撃墜(上)2 | 野村孝博のブログ

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 昨日の続きです。

 

この「非人間的な体制」というのは、現在のどこぞの国がいまだにそんな感じで、平気で拉致被害者を全員死んだと言い、偽の遺骨を渡してくるのですから恐ろしいです。恐ろしいと思う一方で、「非人間的な体制」のために、非人間的な言動をしなければならないというのは、やっぱり哀れだということでしょうね。

 

 また、本文の中にムルマンスク事件にも触れていましたが、こちらは1978年に大韓航空機がソ連機にミサイル攻撃されて不時着し、15人が死傷した事件です。この事件と本書のメインである撃墜事件とは両方とも、大韓航空機の領空侵犯に端を発するのですが、民間機を攻撃するソ連軍はどうなのかと思う一方で、ソ連の国防に対する意識の高さというのは、見習うというと語弊がありますが、薄く日本に混ぜ込むくらいはして欲しいものです。領海侵犯の中国船に攻撃しろとまではいいませんが、海上保安庁の船に衝突してきた漁船の船長を釈放してチャーター機でお帰りいただくなんてありえないでしょう。現在のロシアがこんなにひどい状態だとは思いたくもありませんが、北朝鮮が同じような感じでしょうし、中国については海警局という武装警察部隊がウロチョロしているし、韓国も共産圏ではないものの、日本の領土に色気があるしで、日本の周囲は大変だなと改めて思わされます

 

 また、被害者側ではあるものの、これだけの頻度で大きな被害に遭う大韓航空機自体もどうなのかと、更に思わされました。1978年から1987年の9年間で大規模な事故ではなく事件が3回ですからね。また、どうしてよりによってソ連の領空に入って行ってしまうのやら、ソ連側から飛行機の計器を狂わすような電波が出ているのではないかなんて疑いたくなってしまいます。

 

また、本書の中では、日本とアメリカが中心になってソ連と交渉しており、韓国は蚊帳の外のようにも読み取れましたが、ここから中巻、下巻と続いていくので、そのように展開していくのか楽しみです。