ノット&東響「大地の歌」に深く感動 | 興味の赴くままに

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そして、スポーツでは野茂投手です。

この5月と7月に、東京交響楽団との10年を超える実り多い関係が頂点を究めつつあるジョナサン・ノット監督が、マーラーの「大地の歌」とブルックナーの第七交響曲を相次いで取り上げてくれる二つの期待のコンサートのうち、今日は「大地の歌」。



その前に、武満徹の「鳥は星形の庭に降りる」とアルバン・ベルクの演奏会用アリア「葡萄酒の歌」。


プログラム・ビルダーとしても名を馳せるノット監督らしい組み合わせの演目です。


初めて接する武満のこの不思議な曲名の作品、前から気になっていましたが、いかにも彼らしいたおやかな響きが魅力的。


続くベルクの「葡萄酒の歌」は、刺々しい曲が多いとの私の思い込みを覆す、この作曲家の穏やかな一面を感じさせる佳品。

ソプラノ独唱の高橋絵理さんの艶やかな歌声にも魅せられました。


さて、お目当ての「大地の歌」、冒頭のホルンの強奏からオケの充実ぶりが素晴らしく、二人の歌手もしっかりした歌唱を聴かせてくれました。


とりわけ、この曲の過半を占め、私がマーラーの曲の中でも最も好きな楽章の一つでもある、最終第6楽章「別れ」でのメゾ・ソプラノのドロティア・ラングの声と歌いぶりは、期待に大きく勝る素晴らしさ!


木管とハープとチェレスタの伴奏に乗って「永遠に」「永遠に」と、消え入るように7回も繰り返し歌いながら終わって行く様には、痺れるばかりです。


もちろん、そこまでに至るオーケストラ各部が奏でる運びにも感動させられました。


幸いカーテンコールでは撮影OKだったので、その感動を写真に収めることができました。



7月のブルックナーが楽しみです。