


「あ、あの~」


立とうとする僕は、クワタオネエに制止された。


「カレは、ここで待ってよーね」


かなり強引に扉の向こうに連れてかれるF子さん。



(わー。こらマズいなマズイぞマズイねん…)


携帯電話なんてない時代やから助けも呼べない。


でも、僕には責任がある。


(どないしまほ~~~~~。    …お!)


周囲を見渡すと、その部屋は応接専用っぽくて、


これといって資料の類が全然置かれてない。



僕、悩んだ挙句、勝負に出ることにした。


「あの、こちらの事務所ですが…」


「はいはい」


「他にどんなモデルさんが…?」


クワタオネエは、とたんに嬉しそうな顔になって、


「実はね、けっこー有名どころがいるのよ」


そういって奥の部屋に何かを取りに行った。



カンペキに予想通りの行動!




(おけー:*:・( ̄∀ ̄)・:*:)


テーブルの上の電話機に手を伸ばす。


ちょっと迷ったけど、思い切って110を押した。


「…はいはい」


(?( ̄o ̄)?)


なぜか聴いたことのある声。


「あ、あのー」


「ああ、どもー。何か?」


隣の部屋から縦縞中華の声が聞こえますねん。



( ̄_ ̄ ;)??



当時オフィス電話に多かった「ゼロ発信」


哀しいかな僕は知らなかった。


最初に0を押してから電話番号を押さないと、


自動的に内線電話になっちゃう仕組み。


なもんで、僕が「110」の「1」を押した瞬間、


社長室に内線がつながっちゃったのだ。



「あ、いえ、間違えました…m(_ _ )m」

わけわからん言い訳して受話器を置く。



(俺はアホやアホやアホやアホやアホや…)



もー泣きそう(T▽T;)になったけど、


でもやっぱりほっとくわけにいかん。


開き直って何発かぶん殴られるの覚悟で


強硬手段に出ることにした( ̄^ ̄)


「ふんがー!」

大きく深呼吸して拳を握りしめ立ち上がる。


高らかに響き渡るワルキューレの騎行!


…んなわけないけど、気分はロッキー!!



「あの!すみません!」


そ~僕が声を上げた時、クワタオネエが


「カレシさー、これ見て見て~」


パワーアップされた怪しい笑みで入ってきて、


僕になにやらパンフレットを渡してきた。


「いいでしょ、うちのモデルさんたち」


「は?」


掲載されてたのは、めちゃめちゃ綺麗な


女性モデルさんばかり。


実際に発行された有名なファッション誌の


切り抜きもあった。


「うちって意外とやるでしょ。うふん」


「あ、そー…ですね」



わけわからんで僕が立ちすくんでると、


ドアを蹴飛ばすみたいな勢いで


F子さんが魔の社長室から戻ってきた。



「あ。…だ、大丈夫?」


(お前、その訊き方はマズイやろ~(-"-;) )


自分でもツッこみそーになったけど、


そんな僕の動揺なんておかまいなしに、


F子さんは満面の笑みで言いましてん。


「なーなー! わたし、合格やって!」


「は?」


「だからー、合格してん!」


「あ。え? あ…おめでとございます」




その瞬間、僕の中で結論が出た。


1:そこはきちんとしたモデル事務所やった。


2:彼女はちゃんとモデルのテストを受けてた。


3:僕はバカ。


4:僕一人がバカ。




彼女、半年後ぐらいからモデルの仕事を始めて、


やがてマネージャーに自分の天職を見い出した。




あれから27年。


例の新宿のモデルエージェンシーを引き継いで


社長さんとして活躍されていらっしゃいます。



あれから27年、。


僕は今もバカなままで、バカなブログ書いてます。