東京都美術館で開催されている「キリコ展」、
過去最大級のこの画家の回顧展との触れ込みに、彼の代表的スタイルである形而上的なマヌカン作品の数々を見れると期待して出掛けたのですが、肩透かしを喰らってしまいました(>_<)。
彼の生涯を辿ってそれぞれの時期の作風が紹介されているのは評価できますが、いかんせん、1910年代の彼ならではのマヌカンを主役とした形而上絵画の原作が少な過ぎます!
1960年代後半~70代に自身が再作成した作品の方が多かったのは残念です。
重要な原作で展示されていたのは、ポスターに採用されているこの2点くらい。
予言者(1914~15年)
形而上的なミューズ達(1918年)
他の作品の中で気に入ったのが2点ありました。
その一つが、南の家(1930年頃)。
穏やかな姿と色調とに魅せられました。
もう一つは、オデュッセウスの帰還(1968年)。
幾多の苦難を乗り越えた長い人生も狭い海みたいなもの!という寓意が込められているようで、共感を覚えます。
肩透かしを喰らったとは言え、会場は事前予約制で混雑しておらず、ゆっくり観覧できてそれなりに楽しめた展覧会ではありました。
キリコ展の後で、同じ東京都美術館で今日から始まった「日府展」の特別展示「越境する心と芸術・・・脳とAIは障碍を超えて・・・」という好奇心を刺激される展覧会も観覧するつもりでしたが、豈に図らんや!初日だけ「午後2時開場」で、午後3時から別の予定を入れていたため今日は断念、出直すことにしました。