野村孝博のブログ

野村孝博のブログ

ブログの説明を入力します。

 

 

続きです。

 

 「三体世界」が襲来するきっかけを作ったのは、人類に絶望した科学者・葉文潔でした。沢山の種が絶滅している原因を人類とし「三体世界に人類を滅亡してもらう」という思想を掲げ、これに賛同する人間がどんどん増え、「三体世界」とのコンタクトを取り始めるのです。また、訳者のあとがきによれば、著者は葉文潔が文化大革命を経て人類に絶望したと設定しているとのことでした。

 

 本書では「三体世界」の襲来に至らず、それでも会議のメンバーは「三体世界」の実力を知り、自暴自棄になってしまいます。しかし、そんな状況に史強が少しの希望をもたらせてくれて、物語は終わりました。

 

 文化大革命から始まって、その酷さがしっかり伝わってきますが、その「革命」に絶望して、自ら「滅亡」を望んでしまうという、共産主義のさらに上をいく思想、古典力学と宇宙のどこかに存在するかもしれない知的生命体を繋げる等、著者の発想力に驚かされるばかりでした。訳者が3人もいますから、訳すのも一筋縄ではいかなかったのでしょう。

 

 理系のお話なので、最初は理系心をくすぐられましたが、詳細なところはあまりにも難しくて、理解しきれておりません。ストーリーが動いて物凄くテンポよく読み進められる部分と、「三体世界」の解説などに理解が及ばなくて進まないところと、なんとも極端な本でした。また、期待が膨らみ過ぎて、序盤は「あれ?コレ、あんまり、、、」なんて思ってしまいましたが、どんどん話が壮大になって行き、夢中になって読み進めました。読み終えて一息つくと「ゴーストカウントダウンは結局何だったのか?」、「三体世界が人類よりも質の悪い奴らだったらってことは検討してないの?」みたいな疑問が湧いてきましたが。それらは私の読解力の無さで分からないのかもしれませんし、「三体Ⅱ」、「三体Ⅲ」で明らかになってくるのかもしれません。600ページ超の対策ですが、「三体Ⅱ」はこの1.5倍、「三体Ⅲ」はこの2倍のボリュームらしいので、この先どのような展開になるのやら、楽しみで仕方がありません。ゆっくり楽しませて頂こうと思います。