みどりの食料システム戦略のその後 | 無農薬栽培 みんな集まれ!ノーマ農園

無農薬栽培 みんな集まれ!ノーマ農園

2011年春、愛知県愛知郡東郷町諸輪畑尻山90番地に、すべての人がノーマルに生きるための農園が誕生しました。その名も『ノーマ農園』。

大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に対して、将来にわたって食料の安定供給を図るために、農林水産省が「みどりの食料システム戦略」を令和3年5月に策定しました。

東郷町も、それに呼応してオーガニックビレッジ宣言をして国の認可を得ましたし、全国の自治体でも国の認可を得ようという動きが出ています。
先進的な東郷町の活動に当初から関わらせていただき、いろいろな試行錯誤を繰り返して少しずつ進んでいるのですが、画期的な前進とまでは行っていないように感じています。

地球規模や日本の課題に対して策定されたみどりの食料システム戦略ですが、国においては、それを打ち消す政策が多くなされており、ダブルバインド状態となっているために、この戦略の実効性が損なわれている様に思います。
「ダブルバインド」とは、二つの矛盾した要求や情報を受け取ることで、どちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安感をおぼえるような心理的ストレスのある状態のことです。
というか、うがった見方をすると、本当は真剣にみどりの食料システム戦略を実施するつもりはないのでは無いか、対外的に体裁を整えただけでは無いかという懸念をしています。

私個人としては、みどりの食料システム戦略があろうがなかろうが、自らの農業を淡々と実施して、そんな農業に共感して一緒に実行してもらえる仲間や後輩をつくって行くことに専念するのですが、温暖化や異常気象の頻発、消費者の野菜や肉魚など一次産品購入量の減少傾向、一次産品価格への消費者の理解など多くの懸念が横たわります。

懸念があろうがなかろうが、私は私の道を行くのですが、そうとばかりは行っていられません。
地球に住み、地球にお世話になり、地球の一因である人として、より多くの人が、どういう行動を取ることが必要なのかを理解して、それを実行できる状況を作っていかないと自己満足の世界から逸脱できないので、どうしたらよいのか小さな頭で考えています。
考えたり思ったりするだけなら誰でもできるので、私として何ができるのか考えて実行して行こうと思っています。

そして、毎日畑に立って、地球と人にとって好ましいと思われる農法で野菜を作り食べていただくという活動を継続しながら、少しずつ大きなうねりができて行くことを願っています。