興味の赴くままに

興味の赴くままに

クラシックのレコード音楽鑑賞と山歩きと野茂投手が好きで歴史の進歩を信じる壮年が、興味の赴くままに綴るブログです。
特に好きなのは、音楽ではモーツァルトの全部、ベートーヴェンとブラームスの交響曲、山では剣岳と鳥海山。
そして、スポーツでは野茂投手です。

さっきミューザ川崎の東京交響楽団モーツァルト・マチネで聴いた出口大地さん指揮の活きの良い演奏に、すっかり乗せられました❣️


とりわけ、メインの交響曲第39番の心地好く弾む演奏の素晴らしかったこと‼️

冒頭の序奏部は、力強く硬い音のティンパニに装飾音を加えて刻ませる遅めのテンポで悠然と進められ、主部に入ると一転して快速調。

早めのテンポでもセカセカ感を全く感じさせない、若い息吹が迸るような推進力と歯切れ良いリズム感に、完全に虜にされてしまいました。

しっとり感を欠かさない第二楽章を経て、第三楽章のメヌエットでは、楽しく弾むような3拍子に惚れ惚れ。
その途中に挟まれたトリオでは、予想外にグッとスピードを落として木管群が紡ぐ旋律を際立たせるといった演出も。

そして最終第四楽章では、再び、迸る推進力と歯切れ良いリズム感を堪能できました。

初めて接した出口さんの指揮、我が息子と同じ名前でもあり、この俊英はこれから目を離せられない一人になりました。

他の2曲の演奏も文句無し!

1曲目は、アリアーガの歌劇「幸福な奴隷」序曲。
「スペインのモーツァルト」と称賛される夭折したこの天才が残した曲はどれも、早世した二人に共通する独特の哀愁を湛えており、私が大好きな作曲家の一人です。

この曲は彼の代表作の一つで、交響曲のような堂々たる構成で強弱・陰影の変化に富んでいます。
素晴らしかったモーツァルト第39番の演奏を予告するような演奏でした。

2曲目は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番。
独奏は前田妃奈さん。この人も初めてです。
カデンツァの音色と運びが蕩けるように魅力的❣️

鳴り止まない拍手に、ヨアヒムの「スコティッシュ・メロディ」をアンコールにプレゼントしてくれました。
聞き置覚えある歌の旋律ですが、歌詞を思い出せません。

今朝は、私が応援する渋野日向子選手が全米オープン女子ゴルフ選手権大会決勝ラウンド初日で首位に2打差の4位に浮上したのを見届け、久しぶりにシブコ劇場にワクワクさせられて、気持ち良く始まったのですが、そこへこのモーツァルト・マチネの快演!
最高の日曜日になりました。

昨年来の不調を克服して復活しつつある渋野選手、明日の決勝ラウンドでシブコスマイル爆発!への期待が一層高まります。




今日は、朝9時から昼前まで、神田川ファンクラブの生き物調査に参加❣️
普段立ち入り禁止の神田川の川床で、生き物探しの楽しいひとときを過ごしました。


高田馬場の地域センターに集合し、長靴とズボンが一体化した防水服とライフジャケットを渡され、
神田川ファンクラブ20240601

親水テラスで着替えて川床へ🏃💨


昨日の大雨上がりの晴天に恵まれ水嵩も普段通り並に低下していたものの、26種類棲息が確認されている目当ての魚達は、大雨で下流に流されたまま、未だ戻って来ていないらしく、小学生から私世代までの参加者9名で小一時間手網や投網で漁った成果はさっぱりだっのは残念でした。

皆で捕獲できたのは、魚はウキゴリ2匹だけ💦


他はエビが3種類。アメリカザリガニ5匹、スジエビ2匹、小さなヌマエビ多数。
それに大きなスッポンが1匹!

雨で流されていなければ鮎が多数見つかったはずとのことでした。

私の手網に入ったヌマエビ達はこんな感じ(∩´∀`∩)。


生き物調査の成果はイマイチだったとはいえ、いつもの岸辺の遊歩道や橋の上から覗き見る姿とは異なる、川床に入って見た神田川の素顔が新鮮でした。

また参加チャンスがあればリベンジしたいと思います。


急速に発展しつつある生成AI、テレビや新聞にニュースや記事が出ない日が無いくらい注目を浴び続けてます。

そんな中、AI時代に人間の創造性を問う展覧会『越境する心と芸術・・・脳とAIは障碍を超えて」と、関連シンポジウム「生成AI以降、人間の創造性・・・」に参加するため、東京都美術館へ出直しました。


「出直し」とは、先週出掛けたキリコ展の続きのはずだったからです。。

今日午後、日本が誇るこの分野のパイオニア御三方が登壇するシンポジウムに参加し、その後に特別展示会「越境する心と芸術・・・脳とAI は障碍を超えて」観覧しました。

参加しようと決めたのは、私がフォローしている作曲家・指揮者で、物理学を究め多方面で活躍されている伊東乾さんが、某Webメディアに連載している記事で紹介されているのを読み、強く興味を引かれたのがきっかけです。

シンポジウムに登壇したパイオニア御三方とは、
世界に先駆けてAIを創造した、甘利俊一先生(1967年「バックプロパゲーション」計算の原理を確立)。
世界初のディープラーニング・システムを開発した福島邦彦先生(1978年、『ネオコグニトロン』を実装開発)。
そして、脳科学者で芸術脳の研究とAIと人間の創造性について目覚しい働きを続けている塚田稔先生。

日本が地味な部分を支えてきたAIそのものの原点と今後の展望を、実際に礎を作った方々からから直に話を伺えた、知的興奮に富んだ意義深いシンポジウムでした。

甘利先生からは、人間とAIの知識の違いについてのポイントが示され、福島先生からは、ディープラーニングの原理とその機構についての詳細が紹介され、塚田先生からは、動物やAIには出来ない人間ならではの創造性がキーになることが語られ、AIへの向き合い方への深い示唆を受けました。

惜しむらくは、おひとり当たりの持ち時間が僅か40分と短く、必ずしも意が尽くされずに終わった生煮え感が残ったことです。せめて1時間ずつあったら・・・。


その後観覧した展覧会『越境する心と芸術・・・脳とAIは障碍を超えて」では、まさに人間ならではの創造性が発揮された作品の数々に、知的刺激を受けながら楽しませてせてもらいました。

東京都美術館で開催されている「キリコ展」、


過去最大級のこの画家の回顧展との触れ込みに、彼の代表的スタイルである形而上的なマヌカン作品の数々を見れると期待して出掛けたのですが、肩透かしを喰らってしまいました(>_<)。

彼の生涯を辿ってそれぞれの時期の作風が紹介されているのは評価できますが、いかんせん、1910年代の彼ならではのマヌカンを主役とした形而上絵画の原作が少な過ぎます!

1960年代後半~70代に自身が再作成した作品の方が多かったのは残念です。

重要な原作で展示されていたのは、ポスターに採用されているこの2点くらい。

予言者(1914~15年)


形而上的なミューズ達(1918年)

他の作品の中で気に入ったのが2点ありました。

その一つが、南の家(1930年頃)。
南の歌@キリコ展20240519
穏やかな姿と色調とに魅せられました。

もう一つは、オデュッセウスの帰還(1968年)。
オデュッセウスの帰還@キリコ展20240519
幾多の苦難を乗り越えた長い人生も狭い海みたいなもの!という寓意が込められているようで、共感を覚えます。

肩透かしを喰らったとは言え、会場は事前予約制で混雑しておらず、ゆっくり観覧できてそれなりに楽しめた展覧会ではありました。

キリコ展の後で、同じ東京都美術館で今日から始まった「日府展」の特別展示「越境する心と芸術・・・脳とAIは障碍を超えて・・・」という好奇心を刺激される展覧会も観覧するつもりでしたが、豈に図らんや!初日だけ「午後2時開場」で、午後3時から別の予定を入れていたため今日は断念、出直すことにしました。



この5月と7月に、東京交響楽団との10年を超える実り多い関係が頂点を究めつつあるジョナサン・ノット監督が、マーラーの「大地の歌」とブルックナーの第七交響曲を相次いで取り上げてくれる二つの期待のコンサートのうち、今日は「大地の歌」。



その前に、武満徹の「鳥は星形の庭に降りる」とアルバン・ベルクの演奏会用アリア「葡萄酒の歌」。


プログラム・ビルダーとしても名を馳せるノット監督らしい組み合わせの演目です。


初めて接する武満のこの不思議な曲名の作品、前から気になっていましたが、いかにも彼らしいたおやかな響きが魅力的。


続くベルクの「葡萄酒の歌」は、刺々しい曲が多いとの私の思い込みを覆す、この作曲家の穏やかな一面を感じさせる佳品。

ソプラノ独唱の高橋絵理さんの艶やかな歌声にも魅せられました。


さて、お目当ての「大地の歌」、冒頭のホルンの強奏からオケの充実ぶりが素晴らしく、二人の歌手もしっかりした歌唱を聴かせてくれました。


とりわけ、この曲の過半を占め、私がマーラーの曲の中でも最も好きな楽章の一つでもある、最終第6楽章「別れ」でのメゾ・ソプラノのドロティア・ラングの声と歌いぶりは、期待に大きく勝る素晴らしさ!


木管とハープとチェレスタの伴奏に乗って「永遠に」「永遠に」と、消え入るように7回も繰り返し歌いながら終わって行く様には、痺れるばかりです。


もちろん、そこまでに至るオーケストラ各部が奏でる運びにも感動させられました。


幸いカーテンコールでは撮影OKだったので、その感動を写真に収めることができました。



7月のブルックナーが楽しみです。